「学校に行きたくない」と言われた朝に後悔しなかった1日の使い方【子育ての構造を整える話】
1ヶ月ほど前の話です。
月曜日の朝、出勤してしばらくすると妻から連絡がありました。
「息子が、学校に行きたくないと言っている」
その頃、息子はまだ朝なかなか起きられず、月曜日の行き渋りも何度かありました。
この日は起きるのが遅く、車で送っても遅刻になる時間でした。
途中で「もう行きたくない」となったようです。
妻は繁忙期で休めず、私は仕事を最低限だけ整えて早退しました。
正直、
「息子だけ学校を休んでずるいな」
そんな気持ちも、少しありました。
でも同時に、こうも思いました。
せっかく休むなら、止めることに力を使うより、
その一日を設計した方がいいのではないか。
これまで私は、
子どもの問題を「やる気」ではなく環境や流れの問題として考えるようにしてきました。
家に帰ると、息子は少し驚いた顔をしていました。
理由を深掘りすることはしませんでした。
「ちょっと出るか」
それだけ言って、外に連れ出しました。
息子の好きなラーメン屋さん。
団子屋さん。
そのあと、私の好きな神社。
そして最後に、美術館へ行きました。
どうせ学校を休むなら、
“何も残らない一日”にはしたくなかったからです。
美術館で、私は一つ提案をしました。
「それぞれのブースで、一番気に入った作品を選んで、理由も発表しよう」
息子は、いつもよりずっと真剣に作品を見て回りました。
焼き物のブースで選んだのは、亀の作品でした。
「この亀の顔がすごくいい」
そう言って、細かい部分を指さしながら説明してくれました。
私は正直、その良さは分かりませんでした。
でも、
自分が良いと思った理由を、言葉にして伝えようとする姿は、
それ自体が意味のある時間でした。
帰りのお風呂で、私は一言だけ伝えました。
「ママにあまり心配をかけるなよ」
息子は少し間を置いて、
「わかってるよ」
と答えました。
この日は、学校に行かせるための一日ではありませんでした。
休むことを止めるのではなく、
止まった一日を、どう流すかを決めた日だったのだと思います。
私たちはつい、
行くか、行かないか
正しいか、甘えか
という二択で考えがちです。
でも本当は、
止まったあとにどう設計するかの方が、ずっと大事なのかもしれません。
もし今、同じように「学校に行きたくない」と言われて迷っているなら、
行かせるかどうかを考える前に、その一日をどう流すかを先に決めるだけで、親の後悔はかなり減るかもしれません。
この日の出来事は、子育てを「やる気ではなく仕組み」で整えてきた記録の中のひとつです。
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