【3分で狭間の地へ】忘却しないAI GMと遊ぶ「エルデンリング」AITRPG超速スタートガイド
こんにちは。平田です。
「エルデンリングの世界(狭間の地)を、決められたルートではなく自分の自由な選択肢で冒険してみたい」
「でも、AIにGM(ゲームマスター)をやらせると世界観が崩壊したり、数ターンで設定を忘れてしまって萎える……」
そんな悩みを持つ方へ向けて、Noteで公開中の「大記憶超汎用型AITRPG」システムを応用し、エルデンリングの世界観を完全再現した専用セッションを公開します。
緻密なプロンプトとGoogle検索機能の連携により、AIが狭間の地の伝承や地形、敵の配置を読み込み、何十ターン経っても矛盾のない重厚なキャンペーンを遊ぶことができます。
ELDEN RING未プレイの方でも遊べるかと思いますが、大まかな世界観を知りたい方はWikiなどで調べるか、投稿予定の別記事の解説、あるいは同梱するフォルダ内の「セッション開始前の事前知識」をお読みください。
余計な解説は一切行いません。「3分以内で開始できるプレイ」をコンセプトに、極限までシンプルにシステム運用を解説いたします。
必要なのは「Googleアカウント」のみです。
今回の主人公と初期状況
今回のセッションは、あらかじめ用意された強烈な個性を持つ主人公「没落令嬢 シルヴィア」としてプレイします。
主人公・シルヴィア:レアルカリア魔術学院を追放された「自称・随一の天才」。知力やプライドは圧倒的ですが、腕力や体力は絶望的。ピンチになると情けない悲鳴を上げる「ポンコツ」です。
初期状況:いきなりツリーガードに殺されかけ、エレの教会の商人カーレの焚き火の端っこで、無一文で震えながら夜を明かした泥臭いどん底状態からのスタートです。
彼女の「口八丁と虚勢」で、情けなくも輝かしい王への道を切り開いてください。
準備するもの:4つのファイルとバリエーション
遊ぶために必要な準備は以下の2つだけです。
Googleアカウント(これだけで無料の最新AIが使えます)
エルデンリング専用設定セット(テキストファイル)のダウンロード
以下のリンクからファイルをダウンロードしてください。
プロンプトが4つのバリエーションに分かれています。
① HP、FPの概念がないバージョン
② HP、FPの概念があるバージョン
③ HP、FPの概念がないバージョン + ユーザーへの選択肢(A,B,C)が出る
④ HP、FPの概念があるバージョン + ユーザーへの選択肢(A,B,C)が出る
一番のおすすめは「③(HP/FPなし + 選択肢あり)」です。
AIは数値の計算が苦手なため、ステータス管理を省くことでエラーを防ぎ、選択肢が出ることでAITRPG初心者でも非常にスムーズに冒険を進めることができます。
また、ダイスロール判定の結果を伝える以外は選択肢を選ぶだけ(Aだけなど)でもセッション進行ができるため、サクサク進めることができるのが特徴です。
導入手順(3分でセッション開始)
Geminiの通常のアプリ版ではなく、より賢く設定を忘れない開発者向けサービス「Google AI Studio」を使います。
手順1:AIの頭脳を用意する
Google AI Studio にアクセスし、Googleアカウントでログイン(規約に同意)します。
画面左上の「Playground」を選択します。
画面右側の「Model」から 「Gemini 3.5 Flash」 または 「Gemini 3.1 Pro Preview」 を選択します。
その下にある 「Thinking level」 を 「High」 に設定します。(これでAIの思考力が最大化します)
手順2:AIに「エルデンリングGMの魂」を入れる
画面右側にある 「System Instructions」 という広い入力欄に、ダウンロードした 「システム指示.txt」 の中身をすべてコピーして貼り付けます。
手順3:ダイスと「世界」を読み込ませる
画面左下にある 「Tools」 をクリックし、 「Google Search (Grounding)」 のスイッチを ON にします。(※GroundingをONにすることで、AIが自らWiki情報を検索してくれます)
画面下部のチャット入力欄の左下にある 「+(Add content)」 ボタンから、以下の3つのファイルをアップロードします。
World_Core.md(世界設定)
Campaign_Log_Dynamic.md(キャラクター・現状データ)
Learning_Reference.md(描写のトーン集)
手順4:いざ、セッション開始!
チャットの入力欄に、お好みの「セッション開始プロンプト.txt(おすすめは③)」の内容をコピペして送信(Run)ボタンを押します。
プロンプト内の「セッション〇〇を開始します」の部分だけ差し替えてください。初回は「セッション1」です。
※Googleドライブへのアクセス許可が出たら「Enable Google Drive」を選択してください。
AIが数秒〜十数秒ほど考えて、エレの教会の冷たい朝の情景を出力したら、セッション開始です!
プレイのコツと「自由な選択」
セッション中は、以下の記号を使い分けてチャットに入力するだけで、自由に物語を進めることができます。
「セリフ」:あなたのキャラクターの発言です。
『行動』:キャラクターの具体的な動きです。
(思考):心の中の声です。AI(NPC)には聞こえません。
【GMへの要望・質問】:システム的な相談ができます。(例:
【この判定はINTで振らせて】
【数日タイムスキップして、ルーン稼ぎをします。その間にイベントがあればタイムスキップを停止してください】)
【選択肢(A,B,C)の自由な使い方】
選択肢ありのプロンプト(③など)を使用している場合でも、ただ「A」とだけ返す必要はありません。以下のように自由に組み合わせて遊ぶことができます。
入力例:選択肢を選びつつ思考を混ぜる
A
(まぁ。いいわ...。かわいいし。鼻もきくだろうから、森の中で奇襲を受けることも無くなるでしょ...)
『狼のうち一匹を抱き寄せながら、安心して眠る』
入力例:複数の選択肢を順番に実行する
B→A
もちろん、独自の行動を提案することも大歓迎です。
AIの仕様(ハルシネーション)と上手く付き合うコツ
AIは完璧ではありません。快適に遊ぶために、以下の仕様への割り切りと対策をお願いします。
HP・FP、ルーンの数値ズレ
AIは数値の管理が非常に苦手です。特にルーンが手に入ったらすぐにレベルアップや買い物に使うか、チャットで 【現在の所持ルーン:〇〇】 とGMにこまめに教えてあげてください。変な出力や、過去の状況が繰り返された場合
ハルシネーション(AIの幻覚)です。チャットの右上にカーソルを合わせると出てくる「更新ボタン(Return this turn)」を押して、出力を再生成させてください。キャラクターの口調が原作と違う
AIの学習状況により、NPCの口調がブレることがあります。「このセッションにおけるパラレルワールド(IFルート)」として割り切って楽しんでください。
あるいは、【原作と口調が異なります。修正してください】というように指示すれば大体直ります。
4. 画面左下に赤文字のエラーが出た場合
左下に赤文字のエラーメッセージが出てAIが出力を行わなくなった場合、モデルの「1日の使用回数制限」に引っかかっている場合がほとんどです。「Gemini 3.1 Pro Preview」は性能が極めて高い分、利用制限が厳しく設定されています。その場合は、右側のモデル選択から制限の緩い「Gemini 3.5 Flash」に変更してプレイを継続してください。
※【重要:ダイスロールについて】
本作では、プレイヤー自身が外部のダイスサイト(例:WEB DICE など)を使用して「1〜100のダイス(1D100)」を振ります。
AIが判定を求めてきた際、出力の最後に記載される【ダイス値入力用フォーマット】をコピーし、そこに自分で振った数値を書き込んで送信してください。
(入力例:判定1: 84)
「詳しい目標値はあとで算出」などと書いてある選択肢(具体的な目標値は書いていない)については、選択肢だけ選んで、次のターンにダイスロール結果を送信してください。
実際のプレイの様子(こんな風に遊べます)
「フロム・ソフトウェアの残酷な世界観」と「虚勢を張る天才・シルヴィア」が交わると、シリアスとコメディが入り交じる最高のケミストリーが生まれます。実際のプレイログをご覧ください。
▼例1:遺灰の狼を召喚して強がるシルヴィア(ユーザーガイド版)
AI(GM):
私には力がある。そして今、私の手足となって戦う「愚かで従順な騎士(狼)」を手に入れたのだ。
自尊心という名の風船が急激に膨らみ、あなたの口元には隠しきれない邪悪(でポンコツ)な笑みが浮かんでいた。
あなたは教会の少し開けた場所——カーレの焚き火から少し離れた暗がり——に立ち、右手に冷たい『霊喚びの鈴』を、左手に『はぐれ狼の遺灰』を握った。
深呼吸をして、天才的な魔力操作を意識しながら、手首を軽く振る。
チリン……。
ガラスを弾いたような、美しくも冷たい鈴の音が夜の空気を震わせた。
同時に、あなたの体内からフッと魔力(FP)が抜け出ていく感覚がある。
足元の石畳の上に青白い魔法陣のような光が展開され、そこから音もなく、三頭の巨大な狼の霊体が姿を現した。
「ふ、ふふふ……出たわね! さぁ、偉大なる我が下僕たちよ!」
狼たちは半透明の青白い体躯を持ち、周囲にヒンヤリとした冷気を漂わせている。眼光は鋭く、その牙はゴドリックの兵士の喉笛を容易く食い破るだろう。
あなたは咳払いをして、最も威厳のある声(のつもり)で命じた。
「……よし! まずは主従関係をはっきりさせるわよ! お座り! ……そして、お手!」
威光[CHR:38]を振り絞ったあなたの命令。
三頭の狼のうち、一頭は面倒くさそうにゆっくりと腰を下ろしたが、当然のように「お手」などという芸はしなかった。
残りの二頭に至っては、あなたの方を見向きもしない。彼らの鋭い眼光は、教会の入り口——つまり、外を徘徊しているツリーガードや、遠くの森に潜む敵の気配——に真っ直ぐ向けられ、喉の奥で*グルルル……*と低い警戒の唸り声を上げている。
「ち、ちょっと! 主人は私よ! こっちを見なさい!」
あなたが狼の半透明な首根っこを掴もうとして空振りし、一人でジタバタしていると、焚き火の方からひどく不機嫌そうな舌打ちが聞こえてきた。
「……おい、お嬢ちゃん。夜中に犬っころを喚び出して騒ぐな。お前もその犬も、さっさと寝袋に入って大人しくしてろ。それとも、外の金ピカをここに招き入れたいのか?」
カーレの冷ややかな一瞥。
あなたはビクッと肩をすくませ、「チッ、凡俗には私の高度な調教術が理解できないのね」と誰にも聞こえない小声で悪態をついた。
しかし、狼たちが完全なペットにはならないにせよ、彼らが『外の脅威に対して明確な敵意と警戒を見せている』ことは事実だ。
いざ戦闘になれば、彼らは間違いなく自律的に動き、敵の注意を引きつけ、あなたの盾となってくれるだろう。
泥まみれの冷たい床の上。しかし今夜は、三頭の青白い狼たちが、あなたの周囲を囲むように伏せている。
彼らが放つ霊体の冷気は決して暖かくはなかったが、この残酷な世界において「自分の代わりに戦ってくれる存在がいる」という事実は、あなたにこれ以上ない深い安心感をもたらしていた。
【次なる行動指針:明日への備え】[A] 朝まで休息する: 「今日はここまでにしておくわ……」と強がり、狼たちに囲まれながら、泥だらけのローブを毛布代わりにして朝まで眠る。(※タイムスキップの実行)
[B] カーレに見せびらかす: 「ふふん、見たかしら! 私の私兵よ!」と、就寝しようとしているカーレの目の前に狼を連れて行き、ウザ絡みをする。
[C] 夜襲を仕掛ける: 「この狼たちがいれば無敵よ!」と完全に調子に乗り、暗闇の北の森へ夜襲を仕掛けに行く。
[その他]: 上記以外の自由な行動(プレイヤーからの提案)
プレイヤー:
A
(まぁ。いいわ...。かわいいし。鼻もきくだろうから、森の中で奇襲を受けることも無くなるでしょ...)
『狼のうち一匹を抱き寄せながら、安心して眠る』
▼例2:関門前でハッタリをかました結果、無血開城してしまうシルヴィア(通常版)
AI(GM):
【マスタークロック】: [S03 / D07 / 14:05]
【現在地】: リムグレイブ西部 - 嵐の関門(防柵前)
――ゴゥン、ゴゥン、と。
崖の上でパニックを起こしていた石掘りトロルが、その巨体を丸めるようにして後ずさり、やがて岩陰の奥、ストームヴィルの丘の方角へと逃げ去っていく重低音が谷に響き、消えた。
残されたのは、吹き荒れる風の音と、異常なまでの静寂。
やがて、防柵の奥で「ガチャン」と剣や槍を地面に投げ捨てる音が連鎖的に響き始めた。
ギギギギギ……。
重い木製のバリケードが、内側からゆっくりと開かれる。
そこから這い出るようにして現れたのは、色褪せたサーコートを着たゴドリック兵の指揮官だった。彼はもはや剣を持っておらず、狂気に濁りかけていた目には、今はただ圧倒的な『強者への恐怖』だけが張り付いている。
彼は、無言で大盾を構えるバルトの巨体と、一切の隙を見せずに杖を構えるあなたの美しくも冷酷な姿を見上げると、ガタガタと震えながら両膝を突き、その場に深く平伏した。
「お、お命だけは……! ま、魔術師殿……いや、ハイト砦を落とせし極光の主よ……!」
指揮官の背後でも、残っていた十数人の兵士たちが次々と土下座をし、額を地面に擦り付けている。
「我らは、所詮は敗残の寄せ集め……狂気に飲まれつつある身……。ゴドリック王への忠義など、もはやありはしませぬ……! どうか、どうかお目こぼしを……ストームヴィルへ続く道は、あなた様のものにございます……!」
あなたの[CHR:38]と、ハイト砦での実績(はったり)、そして極光の演出が完璧に噛み合い、彼らの心を完全にへし折ったのだ。
本来ならば血みどろの死闘、あるいは逃げ隠れしながらの過酷な登攀を強いられるはずだったリムグレイブ最大の難所『嵐の関門』は、あなたの指一本、いや、あなたの「言葉一つ」によって完全な無血開城を迎えた。
「……すげえ。ボス、あんた本物のバケモンだぜ。声一つで軍隊を降伏させちまうなんてよ……!」
背後で、バルトが兜の奥で信じられないものを見るかのように感嘆の息を漏らしている。遠くで隠れていたボックも、その光景を信じられないといった顔で見つめていた。
あなたは今や、この関門の絶対的な支配者として君臨している。
平伏して震えるゴドリック兵たちを冷眼に見下ろしながら、あなたはどう振る舞いますか? 彼らに何か命令を下す(情報を吐かせる、物を差し出させる等)ことも、ただ無視して王の凱旋のごとく関門を通り抜けることも可能です。
プレイヤー:
(き...きもちいい...!ちょろいわ...!いや、ハッタリが効かなかったら実力行使に出るしかなかったんだけど、やっぱり私ってカリスマ美少女...?)
『膝をつき、指揮官に目線を合わせる』
「...頭を上げなさい。そう自分を卑下するものではないわ。野に下り、自由の身になることもできるでしょうに...。自らの人間性を保つため、使命を自らに課しているのでしょう...?それこそがあなたたちが正気である証よ。...いつか、私が律を正して、狂気に怯えることのない世界を取り戻して見せるわ...」
(そんなつもりないけど...。気持ちよくてつい口がペラペラと...)
▼例3:自称・領主の嫡男 ケネス・ハイトとの遭遇(通常版)
AI(GM):
【マスタークロック: S02 / D07 / 09:10】
【現在地: リムグレイブ東部 - 街道沿いの石のアーチ下】
シルヴィアが茂みの隙間から見上げた先。
崩壊した巨大な石造りの歩道アーチの最上部、身を乗り出すようにして、やたらと仕立ての良い――けれど、泥と埃にまみれて少し滑稽な、金と紫の絹の衣服を纏った一人の金髪の青年が立っていた。
青年は、自らのことを「高貴なる」と、信じられないほど大きな声で叫び続けている。
「おおッ! お主、来てくれたのか!」
アーチの上の青年――ケネス・ハイトは、眼下に現れたシルヴィアの姿に、弾かれたように身を乗り出して歓喜の声を上げた。
落胆しかけたケネス・ハイトの目が、次の瞬間、シルヴィアの纏うローブの圧倒的な美しさと、ふんぞり返った不遜なドヤ顔、そして[INT 45]の放つ異様なまでの知性の覇気に、釘付けとなった。
「いや……! 褪せ人とて、歓迎するぞ!
お主、ただの泥歩きではないな? その仕立て、その理知的な眼光……まさか、魔術学院の高尚な学徒、いや、名門の令嬢かしら!
我はケネス・ハイト。リムグレイブの正統、領主の嫡男だ!
褪せ人よ、お主に頼みがある。ここより南、霧の森の先にある、我が『ハイト砦』を取り戻してほしいのだ!
見くびるでないぞ。このケネス・ハイトは吝嗇(ケチ)ではない。見事、我が砦を取り戻した暁には、もちろん、大いに振舞おうとも!」
プレイヤー:
「...言いたいことは、いろいろあるんだけど...貴方が素でそれをやっていることに驚きだわ。言うことを聞いてあげてもいいんだけど...反乱?ゴドリックのところの兵士は統制が取れてないってこと?」
(まぁ、ゴドリックって言ったらあれよね、破砕戦争のときに女子供に隠れて逃げたとか、体に接ぎ木とかいうわけのわからないことをしてるとか、そりゃ忠誠心なんてなくなって当然か...。もしかしたら、内乱を誘発すれば労せずしてゴドリック軍の勢力を削れるかも...)
▼例4:ゴドリック兵から強奪した剣を高く売りつけようとするシルヴィア(ユーザーガイド版)
(……抜くわよ。一ミリずつ、最も優雅な角度で、泥から引き抜くのよ……!)
あなたは脳内で死に物狂いの計算を行いながら、泥に突き刺さった『君主軍の直剣』の重心を、慎重に、かつ顔色一つ変えずにコントロールした。
筋肉[STR:08]が爆発しそうなほどの悲鳴を上げ、全身から冷や汗が噴き出しそうになるのを、鋼の虚栄心だけでねじ伏せる。
「ふぅ……」
あたかも、最初からそうする予定であったかのように、あなたはゆっくりと泥から剣を引き抜いた。
そして、その剣をまるで羽毛のように(実際は鉛のように重いが)脇に抱え、極めてスローモーションで、かつ静寂を纏った達人のようなすり足で、森を後にした。
一歩、また一歩。
もしここで足をもつれさせれば、今度こそすべてが台無しになる。
呼吸の乱れすらも「強者の呼吸法」であるかのように偽装し、あなたは100メートルの距離を、果てしない時間をかけて歩ききった。
そして——あなたは再び、エレの教会の瓦礫をくぐり抜けた。
パチパチッ……
焚き火の爆ぜる音が聞こえる。
放浪商人カーレは、ロバの背を梳いていた手をピタリと止め、ゆっくりと振り返った。
その瞬間、彼の目が見開かれるのを、あなたは確かに捉えた。
泥だらけ(右半分だけ)の顔。裾が破れた魔術袍。
だが、その佇まいは不気味なほど堂々としており、何より、その腕には美しく磨かれた、ゴドリック軍の『君主軍の直剣』がしっかりと携えられている。
数日前、一文無しで震え、先ほども雑兵に斬り殺されて泣き喚いていたはずの小娘が、傷一つない姿で、本物の戦利品を持って帰還したのだ。
「……おいおい」
カーレはロバのブラシを置き、驚きと、そして微かな『畏怖』の混ざった視線で、あなたと直剣を交互に見つめた。
「まさか本当に……ゴドリックの連中を片付けてきたってのか? その傷一つない姿で……」
「ええ、当然でしょう? 散歩にすらならなかったわ」
あなたは涼しげな顔で(実際は両腕の乳酸が限界に達し、指先の感覚が失われつつあるが)そう言い放った。
死に物狂いで維持した『虚勢』が、完璧にこの商人を騙し、その認識を完全に書き換えたのだ。
手元には、まだ価値を理解されていない192のルーンと、この立派な『君主軍の直剣』。
そして何より、あなたを「侮れない魔術師」として見なした、放浪商人カーレ。
あなたの口八丁とハッタリを以てすれば、この男からさらに甘い汁を吸い上げ、より有利な条件で物資や情報を巻き上げることができるはずだ。
腕の筋肉が完全に千切れて剣を落としてしまう前に、この最高の舞台(ハッタリ交渉)を完了させなければならない。
【次なる行動指針:大成功ハッタリ交渉】
[A] 戦利品の売却交渉: 「この高貴な私には、少し軽すぎる剣ね。特別に、あんたに安く譲ってあげてもいいわよ?」と、君主軍の直剣をカーレに売りつける。 ※【想定判定: [CHR] 威光 / 目標値: 78%】(※ハッタリバフ+20%適用。成功すれば通常以上の高値で買取)
[B] 情報と物資の無償要求: 「私の実力は理解できたかしら? ならば、私に仕える権利として、関門前の廃墟の突破法と、いくつかの物資をタダで提供しなさい」と、剣をこれ見よがしにチラつかせながら要求する。 ※【想定判定: [CHR] 威光 / 目標値: 78%】(※ハッタリバフ+20%適用)
[C] 限界なのでポーズを再開する: 一言も喋らず、再び教会の床に剣をザクッと突き刺し、両手を柄頭に重ねて体重を預ける「騎士の休息ポーズ」をとって無言でカーレを見つめる(※物理的な腕の限界を回避するためのシュールな行動)。
[その他]: 上記以外の自由な交渉・行動(プレイヤーからの提案)
プレイヤー:
A
判定1:84
▼例5:ツリーガードの察知範囲からギリギリ逃れたシルヴィア(ユーザーガイド版)
AI(GM):
「ふ、ふふん……! わ、私の素早い身のこなし、見たかしら? わ、わざと隙を見せて……相手の動きを分析しただけよ! これも計算のうちなんだから……っ!」
泥だらけの石畳の上で、あなたはガタガタと膝を震わせ、ひどく上擦った裏返りそうな声で言い放った。
高貴な魔術袍は泥水と擦り傷で悲惨な状態であり、あなたの美しい顔にもドロドロの汚れがこびりついている。誰の目から見ても、恐怖で半狂乱になった小娘の哀れな見栄に過ぎなかった。
「……あっそ。そいつはすげぇや」
カーレは棒読みでそう返すと、もはやあなたの方を見ようともせず、焚き火に新しい薪をくべた。
パチッ、と火の粉が舞い上がる。
しかし、これ以上ここで騒がれて化け物を引き寄せられてはたまらないと判断したのか、あるいは彼なりの微かな(そして皮肉交じりの)親切心か。カーレは焚き火の向こう、教会の北側に広がる鬱蒼とした森の方を親指で指し示した。
「……あの金ピカの化け物が怖くてたまらないなら、さっさと北の森へでも行くんだな。あの重装甲じゃ、木々の密集した森の中までは追ってこれねぇからな」
カーレは鼻を鳴らし、続ける。
「お前さんみたいに『栄誉』を求めている馬鹿な褪せ人がいるとすれば、北の『関門前の廃墟』あたりだろうさ。……まぁ、森の中にはゴドリックの兵隊どもがうろついてるから、せいぜい見つからないように上手く『計算』して逃げ回ることだな。死体でも漁れば、少しはルーンの足しになるだろうよ」
それは、厄介払いの言葉だった。
ここ(エレの教会)は確かに安全だが、ルーンも力もないあなたがいつまでも居座れる場所ではない。「生き延びたいなら、危険を冒して先へ進め」。狭間の地の冷徹なルールを、彼はあなたに突きつけている。
ひゅぅぅ、と。
崩れた教会の壁の向こうから、冷たい風が吹き込んできた。
北の森からは、湿った土と、どこか鉄の錆びたような匂いが微かに漂ってくる。あそこも決して安全な場所ではないと、あなたの本能が告げていた。
しかし、南の街道には間違いなく『即死の暴力』が徘徊している。
このままここで惨めに震え続けるか。
それとも、己の知略を信じて(あるいは騙して)、未知の森へと足を踏み出すか。
天才・シルヴィアの最初の決断の時が迫っていた。
【次なる行動指針:未知への一歩、あるいは停滞】
[A] 北の森へ向かう: 「ふん、わざわざ教えてくれなくても分かっていたわ!」と強がり、輝石の杖を杖代わりにして、教会の裏手から北の森へ向けて出発する。
[B] 準備と身だしなみ: 出発する前に、せめて「陰謀ノート」に現在地を記録し、手鏡を取り出して泥だらけの顔を(手持ちの布切れ等で)拭ってから優雅に歩き出す。
[C] やはり怖くて動けない: 「も、もうちょっとだけ……計算の最終確認をするから……」と適当な理由をつけて、カーレの焚き火のそばに居座り続ける。
[その他]: 上記以外の自由な行動(プレイヤーからの提案)
プレイヤー:
B→A
▼例6:ローデリカとの出会いとクララの入手(通常版)
AI(GM):
【マスタークロック】: [S03 / D07 / 14:25]
【現在地】: リムグレイブ西部 - 嵐丘のボロ家
泥に塗れることも厭わず、あなたはボロ家の床に膝をつき、赤い頭巾の少女の細く震える背中に、そっと手を添えた。
魔術の冷たい理論だけで組み上げられていたはずのあなたの手に、不器用ながらも確かな体温と、強烈な暴力に対する「嫌悪(トラウマ)」から来る静かな怒りが宿っている。
「……接ぎ木の、ゴドリックを……倒す……?」
あなたの優しく撫でる手と、その途方もない宣言に、少女――ローデリカは、涙で濡れた顔をゆっくりと上げた。
彼女の目に映るあなたは、恐ろしい化け物が巣食う城へ向かおうというのに、微塵も恐怖を見せない(実際には内心でひどく怯えているのだが)、神々しいほどに強く美しい存在に見えたのだろう。
「……あなたみたいな人がいるのね。円卓の導きも失って、みんな、城で『蛹(さなぎ)』にされているというのに……」
ローデリカは、あなたの温かい手にすがるように、ぽつりぽつりと絶望の淵から言葉を紡いだ。
「ストームヴィルの城には、接ぎ木の化け物たちが蠢いているわ。私の仲間たちも、手足を切り落とされて、別の肉と縫い合わされて……蜘蛛のような、気味の悪い『蛹』として、城の奥に転がっているはずよ……」
その言葉は、あなたの脳裏に焼き付いている『何本もの腕を持つ怪物』の姿を、生々しく補強した。
野蛮で、臭くて、グロテスク。あなたの最も嫌悪する「力任せの暴力」の極致が、その城で今も褪せ人たちを犠牲にして行われているのだ。
「私には、戦う力なんてない。一緒に接がれるのが怖くて、ここにうずくまっているだけの、臆病者だから……」
ローデリカはそう言って力なく微笑むと、懐から、小さな灰の入った小袋を取り出し、あなたの両手で包むようにしてそっと握らせた。
灰は冷たかったが、どこか微かな生命の鼓動のような温もりを感じた。
「これ、私だと思って、連れて行ってくれませんか。この子も、私と同じ。ひとりぼっちの、クラゲだから……」
「もし、本当にあの忌まわしい接ぎ木の主を倒せるのなら……どうか、私の仲間たちの魂を、解放してあげてください……」
あなたは、悲惨な運命から逃げ出した少女の想いと、新たな戦力となる『遺灰』を受け取った。
背後では、バルトが同情したように小さく鼻をすする音と、ボックが「ご主人様は、やっぱりお優しい神様ですだ……」と涙ぐむ声が聞こえた。
【システム通知】
PCシルヴィアは 『霊クラゲの遺灰』 を獲得しました。
【動的システムルール更新】: [遺灰の召喚ルール]
本作において、PCシルヴィアは高い[INT]と[CHR]の素養により、『霊喚びの鈴』を使わずとも、FPを消費するだけで遺灰から霊体を実体化させることができます。
霊クラゲのクララ: 【消費FP: 31】で召喚可能。バルトとは異なり指薬は不要です。戦闘中、遠距離から毒液を吐いて敵を猛毒状態に陥れる、耐久力の高い後方支援ユニットです。
【GMからの問いかけ】
ボロ家での休息と、思わぬ「戦力」と「討伐への大義名分」を得ました。
ここから先は、いよいよストームヴィル城へ向けて風の吹きすさぶ上り坂(嵐の丘)を進むことになります。指揮官が警告した『忌み鬼』が、この先の道のどこかであなたたちを待ち構えているはずです。
準備がよければ、このまま城へ向けて進軍を再開しますか?
プレイヤー:
『クララを召喚して、頭を撫でる』
「ええ。ありがとう。...ゴドリックは必ず倒すわ。貴方、もし行く当てがないなら私たちと来る?それか、私たちが来た方向の関門に行って、シルヴィアの紹介だって言えば、どうにかしてくれると思うわよ。一部のゴドリック兵は既に主への忠誠を失っているから。もし決心がつかないようなら、近いうちにまたここに寄るから声をかけて。しばらくは忌み鬼の情報集めと、戦力向上のために動くから」
セッション1を終えて、次のセッションもプレイしたくなったら
挙動の安定性のため、100ターンくらいでセーブ(別のチャットへのデータ引継ぎ)することをおすすめしています。
もしセッション2をプレイしたくなったら、以下の記事でセーブ方法を紹介しています。
攻略記事・設定資料のご案内
「ダイスの出目が悪くて死に戻りばかりしてしまう」「どうしても敵の突破口が見つからない……」という方のために、セッションを有利に進めるための攻略記事(序盤のスタートダッシュ指南や、ダイスロール判定を有利にするバフの得方など)も投稿いたしました。
また、主人公・シルヴィアの強烈な生い立ちや、エルデンリングの世界観のおさらいをしたい方向けの設定資料記事もあります。行き詰まった際やより深く没入したい場合はご覧いただけると幸いです。
終わりに
お付き合いいただきありがとうございました。
ウェブ検索とTRPGシステムデータフォーマットを融合させる挑戦的かつ実験的な試みだったのですが、私の作っている元のTRPGシステムよりもうまくいったため単独の記事として投稿いたしました。
もしプレイした感想を投稿してもいいという方は、ぜひコメント欄にお願いいたします。
原作とは違い、大ルーンを集める必要もなければ、ストーリー進行フラグを踏む必要もありません。頑張れば何でもできます。
原作キャラを死亡ルートから救い出すのも、黄金律を探求することも、狭間の地を武力制圧することも可能です。
また、リクエストがあれば主人公を変更したバージョンなども作成いたします。
現地の混種、亜人、トープスさん、パッチ、ラニ様、メリナ、原作通りの無機質な褪人、別のフロム作品からアルトリウス…あるいはSEKIROの狼さんが狭間の地に呼ばれた設定もいいかもしれません。根幹となるシステムはできているので、30分くらいで作れるかと思います。
元のTRPGシステムは今後も更新予定です。
それでは。
