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【Alien: Isolation】見えるのに“見えない”|結果がわかっていても、なんでこんなに怖いのか

西暦2122年。

宇宙貨物船ノストロモ号は地球への帰還中、救難信号を受信。
未知の惑星に降り立つ…。


映画【エイリアン】

ご存じの方は多いと思う。


この世界的に有名なタイトルは、【エイリアン】【エイリアン2】のあいだに【Alien: Isolation(エイリアン アイソレーション)】という名のゲームも存在する。

エレンの娘、アマンダ・リプリーが主人公。

これもご存じの方は多いかと思う。


うちにソフトがあるので息子にやってもらった。

なぜなら、私は怖くてできない。


【バイオハザード】【サイレントヒル】はみているだけでも怖いけど、このゲームは“みてるだけ”なら割と平気だった。

おそらく…

  • 心霊的な怖さがない

  • 生理的嫌悪感を煽ってこない

  • 過度なジャンプスケアがない

  • 舞台がキレイめな宇宙

だからだと思う。

でも、「やれ」と言われたら絶対できない

コントローラーを持って画面を目の前にすると、一気に『当事者』になる。
“自分が”エイリアンから逃げなきゃいけない。

実際に味わう恐怖は、見てるだけとは段違い。


常に緊張感が張り詰めていた息子は、ただそこにいただけのアンドロイドにも尋常じゃなくビックリしていた。


ただエイリアンから逃げるだけなのに、なぜこんなにも怖いのか!?

紐解いていこう。



たった1人でエイリアンから逃げなければいけない


ひとり、またひとりと仲間が死んでいく…。
そうしてたった1人、広く狭い宇宙に取り残される。

エイリアンという恐怖から逃げ、脱出を目指す。


エイリアンが怖いのか?
逃げるしかないから怖いのか?

クリーチャーがいるゲームはたくさんある。

でもこのゲームは、ほかの恐怖とはどこか質が違う気がしている。


【『見えない』から怖い】


エイリアンは見える。

でも、“見えない”のだ。

『動体探知機』を使うこともできるが、おおまかな方角と距離しか把握できない。

しかも“動いているもの”が対象だから、アンドロイドや人も探知機にひっかかる。

どれがエイリアンなのか、わかりづらい。


“どこにいるかわからない”ときがすごく怖い。


エイリアンを先に見つけられれば、隠れる、迂回するなどの対策をとることができる。

ロッカーに隠れてやりすごす…。

「もう行ったっぽい?」
「もう大丈夫そうかな」

そうしてロッカーを出ても、タイミングを間違えばエイリアンは戻ってくる。

そう、エイリアンは“音”に敏感

  • 段ボールが崩れた音

  • 道具を使うときの音

  • 機械の操作音

  • 扉の開閉音

  • アマンダプレイヤーの足音

たとえ近くにいなくても、どんな音でもエイリアンは殺しにかかってくる。


アマンダは命がかかっているというのに、なんでも勢いがありすぎる。

なにかを床に置くときもドアやロッカーを開けるときも、絶対にデカい音をたてる

息子はその都度、

「リプリー?静かにね?」
「リプリー?ちょっとうるさいよ?」

と、アマンダをたしなめようとしていた。

でも、アマンダは決して静かにはならなかった。


【『いつ来るかわからない』から怖い】


たとえ音をたてても、すぐに来ないときもある。

こうしたら来る。
ここを通ったら来る。

そういう決まった動きをしない

“さっきは来なかったから、今回も来ない”なんてことがない。


エイリアンはその辺をうろついていることもあれば、ダクトを高速で移動していることもある。

“どこから”来るのか、“いつ”来るのか、まったく予想不可能

だから急に現れるエイリアンにビックリさせられる。
でも見つかってしまえば、途端に緊張が切れる。

なぜなら、もう“殺られる”ことがわかるから。


『いつそれが起こるかわからない』

この状態にすごくストレスがかかる。


【『安全が保証されない』から怖い】


だいたいのゲームは、そこにいる敵を倒せばその場所は“安全”になる。

ここに隠れたら敵は入ってこれないなど、安全な場所が用意されていることもある。

だから、“攻略の法則”を見出すことができる。

ところがこのゲームは、『こうしたら安全』というものが存在しない

  • アイテムを使っているあいだ

  • 暗号を解いてるあいだ

  • セーブしているあいだ

ほかのゲームだと見逃されがちなこんなアクションの合間にも、殺される。


しかも、“エイリアンは学習する”


難易度を上げるほど顕著で、特定の行動を繰り返すとエイリアンが覚える。

たとえば、何度もロッカーに隠れていると、エイリアンはロッカーを開けるようになる。

最初はエイリアンにとって脅威だった“火”も、次第に怯まなくなる。


なにをしても、なにを持っていても安心できない。

緊張感も恐怖も解かれる瞬間がない


【『自分が弱い』から怖い】


アマンダプレイヤーは無双できない。

エイリアン以外には武器が有効ですが、エイリアンに対しては一切通用しない。

なにを撃っても投げても、せいぜい怯む程度。
しかも学習すれば怯みさえしない。


“絶対に倒せない生物”として君臨している。


だから基本的には、逃げる・隠れるなどしてやり過ごすしかない。

ただ、エイリアンの瞬発力は尋常じゃないから、見つかったら逃げ切ることはほぼ不可能。

絶対的恐怖として存在するエイリアンに対して、このとんでもない“無力感”も恐怖を強くしてくる。


コントロールできない恐怖


  • どこにいるかわからない

  • いつ、どこから来るかわからない

  • 安全が保証されていない

  • エイリアンを倒すことができない

『自分で状況をコントロールできない』

これが1番怖いところかもしれない。


現実での日常で感じる不安と少し似ているかも。

「なにが起こるかわからない」
「いつ起こるかわからない」
「自分ではコントロールできない」

『わからないこと』が怖い

そういう状態に、人は不安を覚えると思う。


未来が予測できるほど安心するのではないだろうか。

  • 天気予報

  • カーナビ

  • 病院やお店の予約

あらかじめ“なにが起こるか”がわかっていれば、対策や準備ができる。

なにもわからない状態は、対策も準備もできない。
だからそれだけで大きなストレスになる。


見つかれば殺されるのはわかっている。
だからエイリアンは怖い。

でも本当に怖いのは、なにが起こるかわからない場所で、それでも進むしかないことなのかもしれない。


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