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AIに引用されるローカルメディアのコンテンツと広告記事、その実例と雑感

AIの登場でインターネットの検索環境が激変し、その実態や影響が明らかになりつつある、2026年。
「地域情報は暮らしのインフラ」を標榜するローカルメディアの中の人として、私はワクワクしながら時代の変化の真っ只中にいます。

AI検索とは、質問や相談に対して、AIがインターネット上の情報を集めて編集し、ユーザーに最適化された短い答えを提示する仕組み。

積極的な情報拡散を目指さない方針で始まった"ムラ社会"的ウェブメディアも、その影響を大きく受けています。

10年前の私が夢見ていた「田舎の情報だって、探せば必ず見つかる世界」が、AIによって敷居を下げ、実現しようとしています。


AIの引用対象になる、ローカルメディアの記事

2025年以降、Googleが検索結果に「AIモード」に自動的に表示し始めてからでしょうか。
私は、運営するウェブメディア『大字基山』の記事が、AI検索モードの引用元になっている例を複数発見するようになりました。

検索結果の最上部に表示されるAI要約内に、『大字基山』のリンクやファビコン(アイコン)が表示されることがあるのです。

JR基山駅の駐車場を調べたら、引用元に『大字基山』

その多くは、具体的な場所や社名を調べる指名検索によるもの。

ウェブメディア『大字基山』は、AIを活用して「佐賀県基山町」に関する何かについて具体的に調べたいときに、引用・参照されるサイトの一つになっています。

サイトのPVを成果として追わず、困った時に地域情報を検索するユーザーへの「情報共有」を目指しているローカルメディアとしては、昨今のAI引用は大歓迎の事態です。

地方では「広告記事」もAIの引用対象に?

個人的に驚いているのは、地域事業者とのタイアップである「広告記事」もAIに参照されている事実です。
AIによるチェックが甘いだろう過渡期の今だけの、現象なのでしょうか。

地元スーパーの記事広告が引用元に(26年4月7日時点)

記事カテゴリは「大字PR」と、PRであることを明示していますし、このカテゴリの記事はGoogleニュースに配信していません。

AIに引用されている広告記事の多くは、「事業主がいつ・どこで・どのようにサービスを提供しているのか」が分かる、事業PRを目的にしています。
現地取材を通して特徴的な「一次情報」を掘り起こし、積極的に記載する方針もあり、その点ではAIに評価されやすい内容と言えそうです。

少なくとも2026年4月現在、GoogleによるAI検索は広告であるかどうかの判断は傍に置いて、情報収集・編集をする方針のよう。
広告か否かよりも「その問いに答えられる唯一の(分かりやすい)情報源かどうか」を見てくれている……と思いたい。

地方は情報源が少ないという、AI側のやむを得ない事情という可能性も、もちろんあります。

これからはAI検索対策の選択肢として、地域密着のローカルメディアの存在価値や、そのコンテンツ企画力が見直され、求められる時代がやってくると思いたいです。

情報の空白を埋める=検索ニーズに応えるコンテンツ作り

私自身はもともと、SEOの専門家ではありません。
新卒入社したのは、広告業界ほど華やかではないけれど楽しそうに見えた、広報(PR)業界。おかげで、情報発信に関する一通りの知識を身につけることができました。

ウェブサイト運営を始める時は、「ローカルメディア」の特性上、アクセス数をはなから諦めていたため、当時語られていたキーワード選定や長文ライティングなど細々したSEOノウハウの実践には、消極的でした。

SEOは最低限に、地域の住民の検索ニーズに応えながら「読み物」として快適な文章とコンテンツを優先し、独自の企画や取材活動に集中することができたのです。

ただただ「情報の空白」を埋める行動に邁進し続けた結果、2026年春の時点で、AIを含む検索ニーズに応えるSEOに最適化できているという事実。

このAI引用は、狙ってできたことではありません。
ローカルウェブメディアにとっては、偶然の産物です。

今後どうなるかは、GoogleをはじめとするAI開発元次第です。

AIは確かな事実(ファクト)を求めている

AIは、数多くの情報を分析し、編集してユーザーに提示します。

ネット検索の世界にAIという「究極の編集者」が現れたことで、地域メディアはライター(代筆者)である以上に、記者(一次情報の採掘者)であり、プランナー(情報の設計者)であることが求められています。

AIは、間違いのない事実(ファクト)を収集したい。
だから情報源として信頼できると判断した第三者評価(報道や引用、言及)も、AIの情報源になっている。

インターネット上に、第三者による取材とリサーチに裏付けられた確かな情報さえ提供できていれば、AIはそれを良いように料理してくれます。
一次情報はよく「体験談」とも言われていますが、主観的な感想文よりも客観的な観察文の方が具体的で、AIの好みと言えるでしょう。

2026年現在、情報発信者に求められているのは、検索する人間のニーズを満たす、世の中に必要とされるコンテンツを作り続けること。

そして『大字基山(現おおあざ)』のような、特定地域や専門分野に強い第三者による発信・言及をユーザーの受け皿として用意しておくことだと思います。

SEOは、企画・広報の仕事になっていく?

従来のSEOライティングは、検索意図の分析、競合分析、キーワード選定……と、どうしてもテクニカルな話になりがちです。

そういった基本的な取り組みは続けながらも、キーワード分析の前に、今はまずやるべきことがある。

それは、検索する「人間」が本当に求めている「コンテンツ」を、企画・編集の段階でしっかり練り上げることです。
いかに第三者に「新鮮な切り口」で取り上げてもらうか、広報戦略を練ることです。

AIの登場によって、検索ニーズに応える情報を世に送り出すコンテンツ企画力こそが、これからのSEO・AEOの主流になっていくと思いたいです。
実際にSEO専門家の皆さんがそういう「原点回帰」の発信を始めていて、本当に心強い。

編集・企画、そして広報・PR(パブリック・リレーションズ)が、本来の情報発信の基本だと信じて、これからもローカルメディア運営を続けていきたいです。

E-E-A-Tに優れた地域メディアがインフラ化する

コンテンツの優劣の判断基準として、Googleはエクスペリエンス(Experience)、高い専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)、すなわち E-E-A-Tという考え方を提唱しています。

E-E-A-Tは、ローカルウェブメディアが目指すべき「暮らしの情報インフラ」の特性に共通します

願わくば、AIによって、そのニーズに応える地域広告と経済循環が必然的に生まれ、安定してローカルメディアを運営できる環境が整うことを期待したいものです。
ローカルメディアが地域貢献型のビジネスモデルとして、スモールビジネスとして、暮らしに不可欠なインフラとして、地域経済に根差す未来です。

人口減少でゆっくりと衰退していくだろう地方で、それでも人の営みは続いていくのだから。


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ウェブメディア『大字基山』のこれまではもちろん、現在進行形のあれこれや今後についても、記録していきます。

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