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現役学芸員のりんです|美術のそばの暮らし

美術館で人だかりができている目玉作品を横目に、わたしはいつも、誰もいない展示室の角まで歩きます。そこにかかっている小さな室内画や、机の上の果物だけを描いた絵と、いちばん長く見つめあう。


派手ではない。声も大きくない。 食卓に置かれたパン、窓から差す午後の光、誰かが読みかけて閉じた本。そんな、生活のすぐそばにあるものだけを描いた絵に、ずっと惹かれてきました。

ヴュイヤール、ハンマースホイ、スルバラン。
名前を並べてみると、好みがはっきり出ます。穏やかで、暗くて、でも奥に光がある。説明しすぎない。観る人の呼吸に合わせてくれるような絵が、昔から好きなのです。


絵の前で長く立ち止まる時間は、
これからも暮らしの真ん中にあってほしい。
そう思います。


はじめまして、りんと申します。

現役の美術館学芸員で、いまは育休中。学部生のときにオーロラの見える街に留学し、日本に戻ってから大学院で西洋美術史を学びました。気づけば、美術のすぐそばで暮らしています。

手元に置いている本のこと

学芸室用にも買ってデスクに置いてある2冊


E.H.ゴンブリッチ『美術の物語』。 学部生の頃に見つけて、それからずっと、引っ越しのたびに連れてきている本です。読むたびに、自分がなぜこの世界に惹きこまれたのか、はじめの、想いの温度を思い出させてくれる本。

好きになるのは、どんな理由からでもいいけれど、嫌いになるのは、どんな理由からでもいいというわけにはいかない。

E. H. ゴンブリッチ『美術の物語』

ジャック・ロンドン『火を熾す』。 カナダ北部、華氏零下50度の極限を描いた短篇集です。100年前の小説なのに、ページをめくると、まつ毛が凍って瞼が重くなる感覚を思い出す。一人の男が単独踏破を試みる表題作のほか、生と死、孤独、自然との対峙が9篇に綴られていて、本を閉じたあとも、ページの中の濃い静寂に身を残したような読後感でした。 極北の暮らし、イヌイットの芸術。わたしがそういうものに惹かれていく出発点になった、忘れられない一冊です。

ブログのこと、Xのこと

ブログ「bei-cham.com」を運営しています。

もともとは学芸員を目指している人に向けて書きはじめたブログで、採用試験のリアルや仕事の裏側を綴っています。「学芸員 つらい」「学芸員 やめたい」で辿りついてくれる人が多くて、その検索ワードのうしろにいる迷いに、少しでも寄り添えたらと思いながら更新しています。

最近は、美術館の楽しみ方や、絵の見方、子どもと一緒にアートに親しむヒントなど、もう少し広い読者に向けた記事も増やしています。

Xでも、絵のことを、ぽつぽつと。 @rinhwan_blog


もう少し深い話を読みたい方へ

ブログには書ききれなかった、もう少し手引きになる話を、ここに置いています。

📖 ブログに書けなかった学芸員志望時代のリアル(¥1,480)
📖 合格した学芸員採用試験の全部話します(¥1,980)

迷っていた頃のこと、面接のこと、志望動機の組み立て方。あの頃のわたしが読みたかったものを、そのまま置いています。

最後に

学芸員を目指している人、展示室で立ち止まることが好きな人、美術館で出会った一枚が、何年経っても忘れられない人。 そういう人に、ここで会えたらうれしいです。

ゆっくりしていってください。



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✏️ 書いてる人¦現役学芸員のりん
 育休中、子どもと美術と本に囲まれた毎日→ [ 自己紹介note ]
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