和歌・短歌・俳句の日英翻訳(7)願はくは 花の下にて 春死なん そのきさらぎの 望月のころ
西行法師(1118-1190)の一首。「山家集」に載っています。
意味は
「死ぬときは春の桜の下で死にたいものだ。それも満月の夜に」。
きさらぎは旧暦の2月。
新暦のおよそ3月にあたります。
望月(もちづき)はもちろん満月のこと。
西行は1190年2月16日に本当に満月のもとで死んだそうです。
さて英語です。まずは日英京都関連文書対訳コーパスの訳です。
I wish to die
under the flowers in the spring,
around the day
of full moon in February.
直訳すると
「2月の満月の日あたりに春の花の下で死ぬことを私は望む」。
描写としては確かにそのとおりですが、これで西行がこの一首にこめた心情が伝わっているのかというと、さてどうでしょうか。
詩の訳としては不十分といわざるを得ません。
残念ながら、Rexrothの訳詩集に、この一首を見つけることができませんでした。
そこで無謀にも、私が挑戦してみました。
まあ、お遊びということで許してください。
What bliss it is
if I could die
under the cherry trees in full blossom
gazing at the full moon of Spring night
blissは「至上の幸福」
全体を日本語に反訳すれば、以下のようになります。
ああ、なんという幸せだろう
桜の満開の下で
満月を眺めながら
死ねるのであれば
これは私の願いでもあります。
日本人なら、多くの人がそう思うのではないでしょうか。
(つぎは↓)
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