経験は、感性に属する直観と、完全に理解力の働きとしての判断で構成されている... しかし、感覚的な直観からのみ理解力が形成する判断は、経験の判断とは程遠い... 連載 超訳プロレゴメナ 325 本編 53
第21節
こうして、ア・プリオリな純粋な理解力の概念に基づく範囲で、経験の可能性を明らかにするには、下記が示されなければならない。
判断作用一般に属ずる理解力のさまざまな機能を完全な表にする。
これから先に意義があることは、以下を明らかにすることだ。
それは純粋理解の概念(理解を通して得られた概念)は、直観によって判断されたものが、結果として他のいくつかの契機と結びつくものとして明らかにすることなのだ。そこには概念が理解力を通した判断によって決定された一般的な直観の概念にすぎないということを、前もって知っていて可能になるものである。
その結果として客観的かつ妥当な経験的認識として、すべての経験の可能性に関するア・プリオリな原理が正確に決定されることに疑いもなくなった。なぜかと言えば、それらは、すべての(直観の特定の普遍的条件の下で)認識に関係する原則が、それらを理解する過程で得られた概念に含まれる命題だからだ。
判断の論理的表
1 量として
単称的
特称的
全称的
2 質として
無限的
否定的
肯定的
3 関係として
選言的
仮説的
定言的
4 様態として
当然的
断定的
蓋然的
理解力の前提としての先験的な表
1 量のうえから
単一性〔単位量〕
数多性〔分量〕
総体性〔全体〕
2 質のうえから
実在性
否定性
制限性
3 関係のうえから
実体
原因
相互性
4 様相のうえから
可能性
現実存在
必然性
自然科学の普遍的原則の純粋自然学的表
1 直観の公理
2 知覚の先取
3 経験の類推
4 経験的思考一般の要請
追記
この問題の全体を一つにまとめるためには、まず読者に、ぼくたちがここで議論しているのは経験の発生に関してではなく、経験の中にあるものについてであることを注意しなければならない。最初の経験の発生に関しては、経験心理学に関係したものだが、後者における認識の批判、特に理解力の批判に属するものを、取り上げなければ、その一つにまとめた結果は十分なものには、けっしてなり得ない。
経験は、感性に属する直観と、完全に理解力の働きとしての判断で構成されている。しかし、感覚的な直観からのみ理解力が形成する判断は、経験の判断とは程遠いものだ。なぜなら、一方の場合では、判断は感覚的な直観で与えられる認識のみを結びつけるのに対し、もう一方の場合では、判断は(主観的妥当性のみを有する)単なる認識が含むものではなく、経験一般を表現しなければならないからである。
したがって、経験の判断は、感覚的な直観と判断におけるその論理的つながりに(比較によって普遍化された後)、総合的な判断を必要なものとしている。つまりは普遍的に有効なものとして決定する何かを加えなければならないことになる。
これは、それ自体で決定される直観に関して、ひとつの形式としての表す概念であって、それ以外のものはあり得ない。すなわち、別の形式の判断ではなく、判断の所与の論理関数によってのみ表現できる直観の総合的統一の概念にほかならならない。
