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Step2 AIに小説を書かせる前に、まず私(あなた)の話を聞いてもらう


前回は、「小説を書きたいと思っても、最初の一行で止まってしまう」という話を書きました。

頭の中には、ぼんやりと世界がある。
こんな主人公を動かしてみたい、
こんな出来事を起こしてみたいという思いもある。

それなのに、文章にしようとすると、
急に何も出てこなくなる。

そこで、ChatGPTに手伝ってもらおうと思うわけです。

でも、ChatGPTを開いて、いきなり、

面白い小説を書いてください。

大雑把な指示例

と頼んでも、たぶん自分が思っていたものとは違う文章が出てきます。

文章としては、それなりに整っています。

主人公がいて、事件が起きて、何となく気になる終わり方をする。
小説らしい形にはなっているのだけれど、
読んでみると、どこかで見たような話になっている。

これが、AIに丸投げした時の弱さだと思います。

AIは文章を作れます。

でも、私が何を美しいと思い、
何を怖いと感じ、
どんな人物に腹を立て、
どんな結末に救われるのかまでは知りません。

そこを伝えないまま書かせれば、
一般的に整った文章は出てきても、
私の小説にはならない。

だったら、書かせる前に、
まず私(あなた)の話を聞いてもらえばいい。

今回は、その方法について書いていきます。

最初に「質問役になってください」と頼む


特別なGPTを使わなくても、
最初の頼み方を変えるだけで、
ChatGPTとの小説作りはかなり変わります。

いきなり本文を書かせるのではなく、
まず次のように頼みます。

小説を書いてみたいと思っています。
まだ本文は書かず、私がどんな物語を書きたいのかを整理するために、質問してください。
世界観、主人公の悩み、主人公が本当に望んでいるもの、物語の中で変えたいこと、私自身が作品に入れたい思いについて聞いてください。
質問は答えやすい形にして、一度に全部ではなく、一問ずつ聞いてください。

最初の質問

これだけでも、ChatGPTはいきなり小説を書き始めるのではなく、
質問する側へ回ってくれます。

私たちがするのは、その質問へ答えていくことです。

最初に聞いてもらいたいこと


質問の内容は、だいたい次のようなものになります。

  1. どんな世界を書きたいですか

  2. 主人公は何に困っていますか

  3. 主人公は本当は何を望んでいますか

  4. 物語の中で、何が変わってほしいですか

  5. この作品に入れたい願望や思い入れはありますか

  6. 最初の一話で見せたい場面はありますか

  7. 物語を、どんな雰囲気にしたいですか

  8. 書く前に調べておきたいことはありますか

  9. AIに手伝ってほしいことは何ですか

  10. 最初に作りたいのは、世界観、登場人物、プロット、冒頭のどれですか

質問だけを並べると、少し難しく感じるかもしれません。

でも、全部に立派な答えを書く必要はありません。
短い文章でも、箇条書きでも構いませんし、
分からないものには「まだ分からない」と答えて大丈夫です。

たとえば、こんな答え方でも始められます。

現代の田舎を舞台にしたホラーを書きたい。
主人公は、子どもの頃に見たものが本物だったのか確かめたい。
怖いだけではなく、昔の風景を懐かしく感じる話にしたい。
最初は、廃墟になった建物で古い写真を見つける場面から始めたい。
土地の風習や昔の生活については調べてもらいたい。
結末は、まだ決めていない。

最初の質問 別Ver

これだけでも、物語を作るための材料になります。

すべてが決まってから書き始めるのではなく、
今あるものをいったん外へ出してみる。
そのための質問だと思ってもらえればいいと思います。

「テーマは何ですか」と聞かれても、たぶん答えられない


小説の作り方を調べると、
「まず作品のテーマを決めましょう」
と書かれていることがあります。

間違いではないのでしょうが、
これから書き始めようとしている人に、

「あなたの作品のテーマは何ですか」

と聞いても、簡単には答えられないと思います。

私も、最初から立派なテーマを掲げて書いているわけではありません。

こんな世界を書きたい。
こんな人間を動かしたい。
この出来事には、どうしても引っかかる。

最初にあるのは、それくらいのものです。

だから、質問してもらう時は、
できるだけ答えやすい形にしてもらいます。

「あなたのテーマは何ですか」ではなく、

主人公に「これは許せない」と感じさせたいことはありますか。

例)1

この世界で、読者に最初に驚いてほしいものは何ですか。

例)2

主人公が最後まで手放したくないものは何ですか。

例)3

と聞いてもらう。

その方が、自分の中にあるものを言葉にしやすいからです。

答えている途中で、
「ああ、自分はこういう話を書きたかったのか」
と気づくこともあります。

AIに答えを作ってもらう前に、AIから質問してもらう。

今回、一番大事にしたいのは、ここです。

答えが浮かばない時は、候補を出してもらう


質問されても、すぐには答えが出てこないことがあります。

主人公が本当に望んでいるもの。
物語の結末。
作品に入れたいテーマ。

考えたこともないものを聞かれたら、
止まってしまうのも当たり前です。

そんな時は、無理に答えを作る必要はありません。

次のように頼めば、考えるための候補を出してもらえます。

主人公が本当に望んでいるものが、まだ分かりません。
今までの回答に合いそうな候補を三つ出してください。
それぞれを選んだ場合、物語がどのように変わるのかも教えてください。

質問例-1

AIが出した候補から、
必ず一つを選ばなければならないわけではありません。

「これが近い」と感じるかもしれないし、
「どれも違う」と思うかもしれない。

でも、「どれも違う」と思ったのなら、
それも一つの発見です。

なぜ違うのかを考えると、
自分が書きたいものが少しずつ見えてきます。

回答したら、まず「物語の芯」を3行にしてもらう


質問に答えたからといって、
すぐに何千文字もの本文を書かせるわけではありません。

最初に、回答した内容をもとに「物語の芯」を
3行程度にまとめてもらいます。

頼み方は簡単です。

ここまでの回答をもとに、私が書こうとしている物語の芯を3行でまとめてください。
決まっていることと、まだ決まっていないことを分け、分からない部分を勝手に補わないでください。

質問例-2

先ほどのホラーの例なら、次のような形になります。

子どもの頃に見た怪異を忘れられない主人公が、廃墟で一枚の古い写真を見つける。
写真を調べるうちに、自分の記憶と地域に残る証言が少しずつ食い違っていることに気づく。
真相を確かめようとする行為そのものが、消えかけていた怪異を再び呼び戻してしまう。

質問例-3

これなら、自分が書きたいものに近いかどうかを確認できます。

違っていれば、この段階で直せばいい。

怪異を退治する話にはしたくありません。

回答例-1

主人公は記者ではなく、地元へ戻ってきた会社員にしてください。

回答例-2

怖さだけではなく、故郷への懐かしさをもっと強くしてください。

回答例-3

こんなふうに返せます。

長い本文を書いた後で、
根本的な方向が違うと気づくと、
修正するのも大変です。

3行なら、まだ簡単に戻れます。

この3行は、物語を縛るためのものではありません。
自分が今、どの方向へ歩こうとしているのかを
確認するための目印です。

次に、何を作るかを自分で選ぶ


物語の芯が見えてきたら、次に作るものを選びます。

世界観を整理するのか。
主人公や登場人物を作るのか。
一話分のプロットを考えるのか。
それとも、冒頭の300字を書いてみるのか。

ここでも、最初から長編小説を丸ごと作ろうとしない方がいいと思います。

長い文章を一気に出させると、
途中から似た場面が続いたり、
登場人物の感情が急に変わったり、
最初に決めた設定が薄くなったりします。

まずは、自分で見直せる分量だけ作る。

冒頭なら300字。
もう少し読みたければ600字。
場面全体を確認したければ1000字。

そのくらいに分けて書いてもらいます。

短ければ、どこが違うのかも伝えやすくなります。

書き出しが説明に寄りすぎているのか。
主人公の感情が見えないのか。
場面は浮かぶけれど、怖さがないのか。

自分が感じた違和感を、一つずつ返していけます。

たとえば、こんな頼み方ができます。

この物語の冒頭を300字程度で書いてください。
廃墟へ入るところから始めず、主人公が古い写真を手に取った瞬間から始めてください。
最初から怪異を見せず、写真の中に説明できない違和感がある形にしてください。
新しい登場人物や設定は、勝手に増やさないでください。

依頼例-1

これなら、「ホラー小説を書いてください」と頼むよりも、
かなり方向が絞られます。

それでも違うものが出てきたら、
また直してもらえばいいのです。

分からないことは、本文を書く前に整理する


小説には、
書き手が実際には経験していない職業や時代、
土地、制度などが出てくることがあります。

歴史、法律、医療、宗教、武器、昔の暮らし、地域の風習。
調べなければ書けないことは、かなりあります。

ただ、何を調べればいいのか分からないまま検索を始めると、
情報を集めるだけで疲れてしまいます。

そこで、ChatGPTには答えそのものではなく、
まず「調べるべきこと」を整理してもらいます。

この物語を書くために、調べておいた方がよいことを整理してください。
第一話を書く前に必要な調査と、後回しにできる調査を分けてください。
なぜ必要なのか、どのような資料で確認すべきか、作品に使う時の注意点も教えてください。

依頼例-2

先ほどのホラーなら、
建物が使われていた時代の様子、
当時の子どもの暮らし、
地域に残る伝承、
古い写真の保存状態などが考えられます。

廃墟へ入る場面を書くなら、
建物の構造だけではなく、
不法侵入にならない設定や、
安全面の描き方にも注意が必要かもしれません。

もちろん、AIの回答がすべて正しいとは限りません。

法律、医療、宗教、著作権、歴史上の出来事などを扱う場合は、
公式資料や信頼できる情報を自分でも確認する必要があります。

AIには「正解を保証してもらう」のではなく、
「何を確認すべきか整理してもらう」。

これくらいの距離感が、現実的だと思います。

既存作品との重なりも、一度立ち止まって考える


小説を書いていると、
「これ、どこかで読んだ話に似ていないか」
と不安になることがあります。

異世界転生、特殊能力、古い病院、呪われた写真、記憶を失った主人公。

題材だけを見れば、すでに多くの作品で使われています。
だからといって、その題材を使ってはいけないわけではありません。

大切なのは、設定の表面だけではなく、
自分がその題材で何を描くのかです。

同じ「呪われた写真」でも、
怪異を退治する話と、
忘れられた人間の記憶を取り戻す話では、
作品の中心が違います。

同じ異世界転生でも、
最強の能力で活躍する話と、
元の世界で積み重ねた仕事や人生経験を使って生き直す話では、
読者が受け取るものも変わります。

ChatGPTには、特定の作品と同じかどうかを断定させるのではなく、
重なりやすい部分を整理してもらいます。

この設定で、既存作品と重なりやすい要素を整理してください。
特定作品をまねる方向ではなく、作者自身の経験、主人公の動機、舞台、結末によって差を出せる部分を提案してください。

整理依頼-1

「絶対に似た作品がない」と保証してもらうことはできません。

完全に誰も見たことのない題材を探し続けるより、
自分がなぜその題材を書きたいのかを掘り下げた方が、
その人の作品に近づいていくと思います。

AIっぽく薄い文章が出てきたら、自分の記憶を渡す


ここまで準備しても、
AIが出した文章が薄く感じることはあります。

景色は書いてある。
主人公も動いている。
会話もある。
それなのに、その場の空気や人物の気持ちが伝わってこない。

そんな時に、
「もっと感動的にしてください」
「もっと怖くしてください」
と頼むだけでは、強い言葉や大げさな表現が増えることがあります。

それで文章が濃くなったように見えても、
作者の思い入れが入ったわけではありません。

主人公は、その場面の何に引っかかったのか。

作者は、その景色の何を懐かしいと思っているのか。

その世界には、どんな匂い、音、湿度、手触りがあるのか。

たとえば、「田舎の夕方だった」と書くだけでは、
どこにでもある景色です。

けれども、用水路を流れる水の音、
日に温められた草の匂い、
遠くから聞こえる草刈り機の音、
日が沈む前に家へ帰らなければならなかった子どもの焦りが加わると、
その場面に誰かの記憶が入り始めます。

これは、AIが勝手に作った方がよい部分ではありません。

「私はこういうものを覚えている」
「この音が怖かった」
「この景色を見ると子どもの頃を思い出す」と、
作者が材料を渡す必要があります。

その材料を文章の中へどう置くかを、AIに手伝ってもらいます。

たとえば、次のように頼みます。

この文章は場面の説明だけで、主人公の記憶が感じられません。
用水路の水音と、日が暮れる前に帰らなければならなかった焦りを加えてください。
「怖い」と直接書かず、主人公が歩く速度を少しずつ上げることで見せてください。

依頼例-3

ここまで伝えると、文章は少しずつ、
自分が思い描いていた場面へ近づきます。

「違う」と言うことも、作者の仕事になる


AIが出した文章に対して、遠慮する必要はありません。

「違う」
「主人公はそんな言い方をしない」
「話がきれいにまとまりすぎている」
「ここには救いを入れたくない」と、
普通に伝えて大丈夫です。

むしろ、その違和感の中に、
作者の好みがあります。

なぜ違うのかを考えると、
自分がこの物語で大事にしたいものも見えてきます。

ただし、「何となく違う」だけでは、
AIも修正する方向が分かりません。

もう少し暗くしたいのか。
静かにしたいのか。
説明を減らしたいのか。
主人公の怒りを強くしたいのか。

どこが違うのかを一つ加えるだけで、
修正しやすくなります。

全部を一度に直そうとすると、
何が良くなり、
何が悪くなったのか分からなくなります。

まずは、
良いところ、
薄く見えるところ、
自分の好みをもっと出せそうなところを分けてもらう。

その中から、次に直す場所を一つ決めます。

頼む時は、次のように伝えます。

この文章を見直してください。
良いところ、薄く見えるところ、作者の好みをもっと出せそうなところを分けてください。
全部を書き直さず、次に直すべき場所を一つ提案してください。

依頼例-4

ここから先は、文章を作るというより、
自分の小説として選び直す作業になります。


Step4では
お渡しするのは、専用GPTへのリンクではありません。
購入した方が、ご自身のChatGPTへ貼り付けて使うための文章です。

普段使っているChatGPTを小説作りの相棒に変えるための
「起動用プロンプト」と、
その使い方をお渡しします。
有料記事(現在100円)



ここで作るのは、完成品ではなく最初の足場


ChatGPTを使ったからといって、
ボタン一つで長編小説が完成するわけではありません。

自分の書きたい世界について話し、
必要な調査を整理し、
物語の芯を作り、
まずは短い冒頭へ落とし込む。

そこで出てきた文章を読み、
違和感を伝え、
自分の記憶や思い入れを足していく。

そうやって、
ひとりでは最初の一行で止まっていた状態から、
最初の一場面まで進みます。

使い方を簡単にまとめると、こうなります。

  1. ChatGPTに、本文を書く前の質問役を頼む

  2. 書きたい世界について、質問に答える

  3. 回答から「物語の芯」を3行にまとめてもらう

  4. 世界観、リサーチ、登場人物、プロットの必要な部分を整理する

  5. 冒頭を300字から1000字程度の見直せる長さで作る

  6. 薄く見える部分へ、作者の記憶や好み、感情を加える

  7. 違和感のある場所を、一つずつ直していく

難しい言葉を覚える必要はありません。

自分が何を書きたいのかを話し、
出てきたものを読み、
「ここは好き」
「ここは違う」
と返していけばいい。

その繰り返しによって、
AIが作った文章が、
少しずつ自分の作品へ近づいていきます。

今回紹介した方法は、
普通のChatGPTへ一つずつ頼めば、
すぐに試せます。

ただ、相談が長くなると、
AIが途中で質問する役割を忘れて本文を書き始めたり、
最初に決めた順番を飛ばしたり、
作者がまだ決めていない設定を勝手に補ったりすることがあります。

最後の有料記事でお渡しする「小説の相棒・起動用プロンプト」は、
この流れを一つにまとめるためのものです。

質問する。
回答を整理する。
物語の芯を作る。
必要な調査を分ける。
短い本文を作り、作者の判断を待つ。

その順番を最初にChatGPTへ伝え、
小説作りの相談相手として動いてもらいます。

でも、その前にもう一つ、
考えておかなければならないことがあります。

AIから文章が出てきた時、
何を見て「良い」と判断すればいいのか。
どこまで直せば完成なのか。
文章が読みやすければ、それでいいのか。

自分の好みを伝えることはできても、
判断するための物差しがなければ、
修正をいつまでも繰り返すことになります。

反対に、最初に出てきた「それらしい文章」を、
そのまま完成品だと思ってしまうかもしれません。

次のステップでは、
AIが作った文章のどこを見て、
何を残し、
何を直すのか。

自分の小説を自分で仕上げるための、
判断基準について考えていきます。

Step4 有料記事(現在100円)









          

                  





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