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写真が上手くなるレンズ


写真を上達させたい。

そう思ったとき、多くの人は

「どんなカメラやレンズを買えばいいのか」

と考える。


高画質なレンズ。
背景が大きくボケる大口径レンズ。
広角から望遠まで使える高倍率ズーム。

もちろん、それぞれ素晴らしい。
高性能なレンズは、より良い写真を撮りやすくしてくれる。


しかし、軽くて小さいレンズには別の価値がある。

写真を撮る機会そのものを増やしてくれることだ。


写真を上達させるために必要なものを一つだけ挙げるなら、
私はもっと単純なことだと思っている。


とにかく撮ること。そして、考えること。

撮る。
写真を見る。
なぜ上手く撮れたのか、
なぜ思ったように撮れなかったのかを考える。

そしてまた撮る。


写真が上達するというのは、結局この繰り返しなのだと思う。

だから、上達するためのレンズに必要なのは、
必ずしも最高の性能ではない。


たくさん持ち出せて、たくさん撮れて、そして考えさせてくれること。
そんな視点で考えたとき、私が面白いと思ったレンズがある。


Viltrox 28mm F4.5


このレンズは万能ではない。
むしろ、できないことが多い。

しかし、その不便さこそが、
写真を学ぶにはちょうどいいのではないかと思っている。



持ち歩けなければ、何も始まらない

「今日は写真を撮りに行く」

と決めた日なら、大きく重いカメラでも持ち出せる。


しかし、毎日が撮影の日ではない。
買い物や通勤、友人との外出。

そんな日に
「念のためカメラも持っていこう」
と思えるかどうかが分かれ道になる。

カメラを持ち出さなくなる理由の多くは、
単純に「重いから、大きいから」だ。

だからこそ、写真が上手くなるためのレンズには、
性能だけでなく持ち歩きたくなる軽さと小ささが必要になる。


撮影のために持ち出すのではなく、持ち歩いているから撮れる。

この違いは大きい。

Viltrox 28mm F4.5は、カメラに付けっぱなしにできるほど小さい。

「撮影に行くから持っていくレンズ」ではなく、
「常にカメラを持ち歩くレンズ」として使える。

それだけで、撮る回数を増やすという意味では大きな価値がある。



ズームの便利さが、考える機会を減らす

初心者が写真を学ぶなら、単焦点レンズを使う意味は大きいと思う。
ズームレンズは便利だ。

もう少し広く撮りたいなら広角側へ。
被写体をもう少し大きく写したいなら望遠側へ。
立ち位置を変えなくても、画角を変えられる。

もちろん、その便利さが悪いわけではない。
ただ、特に初心者の場合、ズームという便利な選択肢があることで、
別の選択肢を使わなくなることがある。


自分が動くことだ


もう少し近づいたらどうなるだろう。
少し後ろに下がったらどうなるだろう。
横に移動したら背景はどう変わるだろう。
しゃがんだらどうなるだろう。

単焦点レンズは、画角を変えるために自分が動くしかない。

不便なレンズだ。

しかし、その不便さの中で、
立ち位置ひとつで写真が大きく変わることを身体で覚えていく。

焦点距離を固定すると、不満が出る。

もう少し広く撮りたい。
もっと寄りたい。

でも、ズームはできない。だから、

前に出る。
下がる。
横に動く。

それでも撮れなければ、諦めるしかない。

この不便さが面白い。

不満の中から
「自分がどんな写真を撮りたいか」
が見えてくるからだ。

35mmが好きなのか。
50mmが好きなのか。
28mmが好きなのか。

それはスペック表では決まらない。
撮りながら見つけていくものだ。


そこで、Viltrox 28mm F4.5

写真を上達させるには、

「たくさん撮る」
「常に持ち歩く」
「焦点距離を固定する」
「自分で動く」
「構図を考える」

そんな環境が必要になる。

Viltrox 28mm F4.5は、
小さい・軽い・安い・単焦点
という条件を、そのまま満たしている。

そして、このレンズが面白いのは、
フルサイズとAPS-Cのどちらに装着しても、
スナップ撮影に使いやすい画角になることだ。



フルサイズでは28mm、APS-Cでは約42mm

フルサイズ機に装着すれば、焦点距離は28mm。
これはスナップの定番、RICOH GRと同じ画角だ。

RICOH GRはAPS-Cセンサーに28mm F2.8を搭載しているが、
被写界深度をフルサイズ換算すると、おおよそF4.2相当になる。
Viltrox 28mm F4.5も、被写界深度という意味では近い感覚になる。

もちろん、GRと同じではない。
ボディサイズも違う。
操作性も違う。
センサーサイズも違う。

しかし、すでにフルサイズ機を持っている人なら、
28mm F4.5を装着することで、
28mmの軽快なスナップ撮影に適したスタイルを手に入れることができる。


一方、APS-C機に装着すると、
焦点距離はフルサイズ換算で約42mmになる。
これはRICOH GR IIIxの40mmに非常に近い。

つまり、
フルサイズでは28mm。
APS-Cでは約42mm。

厳密にはGRやGR IIIxとは違う。
しかし、
どちらのフォーマットでも、スナップ撮影に使いやすい画角になる。

すでに持っているカメラに装着するだけで、
普段は大きく感じていたカメラを
「もっと気軽に持ち歩けるスナップカメラ」に近づけられる。

それが、このレンズの面白いところだと思う。



できないことが、むしろ学びになる

Viltrox 28mm F4.5には、一般的なレンズと比べてできないことがある。

絞りを自由に変えられない。
大きく背景をぼかせない。
MFで細かくピントを追い込むような使い方もできない。

普通に考えれば、デメリットだ。
しかし、写真を学ぶという目的で見れば、逆にメリットにもなる。
絞りを変えられないから、絞りに悩まなくていい。
背景を大きくぼかせないから、背景をちゃんと見る必要がある。

望遠のように背景を圧縮して整理することもできないから、
被写体との距離や立ち位置を考えることになる。

大口径レンズは、背景をぼかして余計なものを隠せる。
望遠レンズは、狭い画角で余計なものを切り取れる。

しかし、このレンズではそれが難しい。


だから、

何を入れるのか。
何を入れないのか。
どこに立つのか。

を考えることになる。

レンズの性能で写真を作るのではなく、自分の目と足で写真を作る。
そんな撮影を、このレンズは強制してくる。


F4.5は暗く感じるかもしれない

F4.5と聞くと、暗いと感じる人もいると思う。
確かに、大口径レンズと比べれば明るくはない。
しかし、今のカメラは高感度性能が高い。
多少ISO感度が上がっても、十分に使える場面は多い。

多少ノイズが出てもいい。

まず撮らなければ、画質に悩む写真すら存在しない。
このレンズの価値は、最高画質を追求することではない。

写真を撮る回数を増やしてくれることにある。

写真を始めたばかりの人であれば、
撮影した写真の多くはSNSやスマートフォンで見ることになるだろう。

常に最高レベルの画質が必要とは限らない。

それよりもまず、カメラを持ち出して、シャッターを切ること。
Viltrox 28mm F4.5は、そのためのレンズだと思う。



安いから、始められる

比較的安価であることも大きな魅力だ。

「この焦点距離が自分に合うかわからない」
「単焦点レンズが好きかわからない」

そんな段階で、高価なレンズを買う必要はない。
まずは安価なレンズで試してみればいい。


持ち歩く。
撮る。
そして、不満を感じる。

「もっと広角が欲しい」
「もう少し狭い画角がいい」
「背景をぼかしたい」
「もっと暗い場所でも撮りたい」

そう思ったとき、自分に必要な次のレンズが見えてくる。
その不満こそが、自分に必要なレンズが見え始めた証拠だ。



写真が上手くなるレンズとは

Viltrox 28mm F4.5は、最高でも万能でもないレンズだ。

明るくない。
ボケも大きくない。
できないことも多い。
でも、だからこそ面白い。
小さいから持ち出せる。
軽いから毎日持ち歩ける。
単焦点だから考える。
画角を変えられないから、自分が動く。
大きくぼかせないから、背景を見る。
性能に頼れないから、構図を考える。

写真を上達させるために必要なのは、最強のレンズではない。

何度でも持ち出せて、
何度でもシャッターを切れて、
何度でも自分に考えさせてくれるレンズだ。


高性能なレンズは、良い写真を撮りやすくしてくれる。

しかし、軽くて小さく、少し不便なレンズは、
写真について考える機会そのものを増やしてくれる。


Viltrox 28mm F4.5は、写真を簡単に上手く撮らせてくれるレンズではない。

むしろ、自分で動き、自分で背景を見て、
自分で構図を作らなければならない。

しかし、その繰り返しこそが、写真を上手くする。
だから私は、このレンズを、

「写真が上手くなるレンズ」

だと思っている。



最後に

今回は、Viltrox 28mm F4.5を例に挙げた。
しかし、写真が上手くなるレンズが、
この一本だけだと言いたいわけではない。

最近発売されたViltrox 26mm F2.8もいい。
SAMYANGの24mm F2.8や35mm F2.8もいい。

大切なのは、「どのレンズが一番上手く撮れるか」ではない。

自分が持ち歩きたくなるか。
自分が撮りたいと思えるか。
そして、そのレンズを使って、たくさん写真を撮れるか。

それぞれに好みの焦点距離がある。
28mmが好きな人もいれば、35mmが好きな人もいる。

もう少し広い画角の方が、
自分の見ている世界に近いと感じる人もいるだろう。

だからこそ、いろいろなレンズを調べてほしい。
作例を見て、焦点距離について考えて、
自分ならどんな写真を撮るだろうと想像してみる。

レンズを選ぶことそのものも、
写真を始め、そして続けるための大切なモチベーションになる。


そして、
自分で選んだレンズを持ち出して、たくさん撮る。
撮って、不満を感じる。
また次のレンズについて考える。

その繰り返しの中で、自分の好きな焦点距離も、
自分が撮りたい写真も少しずつ見えてくるはずだ。

だから、ぜひ自分なりに調べてみてほしい。


そして、
「これで写真を撮りたい」
と思える一本に出会ってほしい。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

写真には、まだまだ「なぜ?」と考えてみたいことがたくさんあります。

これからも、撮ること、見ること、機材のこと。 写真について自分なりに考え、言葉にしていきます。

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