AIの初稿は早いのに、確認で仕事が終わらない。直し62件で決めた順番
AIの初稿を確認する順番を、私は決めていませんでした。
8月19日。このnoteの1本目の下書きを読みながら、私はその日だけで5回、直しを入れました。そのうちの一つがこれです。
「ここの内容あまりやっていない」
下書きには、私の朝の習慣が書いてありました。以前にメモした内容が、AIの手元に残っていたからです。書いてあることは嘘ではない。ただ、いまはやっていない。そういう直しでした。
そこから21日。私がAIの下書きに入れた直しは、9月8日までで62件になりました。初稿が早くなっても、確認の時間が減らなければ、仕事は早く終わりません。今日はその62件を数えて、確認の順番をどう決めたかを書きます。
はじめましての方向けに一行だけ。私はエンジニアではない会社員で、そのかたわら一人でデジタルマーケティングの事業を運営しています。AIで実務を仕組み化していく過程を、毎日実録で書いています。
直しは、AIにその場で台帳へ書かせています
先に、数え方を書いておきます。
私が下書きに入れた直しやコメントは、そのままにせず、AIにその場で一覧へ書き足させています。日付と、何を直したかと、それが「事実と違う」のか「わかりにくい」のか「なんとなく変」なのか。分け方はこの3つです。私が普段そう言っているので、その言葉のまま使っています。
8月24日に、それまでの分をまとめて書き出したのが最初でした。同じ型のミスが5回あった話は、以前の記事に書いています。
9月9日の朝、その一覧をAIに数えさせました。62件。事実と違うが11件、わかりにくいが28件、なんとなく変が4件。残り19件は、直しというより方針や運用への指示でした。
先に、都合の悪いほうを書いておきます。確認の回数は、減っていません。
減らないなら、順番を決めることにしました
ただ、日付で並べ直すと、中身は動いていました。
最初の6日間、8月19日から24日までの23件のうち、事実と違うは8件。その後の15日間は、39件のうち3件です。一方で、わかりにくいは減っていません。後半だけで18件あります。
順番を決めたから減った、とは言い切れません。同じ時期に記事の題材が古いメモからその週の出来事へ寄っていて、そのぶん現実とのズレが出にくくなった面もあると、私は見ています。
それでも、事実と違うが減って、わかりにくいが残るのは、私にとって都合のいい形です。わかりにくいは、あとから直せます。事実と違うは、出してしまうと取り消しがききません。
だから順番は、こう決めました。事実、守秘、表現。 この順で見て、最初の2つで止まったら、表現は見ません。
事実の確認は、3つの問いだけにしました
事実の確認で見るのは、次の3つです。
いまやっていないことを、やっていると書いていないか。62件の中でいちばん多い型です。以前作った仕組み、以前の習慣、設計しただけで動かしていないもの。私の手元では、メモに残っている限り、AIはそれを現在形で書いていました
解決していないことを、解決したと書いていないか。途中経過は途中経過のまま書く
数字は自分で出したものか。引用なら原文どおりか
この3つで止まる下書きは、表現を磨く前に戻します。逆に、ここを通った下書きは、表現の直しがいくら残っていても、出せる状態に近いと分かります。
守秘は、取引先や勤務先が特定できる情報が混ざっていないか、の1点だけです。表現は最後に見ます。
3つの問いは、AIに先に答えさせることもできます。私が使っているClaudeの提供元の公式ガイドには、ハルシネーション(もっともらしい誤り)を減らす方法として、主張ごとに根拠の引用を付けさせ、根拠が見つからなければその主張を取り下げさせる手順が載っています。原文は「If it can't find a quote, it must retract the claim」です(出典:Anthropic 公式ドキュメント「Reduce hallucinations」)。同じガイドは、これらの手法で誤りは大きく減るが完全にはなくならない、とも断っています。
人の確認は、なくなりません。順番を決めるのは、そのためです。
今日からできること
AIの初稿を受け取ったら、読む前に次の文を打ってください。
この初稿の中で、「私が実際にやっている」「実際に起きた」と読める箇所をすべて抜き出して、番号を付けてください。それぞれについて、私が渡した資料のどこが根拠かを添えてください。根拠が見つからないものは「未確認」と書いて本文から外し、外した場所に[ ]を残してください。表現の良し悪しは、この段階では直さないでください。
返ってきた一覧の「未確認」は、自分で答えます。やっていないなら削る。やっているなら一言足す。根拠がある箇所も、その根拠がいまも当てはまるかを見ます。メモは、書いた時点で止まっているからです。ここまでが事実の確認で、表現を見るのはそのあとです。
もうひとつ。自分が入れた直しを、一覧に残してみてください。分け方は「事実と違う」「わかりにくい」「なんとなく変」の3つで足ります。同じ型が2回出たら、それは次の初稿で先に確認する項目になります。私が使っているClaude Codeの公式ドキュメントも、前回と同じ修正や説明をまたチャットに打っているときが、記憶用のファイルに書き足す合図だとしています(出典:Claude Code 公式ドキュメント「Claude があなたのプロジェクトを記憶する方法」)。
まとめ
21日間でAIの下書きに入れた直しは62件。事実と違う11件、わかりにくい28件、なんとなく変4件
確認は減らない。減らないので、事実・守秘・表現の順に見る。前の2つで止まったら、表現は見ないことにした
事実の確認は3つの問い。いまやっていないことをやっていると書いていないか、解決していないことを解決したと書いていないか、数字は自分のものか
確認が終わらない日は、確認の量より、順番のほうを疑っています。
明日は、毎朝の数字集めをAIに頼まなくなった理由を書きます。
このnoteでは、エンジニアではない私が、一人のマーケ事業をAIで仕組み化していく過程を毎日実録で書いています。効率化しても忙しいのは確認と判断が残るからだ、という話も、気になった方は読んでもらえたら嬉しいです。
noteの記事制作で同じ考え方を試したい方向けに、下書き・本人確認・記録をまとめたキットを公開しています。今日書いた順番は、その中の「公開前チェック: 事実と守秘」という確認表そのままです。内容が合いそうなら、紹介記事も読んでもらえたら嬉しいです。
