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​「なんとなく良い写真」から抜け出すための言語化

皆さんは、何かを考えるとき、頭の中で言葉を使っていないだろうか。

「今日は何を食べよう」

「明日は何をしよう」

「これはどういう意味なんだろう」

人によって独り言だったり、頭の中でもう一人の自分と会話していたりするはずだ。

つまり、思考と言語は切っても切り離せない。


では、写真を撮るときはどうか。

私が周りの人に聞いた範囲では、

「可愛かったから」

「綺麗だったから」

「カッコよかったから」

「オシャレだったから」

というように、感覚で撮っていると答える人が多かった。

もちろん、それは間違いではない。

むしろ写真を撮るうえで「なんとなく好き」という感覚は、とても大切だ。

ただ、私は少し違うと思っている。

その「可愛い」「綺麗」「カッコいい」という感覚は、あくまで撮るきっかけや気付きにすぎない。


実際にシャッターを切る瞬間には、

「被写体を中央に置こう」

「少し余白を残そう」

「背景をぼかそう」

「もう少し暗くしてみよう」

「この色を強調しよう」

など、何かしら考えているはずだ。

つまり私たちは、感覚だけで写真を撮っているわけではない。

無意識のうちに、言葉を使って写真を組み立てているのだ。


なぜ「感覚で撮っている」と答えるのか


では、なぜ多くの人が「感覚で撮っている」と答えるのか。

大きく二つの理由があると考えている。

一つは、無意識の言語化を認識していないこと。

絵を描く、歌を歌う、写真を撮る—こうしたクリエイティブな行為は「感性でやるもの」と考えられがちだ。

特に、普段からものを作る習慣がない人ほど、創作=感覚と捉えやすいのではないだろうか。

しかし、実際にはその感覚の裏側で、さまざまな判断をしている。


もう一つは、言語化するための語彙を持っていないこと。

例えば、

「三分割構図」

「色温度」

「前ボケ」

「余白」

「視線誘導」

こうした言葉を知らなければ、自分が何を考えて写真を撮っているのか説明することは難しい。


これは写真に限った話ではない。

WEBで何かを調べていて、なかなか知りたい情報にたどり着けなかった。ところが、ある言葉を知って、その言葉で検索してみたら、突然大量の情報が見つかった。そんな経験はないだろうか。

言葉を知っているということは、世界への検索窓を増やすことでもある。写真も同じだ。


「感覚で撮る」から「言語で撮る」へ

だから私は、感覚で撮ることから、言語で撮ることへ。

この変化が、写真を大きく変えると考えている。

感覚だけで撮っていると、「なんとなく良かった」で終わってしまう。

しかし、そこに言葉を与える。

「なぜ良かったのか」

「何を良いと思ったのか」

「どこをどう変えたのか」

それを考えることで、偶然だった一枚が、自分の中で再現できるものになっていく。

そして、その一つ一つの再現性が、フォトグラファーの表現の引き出しになっていく。

「この状況なら、こうする」

「こういう雰囲気を出したいなら、こう撮る」

そうした経験が積み重なっていく。

やがてその経験があなたに定着した時、それはセンス(感覚)となり「あなたらしい写真」を形作っていく。

きっと、それを個性と呼ぶのだと思う。


では、どうすれば言語で写真を撮れるのか

まずは、語彙を増やすこと。

日常的に本や記事を読み、新しい言葉を自分の中にインストールする。
質の高い記事の集まるnoteでもいい。
今まさにあなたがしている事だ。

写真の記事だけでなく、ファッション、建築、文学、デザイン、映画。
自分の写真とは一見関係なさそうな分野にも、写真を考えるための言葉はたくさん存在している。


そして次に、他人の写真を観て考える。

「なぜこの配置なのか?」

「なぜこの明るさなのか?」

「なぜこの色なのか?」

「この空間にはどんな意味があるのか?」

「この写真は何を伝えたいのか?」

正解を当てる必要はない。
作者の意図を100%理解することなど、おそらくできない。

でも、それでいい。

写真を観て、自分なりに考える。
その過程で新しい言葉を知り、新しい視点を手に入れる。
そして、それを自分の写真で試してみる。

そうやって気づいた視点を自分の血肉に変えていく。
それが、新しい表現を生み出すことにつながる。

表現を深めるとは、そういう事なのだと思う。


写真と言葉

一見すると、まったく関係のないように思える「写真」と「言葉」。

でも実際には、その二つは深く繋がっている。

観る。考える。言葉にする。撮る。そしてまた、観る。

この繰り返しが、自分の写真を少しずつ変えていく。

もし今、

「自分の写真には個性がない」

「どう撮ればいいのか分からない」

そう感じているなら、カメラやレンズを買い足す前に、まずは一つの写真について考えてみてほしい。

「なぜ、自分はこの写真を良いと思ったのか?」

その答えを、言葉にしてみる。

そこから、あなたの新しい写真が始まるかもしれない。



もしこの記事が、少しでもあなたの写真のヒントになったなら。

「スキ」を残してもらえると嬉しいです。




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