『失われた時を求めて』ミュージックプレイリスト vol.3「ゲルマント公爵夫人の夜」|読むより音楽で「聴く」プルースト
『失われた時を求めて』を音楽でたどる、プルーストの世界へようこそ。
3回目の今回は、「ゲルマントの世界」をテーマに、ワーグナーとベートーヴェンの作品を選びました。
ゲルマント公爵夫人やシャルリュス男爵の周囲には、フランスの社交界でありながら、ドイツ文化への深い関心がただよっています。
とりわけワーグナーは、プルーストの世代の知識人にとって避けて通れない巨大な存在でした。
リヒャルト・ワーグナー(1813–1883)の音楽は、神話や伝説の壮大な世界と、洗練された芸術文化の両方を背負っています。
一方、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770–1827)については、後期弦楽四重奏曲は、19世紀末になってもなお、容易には理解し尽くせない前衛的な作品群として響いていました。
華麗なフランス貴族の社交界。その背後には、ワーグナーやベートーヴェンというドイツ音楽の巨大な世界が広がっています。
今回は、そんな「ゲルマントの世界」を往復するように選曲しました。
ワーグナー《ローエングリン》第1幕前奏曲
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第13番 Op.130
ワーグナー《ローエングリン》第3幕前奏曲
ワーグナー《パルジファル》より「聖金曜日の音楽」
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第14番 Op.131
1. 《ローエングリン》第1幕前奏曲
2. ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第13番 Op.130
(大フーガ Große Fuge なしヴァージョン)
ベートーヴェンの原譜では、この四重奏曲の第6楽章は「大フーガ」でした。しかし、出版社のアルタリア社の編集者は、このフーガが一般の人々にとって非常に難解であると考え、ベートーヴェンは新たにこの終楽章(アレグロ)を作曲することに同意しました。
つまり、プルーストの時代には、この作品は「大フーガ」なしヴァージョンが演奏されていたことになります。
現代の演奏では、大フーガ付きで全曲演奏されるものが多いです。
3. ワーグナー《ローエングリン》第3幕前奏曲
4. ワーグナー《パルジファル》より「聖金曜日の音楽」
5. ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第14番 Op.131
第1回目(ミュージックプレイリスト vol.1 「スワンの恋」)は下記のページです▼
第2回目(ミュージックプレイリスト vol.2「サロンとベル・エポック」」)は下記のページです▼
vol.4はこちら。
▼拙作でもオマージュしたプルーストのモチーフ
