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#002 なぜ、答えを急ぐほど本質から遠ざかるのか

同じものを見ていても、人によって見えているものが違うことがあります。

今回は、私たちが物事を見るときの「視点」について考えます。


会議も終盤に差しかかる頃。
議論は続いているものの、まだ結論は出ていない。

すると、誰かがこう言う。

「そろそろ結論を出しましょう。」

その一言で、空気が変わる。

それまで交わされていた疑問は脇に置かれ、「結局どうするのか」という話が始まる。

もちろん、会議には時間がある。

どこかで結論を出さなければ前には進めない。
だから、その判断自体は間違っていない。

ただ、その瞬間から、「考えること」より「決めること」が優先され始める。

なぜ、こうしたことが起きるのだろう。

私たちは、答えを出すことに価値を感じている。

仕事では、結論を出せる人が評価される。

判断が早い人ほど、仕事ができるようにも見える。

だから、答えが出ない時間には、どこか落ち着かなさを感じる。

「まだ決まらないのか。」

そんな空気が流れ始めると、人は自然と答えを探し始める。

しかし、答えを出す前に考えるべきことは、まだ残っている。

前提は合っているのか。
見落としている事実はないのか。
他に考えるべき選択肢はないのか。

本当に必要だったのは、その問いを重ねる時間なのではないだろうか。

仕事では、決断する力は欠かせない。

ただ、その前に忘れたくないことがある。

答えを出すことと、考え尽くすことは同じではない。

カメラも、シャッターを押せば写真は撮れる。

でも、ピントが合っていなければ、本当に写したかったものはぼやけてしまう。

少しずつピントを合わせることで、それまで見えていなかった輪郭が見えてくる。

思考も、それによく似ている。

答えを急ぐほど、考える時間は短くなる。

そして、その短くなった時間の中で見落としたものが、後になって大きな問題になることがある。

AIは、驚くほど速く答えを返してくれる。
検索すれば、情報はすぐに見つかる。

だからこそ、私たちは以前よりも「答えを待つ時間」が減った。
それは、とても便利なことだ。

でも、それはAIが悪いわけではない。
AIは、私たちが投げかけた問いに答えているだけだからだ。

答えを求めれば、答えを返してくれる。
問いを深めれば、その思考を広げる手助けもしてくれる。

AIは、答えを速くする存在でもある。
同時に、問いを深める相棒にもなれる。

だからAI時代に価値が高まるのは、早く答えを出せる人ではない。

問いを立て続けられる人なのだと思う。

何かを決めようとしているとき。

答えは、いつか必ず出さなければならない。

限られた時間の中で、決断しなければならない場面もある。

だからこそ、その前に一度だけ自分に問いかけてみてほしい。

「私は、自分なりに問い続けられただろうか。」

その問いが、見える景色を少しずつ変えていく。

答えを急がずに、問いを深める。

次に読むなら

答えを急がず、問いに立ち戻れたら。次は、なぜ同じ問題が何度も繰り返されるのか、その構造を見ていきます。

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仕事や組織、AI、これからのこと。
まだ言葉になっていない違和感でも構いません。


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