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【第458回】 Agentforce : 2025 年 12 月 新機能リリース ハイライト

Data 360 と同様に、Agentforce もほぼ毎月のように新機能が追加されており、正直なところキャッチアップするだけでも一苦労です。

私自身も、「いつの間にか新機能が増えている」「結局どれが本当に重要なのか分かりづらい」と感じることが増えてきました。リリースノートをそのまま追うだけでは、全体像や優先順位が見えにくいのが実情です。

そこで今後は、Data 360 と同じように、Agentforce についても 毎月の新機能を要点だけ整理するまとめ記事 を継続していきたいと思います。

単なる機能紹介ではなく、「何が変わったのか」「どこにインパクトがあるのか」を分かりやすく整理していく予定です。


過去の記事


2025 年 12 月リリース ハイライト

2025 年 12 月のリリースでは、エージェントの 「構築・推論・テスト・運用」すべてのフェーズを強化するアップデート が多数追加されました。

注目の機能は、以下の通りです。

  • より決定論的に制御できる Agent Script

  • 次世代 Agentforce Builder

  • トレース&デバッグ の強化

  • テスト自動化基盤(Testing Center)

  • バッチ処理 / 音声エージェント

  • スプレッドシート型 AI ワークフロー(Grid)

いずれも、「実験レベル」から「本番運用レベル」へ引き上げる進化 が中心となっています。


それでは、各機能を順番に見ていきましょう。


エージェント構築基盤の進化

Agent Script(ベータ)

Agentforce に 新しいエージェント記述言語「Agent Script」 が登場しました。

これまでの自然言語プロンプト中心の構築に加えて、
if / else、変数、条件分岐、トピック遷移などの 決定論ロジック を組み合わせられるようになります。

主なポイント

  • 自然言語+プログラム制御のハイブリッド設計

  • 条件分岐や変数管理が可能

  • 挙動の再現性が向上

  • 業務フローの厳密制御に最適

これにより、「たまに違う回答をする AI」から 「意図通りに動く業務エージェント」へ 進化します。本格的な業務自動化用途では、非常に大きなアップデートと言えるでしょう。


新しい Agentforce Builder(ベータ)

次世代エージェント開発環境が登場しました。

Flow Builder のような 視覚的 UI(Canvas)でエージェント設計が可能 になり、構築体験が大きく改善されています。

主な進化

  • グラフベース推論エンジン

  • Canvas + Script ビュー

  • Agent Script 統合

  • リアルタイムプレビュー

  • トレース&デバッグ

ノーコード 〜 ローコード開発がさらに加速し、エンジニア以外でも扱いやすい環境になりました。Agentforce の標準のビルダーは、今後こちらに移行していく流れになりそうです。


対応 LLM モデルの拡充

Agentforce に対応する LLM モデルが拡充されました。

ベータ追加

  • Claude Opus 4.5

  • Gemini 3 Flash / Pro

  • GPT 5.2

一般提供(GA)

  • O3 / O4 mini

  • Claude Haiku / Sonnet 4.5

より 高速・低コスト・高精度 なモデルが利用可能になり、
用途に応じた最適なモデル選択ができるようになります。
コスト最適化やレスポンス改善の観点でも嬉しいアップデートです。

※ サポートモデル一覧は こちら


データ活用・RAG 強化

Web 検索プロバイダーに OpenAI(ベータ)

Search the Web アクション(エージェントがインターネット上の最新情報を取得して回答に利用する機能)で、OpenAI を検索プロバイダーとして利用可能 になりました。

変更点

旧:BrightData のみ(キーワード一致中心)
新:OpenAI 追加

検索と LLM がより深く統合され、
検索精度・要約品質・文脈理解が大幅に向上 します。

RAG やリアルタイム情報取得の信頼性が改善され、
ハルシネーション(もっともらしい内容)の抑制にも効果が期待できます。

方法:検索プロバイダーを指定するには、Agentforce Builder でアクションを開き、 「アクションの編集」を選択し、 「検索プロバイダー」の設定入力フィールドに「OpenAI」または「BrightData」と入力します。以前のリリースで追加したアクションの検索プロバイダー入力にアクセスするには、アセットライブラリから新しいコピーを追加してください。


インテリジェントコンテキスト

Intelligent Context の高度な処理ツールを使用して、画像、フローチャート、表を含むファイルを処理するときに、Agentforce データ ライブラリのパフォーマンスを向上させることができるようになりました。

対応内容

  • 画像

  • フローチャート

  • PDF

上記のような 非構造化データも、高度な理解・インデックス化 が可能になりました。従来は扱いにくかった「マニュアル」や「図表入り資料」も、そのままナレッジとして活用できるため、RAG の精度が大きく向上します。

方法:「ファイル」ベースのデータライブラリを作成し、10 MB 以下の PDF をアップロードすると、Intelligent Context の高度な処理ツールが自動的に適用されます。コンテンツ処理設定を確認・調整するには Data 360 の Intelligent Context にアクセスしてください。そこから、AI を活用した Intelligent Context ワークスペースを使用して、検索インデックス設定を作成、変更、テストできます。


品質保証・テスト基盤

詳細なエージェントプレビューによるデバッグ

エージェントの 思考過程を可視化 できるようになりました。

できること

  • 実行ステップ確認

  • 変数値の追跡

  • 推論理由の表示

  • シミュレーション実行

「なぜこの回答になったのか?」を把握できるため、デバッグ効率が劇的に向上しました。AI のブラックボックス問題を解消する重要な機能です。

方法: Agentforce Builder の「プレビュー」パネルで、プレビューモードを選択します。「シミュレート」を選択すると、模擬データを使用してエージェントの会話をプレビューできるため、組織のデータに影響はありません。または、「ライブテスト」を選択すると、エージェントのパフォーマンスを最も正確に確認できます。プレビュー条件を指定し、エージェントにメッセージを送信してプレビュー会話を開始します。

チャット中に、エージェントの意思決定メッセージをメッセージごとに詳しく調べることができます。


タスク解決(Task Resolution)(ベータ)

推論エンジンがアップグレードされた新しいAgentforce Builder(ベータ版)では、エージェントの成果を評価する 新メトリクスタスク解決」が導入されています。

エージェントがユーザーのタスクをどの程度理解し、解決しているかを把握することで、エージェントの有効性を調整・向上させることができます。会話の中で表現されたユーザーの意図を満たす、より有意義な成果を提供できます。

内容

  • タスク解決率スコア化

  • 成功 / 失敗の定量評価

  • チューニング可能

これにより、「なんとなく良い」から「数値で良い」へ、
AI の品質を KPI として客観的に評価 できるようになります。


Agentforce Studio のテストセンター(ベータ)

Agentforce Studio にテストセンターが追加されました。マルチターンテストケースを簡単に構築できるため、会話履歴や回帰シナリオのデバッグが簡素化されます。テストスイートをメタデータとして管理し、カスタム評価を構築し、テスト履歴を追跡して回帰分析に活用できます。

機能

  • マルチターンテスト

  • 回帰テスト

  • LLM Judge による自動評価

  • テスト履歴管理

  • Inline 編集

  • テストケース複製

AI 開発に CI/CD 的ワークフロー を導入でき、品質保証が体系化されます。


運用・スケール・新しい体験

Native Batch Processing で大量のデータをより高速に処理

Native Batch Processing を活用することで、大規模データをより効率的に処理でき、バッチ処理のスループットを大幅に向上させることができます。

特徴

  • 最大 10,000 件 / ジョブ

  • 高速処理

  • 大規模データ対応

大量データの一括要約・分類・エンリッチメントなど、バックグラウンド処理系ユースケースに最適です。大規模運用時のパフォーマンスが大きく向上します。特に何かを設定する必要はありません。


新規組織では 生成 AI 機能をすぐに利用可能

2025 年 12 月 4 日以降の新規組織においては、Einstein 設定が自動的に有効化された状態で提供されるようになりました。

  • セットアップでの手動有効化は不要になります。

  • 既存組織の設定には影響ありません


Agentforce Voice – 重要な用語やフレーズを認識

音声対応エージェントが生成するトランスクリプト内の固有用語の認識率を向上させるため、「キーワードプロンプト」を使用できるようになりました。固有名詞、製品名、業界用語など、組織で使用されている固有の用語やフレーズを入力することで、モデルが指定されたキーワードを正確に認識し、トランスクリプトを作成できるようになります。

これにより、業界特有の用語にも強くなり、コールセンターやサポート用途で効果を発揮します。

方法:テレフォニー接続の「詳細な音声設定」で、モデルがキーワードプロンプトに使用するキーワードとフレーズを指定します。


Agentforce Grid(ベータ)

AI 活用の実験と価値創出をスピーディに実現

  • スプレッドシートのような UI 上で、CRM データを使いながらテストと反復改善が可能

  • リアルタイムフィードバックにより、その場で結果を確認・調整

  • AI カラム、エージェント、プロンプトテンプレート、プラットフォームアクションを組み合わせ、新しいワークフローを柔軟に構築可

つまり、CRM データを使って、AI ワークフローを“表計算ソフト感覚”で作って試せる実験&自動化ツール です。

これまでは、

  • Flow を作る

  • Apex を書く

  • Prompt Builder を設定する

  • Agent を構成する

といった 複数機能をまたいだ設定作業 が必要でした。

Agentforce Grid は、それを 1つのグリッド(スプレッドシート風UI)上で完結 させます。

特徴

  • CRM データ上で直接実行

  • 列ごとに AI / Agent / Prompt / Action を設定

  • 1 行テスト → 全件実行

スプレッドシート感覚で AI パイプラインを作成でき、プロトタイピングから本番展開までを高速化できます。「実験 → 検証 → スケール」を最短距離で回せる強力なツールです。


いかがでしたでしょうか。

今回のリリースは単なる機能追加ではなく、
Agentforce を「実験ツール」から「本番運用基盤」へ引き上げるアップデート が多かったですね。

特に注目は:

✅ Agent Script
✅ New Agentforce Builder
✅ Testing Center in Agentforce Studio
✅ Agentforce Grid

まだまだベータ版ではありますが、
これらは開発体験を根本から変えるレベルの進化と言えます。

今回は以上です。


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