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ChatGPT Images 2.5は、AI初心者や40代・50代のツールになる。AIをマスターしなくてもいいDX時代へ

『ChatGPT Images 2.5』は、AI初心者や40代・50代の武器になる。AIをマスターしなくてもいい時代へ

「AIの話になると、少し置いていかれたような気がする」
そんな感覚を持っている40代、50代の方は、決して少なくないのではないでしょうか。
ChatGPT、生成AI、プロンプト、画像生成、自動化。

新しい言葉が次々と出てきて、SNSを開けば「AIを使って仕事を10倍効率化」「このプロンプトを知らないと損」といった情報が流れてきます。

それを見ているうちに、
「今から覚えても遅いのではないか」
「若い人の方が向いているだろう」
「そもそも何を入力すればいいかわからない」
と、AIから距離を取ってしまう人もいます。

実際中堅社員の方は私が担当させていただくAI研修でも同じようなことが聞かれます。

ただ、私は最近のAIの進化を見ていて、むしろ逆なのではないかと感じています。

これからのAIは、AIをマスターしている人だけのものではありません。

特に今回登場した「ChatGPT Images 2.5」のような画像生成AIは、AI初心者や、長く現場で仕事をしてきた40代・50代の方にこそ、一度触ってみてほしいと思っています。

理由はシンプルでこれから重要になるのは「AIについてどれだけ知っているか」以上に、自分の仕事についてどれだけ知っているかだからです。

ChatGPT Images 2.5で変わったのは、画像の美しさだけではない

OpenAIは2026年9月8日、「ChatGPT Images 2.5」を発表しました。

画像の細部や自然な光、質感などが向上しただけではなく、編集指示への対応や、元となる人物・物体の特徴を保ったまま修正を重ねる性能も改善されています。
さらに、Images 2.0と比較して画像生成にかかる時間を最大50%短縮したとされています。

もちろん、それだけでも便利です。
しかし、私が注目しているのは別の部分です。

「ChatGPT Images 2.5」の魅力と変わった部分

  • ChatGPT上で簡単な絵を描いて、それをもとに画像を作ってもらう「Sketch」。

  • チラシや商品写真などのひな型から始められる「Templates」。

  • そして、出来上がった画像を見ながら「ここを変えてほしい」とコメントを付けて修正していく機能です。

=つまり、AIに対して完璧な文章で指示を出せなくても、

「こういう感じです」
「ここだけ直したいです」
「もう少しこっちに寄せてください」

という、人間同士で普段行っているコミュニケーションに近い使い方ができるようになってきています。
これは、AI初心者にとってかなり大きな変化だと思います。

AIを使うために「プロンプト職人」になる必要はありません

生成AIが広まり始めた頃は、「プロンプト」がかなり注目されました。
*プロンプトとは、簡単に言えばAIに対して入力する指示文のことです。
もちろん、適切な指示を出すことは今でも大切です。

先週の講義やセミナーでもプロンプティングと聞くと抵抗がある方がいらっしゃいました。
ただ、企業のAI活用を考えたとき、社員全員に高度なプロンプト技術を覚えてもらう必要はないと私は伝えています。

たとえば、現場でこんな会話をした経験はないでしょうか。

「前回みたいな感じで作って」
「そこはもう少し目立たせて」
「お客様には、この順番で説明した方が伝わるよ」
「このケースは、この部分を先に確認した方がいい」
非常に曖昧です。
でも、一緒に仕事をしている人同士なら通じます。

なぜなら、仕事には長年蓄積された経験や文脈があるからです。
画像生成AIも少しずつ、この「見せながら伝える」「直しながら近づける」という使い方がしやすくなっています。

ですから、私はAI初心者の方に最初から、「良いプロンプトを書きましょう」とは言いたくありません。

まずは、「こんなものを作りたいのですが」くらいから始めればいいと思っています。

『やんわり』フォーカスさせていく。
AIを勉強することを目的にする必要はありません。
必要なところだけAIを借りればいいのです。

40代・50代はAIに不利なのか

AIというと、「若い人の方が有利」というイメージがあります。

確かに、新しいサービスへの抵抗感や操作への慣れという点では、若い世代が早いケースもあるでしょう。
しかし、仕事でAIを活用する能力まで年齢だけで決まるわけではありません。

40代、50代の方には、20年、30年と仕事をしてきたからこそ持っているものがあります。

「このお客様は、この説明では納得しない」
「この現場では、ここでミスが起きやすい」
「新人はいつもここでつまずく」
「この業者さんには、この順番で話した方が早い」
「この数字がおかしいときは、だいたい原因はここにある」

こうした知識は、マニュアルに書かれていないことも多いものです。
これは「暗黙知」と呼ばれます。
※暗黙知:本人の経験や勘の中に蓄積され、文章やマニュアルとして明文化されていない知識のことです。

企業にとって、本当に貴重なのはこうした知識です。
そして生成AIが企業に入っていくほど、この「現場の経験をAIにどう渡すか」が重要になっていくと私は考えています。

実際、IPAの「DX動向2025」でも、日本企業で不足しているAI関連人材として、「現場の知見と基礎的なAI知識を持ち、自社へのAI導入を推進できる人材」が挙げられています。
調査では、こうした人材が不足していると答えた企業は7割を超えています。

求められているのは、私のような『語り屋AIプレイヤー』だけではないのです。
現場を知っていて、AIを少し使える人。
ここに、長く仕事をしてきた人の大きな価値があります。

画像生成AIは「AIへの入口」として意外と優しい

AI初心者には、文章生成AIより画像生成AIの方が入りやすいことがあります。
なぜなら、結果が目に見えるからです。

例えばChatGPTに、「地域の工務店が、お客様向けに住宅点検を説明しているイラストを作ってください」と頼んでみます。

画像が出てきたら、
「もう少し年配のお客様にしてください」
「営業っぽい雰囲気をなくしてください」
「作業員の服装を変えてください」
と伝えていけばいい。

正解のプロンプトを最初から作る必要はありません。
作って、見て、違ったら直す。
これは普段の仕事と同じです。
私は企業のDXでも、この感覚を非常に重視しています。

最初から100点のシステムを作るのではなく、小さく試して、現場で確認して、直していく。
画像生成AIは、この「小さく試す」というDXの感覚を体験するツールとしても面白いと思います。

最初の成功体験は、小さくていい

心理学には「自己効力感」という考え方があります。
※自己効力感:簡単に言えば、「自分ならできそうだ」と感じられる感覚のことです。

AI導入で意外と見落とされるのが、この感覚です。
いきなり会社から、
「来月から生成AIを活用してください」
「各部署でAIによる業務効率化案を出してください」
と言われても、使ったことがない人からすれば負担になります。

「自分には難しい」
「詳しい人に任せよう」
「余計な仕事が増えた」となってしまいます。

これでは、人を楽にするために導入したAIが、新しい心理負荷を生んでしまいます。

ICT利用に関する研究でも、ICT機器を使うことへの自信と自己効力感との関連を示した例があります。
もちろん、この研究だけでAI利用全般を説明することはできませんが、「使えると思えること」が新しい技術との関係を考えるうえで重要な要素であることは示唆されています。

だから最初は、小さくて構いません。
会議用のイメージ画像を一枚作ってみる。
社内掲示のイラストを作ってみる。
お客様への説明をわかりやすくする図を作ってみる。
「こんなチラシにしたい」というラフを作ってみる。

そして、「意外とできた」とぜひ思っていただきたいのです。
私の研修でも実際AIを使っていただく時間を設けますが、この経験が大切だと思っています。

何でもAIに作らせればいいわけではありません

ここまで書くと、「では会社の画像は全部AIにしましょう」という話に聞こえるかもしれませんが私は、そうは考えていません。

ChatGPT Images 2.5の性能が上がったとしても、生成された画像が事実そのものになるわけではありません。
特に不動産、建設、保険、金融、医療などでは、実際には存在しない設備や状態を画像に加えてしまえば、顧客の誤認につながる可能性があります。

OpenAI自身もImages 2.5について、安全性評価や生成画像の識別に関する仕組みを公開しています。

「これはイメージ画像として使ってよいのか」
「事実確認が必要な資料ではないか」
「誰が最終確認するのか」
「個人情報や社外秘情報を入力してよいのか」
といった運用ルールも考える必要があります。

便利になったからこそ、使う場所と使わない場所を決めることが大切です。
私はこれを「AIを使いすぎないAI活用」と考えています。

AIを使った回数が多い会社が、DXに成功している会社ではありません。
仕事が少し楽になった。
伝達ミスが減った。
お客様に伝わりやすくなった。
社員の心理的な負担が減った。

そうした変化が起きて初めて、AIを導入する意味があります。

DXは、詳しい人だけで進めるものではありません

IPAの調査では、日本企業の8割以上がDXを推進する人材について不足を感じています。
しかし、だからといって全員を高度なIT人材に育てる必要があるとは思いません。

営業を20年やってきた人。
現場管理を25年やってきた人。
経理をずっと担当してきた人。
何百件ものクレームに対応してきた人。
新人を何十人も育ててきた人。

会社の中にはすでに、そういう方々がいます。
その経験は立派な経営資源です。

AI時代に必要なのは、それを捨てて新しいスキルだけを覚えることではありません。
これまで積み重ねてきた経験に、AIという新しい道具を少し足すことです。

ChatGPT Images 2.5は、その入口としてちょうどいいツールの一つかもしれません。
難しいプログラミングをする必要はありません。

AIを完璧に理解する必要もありません。
毎日AIを使う必要すらありません。
まず一度、「こんな画像を作って」と話しかけてみる。
違ったら、「もう少しこうして」と言ってみる。

それくらいからで十分です。

AIをマスターすることより、自分の仕事を言葉にすること

私はDX支援を考えるとき、「最新のAIを何個導入するか」よりも、その会社の仕事がどう流れているかを見ることを大切にしています。

誰が何をしているのか。
どこで時間がかかっているのか。
どこで人が疲れているのか。
どこに経験者しか知らない判断があるのか。
どこならAIに任せても問題ないのか。
逆に、どこは人が判断し続けるべきなのか。
そこを整理してから、必要なところにだけデジタルやAIを置いていく。

DXは、本来そういうものだと思っています。
40代でも50代でも、AI初心者でも構いません。

むしろ、「この仕事は昔からこうやってきた」「ここがいつも大変なんだ」という話ができる人ほど、DXには参加してほしいと思っています。
その話の中に、改善の種があるからです。

AIをマスターしてからDXを始める必要はありません。
まずは自分たちの仕事を見つめる。
そして、少しだけAIを触ってみる。
それで十分です。

もし、

「AIに興味はあるけれど、自社のどこで使えばいいかわからない」
「社員にAIを押し付けるような導入にはしたくない」
「40代・50代の社員も含めて無理なく使える仕組みを考えたい」
「AI以前に、今の業務そのものを一度整理した方がいい気がする」
と感じているのであれば、最初から大きなシステムを入れる必要はありません。

まず業務を棚卸しして、「人がやる仕事」「AIに手伝わせられる仕事」「今のままでいい仕事」を一緒に整理するところから始められます。
DXは、人を新しい技術に合わせるためのものではありません。
技術を、人が無理なく働ける形に合わせていく。
私は、そんなDXをこれからも企業の現場と一緒に考えていきたいと思っています。

参考資料

・OpenAI「Introducing ChatGPT Images 2.5」(2026年9月8日)
・OpenAI「ChatGPT — Release Notes」(2026年9月8日更新)
・OpenAI「ChatGPT Images 2.5 System Card」(2026年9月8日)
・独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX動向2025」
・「Association between Frequency or Confidence of ICT Devices Utilization and Self-efficacy of Neighborhood Watch or Frequency of Home Visits for Older Adults among Local Volunteers」日本看護科学会誌、2023年

室崎 敬太 【Linkedin】【E-mail】
馬車馬テクノロジーズ 業務執行社員/Chief Strategy Officer
その他DX関連の顧問を複数社請け負わせていただいております。
著書2026年9月1日発売
AI・DX経営論――断絶の時代に、日本企業がどう生き残るか

17歳で学生起業家として活動を開始し、事業の立ち上げと運営を経験。その後、ファーストリテイリンググループに入社。 三井住友海上火災保険株式会社にて法人営業やリスクマネジメントに従事し、金融・保険分野における専門性を確立。 独立後は室﨑総合保険/MKエージェンシーを創業。不動産会社との業務提携を経て役員に就任。 コロナ渦以降にAIやDX、プログラミングを学び現在は企業のDXおよびAX戦略の立案から実行までをリード。AI・LLMを活用した業務改革や新規事業開発を中心に、複数の企業において顧問として参画している。 国内上場企業から外資系企業まで、繊維、小売、自動車、金融、不動産、建設、サービスなど多岐にわたる業界での実務経験を有し、業界横断的な知見と実行力を兼ね備えたDXに強みを持つ。

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室崎 敬太 【AIテック企業役員×オーナー経営】 現在進行中の「気持ち良いDX」及び 就労支援プロジェクト、精神疾患罹患後の社会復帰事業に充てさせていただきます。