朝ごはんに納豆をプラスしたら、昼前の空腹感がなくなった話
朝ごはんに納豆をプラスしただけで、昼前の空腹感がやわらいだことがあります。ご飯を増やしても余計にお腹が空いていた私が、納豆で腹持ちが変わった理由を、管理栄養士の視点でお話しします。
ご飯を増やしたのに、余計にお腹が空いてしまった
高校生のころ、朝食にはご飯とお味噌汁をしっかり食べてから学校に行っていました。でも、昼前にはもうお腹がグーグー鳴って、授業の内容なんて頭に入らなくて、「早く昼休みになってほしいー」とそればかり考えていました。お腹が鳴るのも恥ずかしくて、毎日それがしんどかったんです。「朝食の量が足りないのかな」と思って朝食のご飯を多く食べて学校へ行ったら、なぜか余計にお腹が空いてしまって、逆効果だったんです。
これはダメだと思いご飯を普通の量に戻して、納豆を1パック加えてみました。するとお昼休みまであの空腹の苦しさが減ったんです。当時は「朝食の量は同じなのに、なんで食べるものによってこんなにお腹の減り方が違うんだろう」とずっと不思議だったんですね。その答えが、管理栄養士になってからようやくわかりました。
なぜ納豆で腹持ちが変わるのか
ご飯だけをたくさん食べると、体の中で血糖値が急激に上がります。すると体は慌てて「インスリン」というホルモンを過剰に出して血糖値を下げようとします。その結果、今度は血糖値が必要以上に下がりすぎてしまい、体は「エネルギーが足りない!」と勘違いして、強い空腹感のサインを出してしまうんです。
食べれば食べるほど早くお腹が空くという、なんだか不思議な状態が起きていたわけです。
ここで効果があったのが納豆です。納豆のネバネバには水溶性食物繊維が含まれていて、ご飯と一緒に食べると小腸での糖の吸収をゆっくりにしてくれます※1。さらに発酵の過程でできる成分にも、糖が腸から吸収されるスピードを遅らせる働きがあるとされていて、ネバネバと合わせてダブルで血糖値の上がりすぎを抑えてくれるんです。血糖値がゆっくり上がるので、下がりすぎないため、お昼まで腹持ちする状態になるんです。私の高校生のころの体感は、栄養学を勉強してから「そういうことか」とつながって面白かったです。
腸と骨にも、じわじわ働いてくれる
ゆで大豆や蒸し大豆には「難消化性オリゴ糖」が含まれています。善玉菌のエサになる体に良い成分なのですが、小腸では消化されずに大腸まで届くため、胃腸が弱っているときはガスが溜まったりお腹が張ったりすることがあります。でも納豆になると、発酵の過程でこのオリゴ糖が一部分解されるので、胃腸への負担が軽くなります。さらに腸に届いた納豆菌が、ビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌が住みやすい環境を整えてくれるので、食べ続けることで腸内環境が整いやすくなるんです。
食事からとったカルシウムは、腸の中で他の成分とくっついて吸収されにくくなることがあります。でも、納豆のネバネバがカルシウムを包み込んで、吸収されやすい状態のまま小腸まで運んでくれます※2。さらに納豆に含まれるビタミンKが、そのカルシウムを骨に定着させる手助けをしてくれます。
ワルファリンを服用している方は納豆はNGですので気をつけてください。また、食べすぎは逆にお腹がゆるくなることがあるので、1日1パックを目安にしてくださいね。
納豆が苦手でない方は、食事に1パック加えてみて、その後のお腹の感じが変わるか観察してみてください。
参考文献
※1 Weickert MO, Pfeiffer AFH. (2018) "Impact of dietary fiber consumption on insulin resistance and the prevention of type 2 diabetes." J Nutr 148(1):7-12.
※2 Tanimoto H, et al. (2001) "Natto mucilage containing poly-γ-glutamic acid increases soluble calcium in the rat small intestine." Biosci Biotechnol Biochem 65(3):516-521.
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