横川駅(信越線)~軽井沢駅間の路線バスで交通系ICカードが使えるようになりました

以前、しなの鉄道で交通系ICカード(Suica)が使えるようになったことを取り上げたnoteで少し触れましたが、東日本旅客鉄道(JR東日本)の信越線のうち、「横川駅」(群馬県松井田町)から「軽井沢駅」(長野県軽井沢町)の1駅間は、北陸新幹線(当時の通称は「長野行新幹線」→「長野新幹線」)の高崎~軽井沢間の開業に伴い廃止されました。
この区間の代替公共交通手段として、JR東日本は子会社のジェイアールバス関東による路線バス「碓氷線(うすいせん)」を用意しました。その名の通り、この区間にまたがる碓氷峠(標高956m)を越えていくことが特徴で、両駅間を国道18号の「碓氷バイパス」経由で結んでいます(※1)。所要時間は34分程度です。
開業して今年(2026年)で29周年を迎える碓氷線、ついに“アレ”が使えるようになりました。
(※1) 行楽シーズンには、観光目的の国道18号の旧道(今でも国道指定あり)経由便が設定される(通称「めがねバス」 : 最大1日2往復)。なお、多客が見込まれる場合は、これを補完するための横川駅発「熊ノ平駐車場」(群馬県安中市)行きの「碓氷旧道シャトルバス」も数往復運行されることがある。
それは「KURURUエリア拡大」から始まった

“アレ”の話の前段として、長野県では、地域共通の交通系ICカードとして「KURURU(くるる)」というものがあります。
これは元々、長野市の「長野市公共交通活性化・再生協議会」が独自のICカード乗車券として2012年から発行を開始したもので、同市を中心とする長野地域を発着するアルピコ交通と長電バスの路線バスで利用できるようになりました。
その後、同協議会は2022年9月、JR東日本と共同でKURURUを「地域連携ICカード」に移行することを発表し、2025年2月1日に移行を実施しました。
・長野地域における「地域連携ICカード」を利用した IC 乗車サービスの提供について(JR東日本)
地域連携ICカードは、JR東日本の交通系ICカード「Suica」をベースに、地域ごとにカスタマイズされた独自サービス(アプリ)も搭載可能な交通系ICカードです。2021年に栃木県宇都宮市周辺において関東自動車が発行主体となる「totora(トトラ)」、岩手県盛岡市周辺において岩手県交通が発行主体となる「Iwate Green Pass」を皮切りに、2026年6月までにKURURUを含めて15種類が登場しています。
・地域連携ICカード(JR東日本)
で、KURURUの話に戻すと、従来はあくまでも“長野市”周辺の地域連携ICカードだったのですが、長野県が県全域で導入を推進することになり、この4月1日からカードの発行主体(運営者)を「長野県公共交通活性化協議会」に変更した上で、以下の地域の路線バスでも使えるようになりました。
佐久地区(ジェイアールバス関東の路線)
上田地区(ジェイアールバス関東の路線と長和町のオンデマンドバス)
松本地区(ぐるっとまつもとバスのうち、一般路線バス路線)
上記のうち、佐久地区の路線をもう少し詳しく見ると、以下の路線が対象となります。
碓氷線
高峰高原線
和田峠北線
長久保線
そうです。何と佐久地区でKURURUを利用できる路線バスに碓氷線が含まれたのです。
KURURUを導入することで「交通系ICカード」に対応

KURURUを含め、地域連携ICカードを導入した鉄道・バス事業者はJR東日本の「Suica」の導入事業者となります。東武鉄道の子会社である上毛電気鉄道(上毛電鉄)は、群馬県バス協会が発行する地域連携ICカード「nolbe」を導入することでSuica事業者となり、交通系ICカードへの対応を果たしました。
今回の碓氷線も同様のスキームで、運行を担当するジェイアールバス関東の小諸支店がKURURUを導入することでSuica事業者となり、交通系ICカードへの対応を果たしました。
碓氷線の運賃は横川駅~軽井沢駅間で520円です。乗車の際に「交通系ICカードで払います」と運転士さんに伝えてから交通系ICカードをカードリーダーにかざしてください。通常の路線バスと同様に、複数人の運賃をまとめて支払うこともできます(その際は大人・子どもそれぞれの人数も伝えてください)。
乗車履歴は「長野圏B」

で、碓氷線の交通系ICカード対応は、ジェイアールバス関東小諸支店がKURURUを導入したことに伴うものです。自社で直接Suicaを導入したわけではありません。
…ということが、実はカードの利用経歴から分かります。というのも、履歴に出てくるのが「長野圏B」と個社名ではないのです。恐らく、同時期にKURURUを導入した事業者も、同じ名前になっているものと思われます。
ということは、鉄道なのにバス扱いだけど、社名は出てくる上毛電鉄はまだマシだったってことですね…。
まとめ : 財布を忘れても横軽越え!!

ということで、万が一財布を忘れても、交通系ICカードさえあればバスで「横軽越え」ができるようになりました、という話でした。
今回はバスに乗車した後、しなの鉄道線で「小諸駅」(長野県小諸市)に向かい、駅周辺でいろいろやった後、有料座席指定制の「軽井沢リゾート号」に乗ってJR篠ノ井線を経由し、北しなの線の終点で、えちごトキめき鉄道の管理する「妙高高原駅」(新潟県妙高市)まで移動する芸をこなしました。Suicaを使って妙高高原駅に来れたのは、ちょっと感慨深いですね…。
皆さんも、交通系ICカードで横軽を越えてみてください!!
