昔は平気だったことが、なぜか今はしんどく感じる夜に|月綴堂 夜綴り
昔は…
こんなことで疲れなかったはずなのに
人と会うことも
少しくらい無理をすることも
忙しい日が続くことも
もっと平気だった気がする
誰かの言葉だって
今ほど気にしなかった
多少嫌なことがあっても
眠れば忘れていた
それなのに最近は
少し予定が続いただけで疲れたり
人の多い場所へ行くだけで億劫になったり
何気ないひと言が
いつまでも心に残ったりする
そんな自分に気づくと
「前はこんなんじゃなかったのに」
と、少し情けなくなる夜があります
けれど
昔できていたことが
今はしんどいからといって
あなたが昔より弱くなったとは限らないのです
もしかすると
あなたにとっての「心地よい」が、
あの頃とは変わっただけなのかもしれません
昔の自分は、とても強かったのでしょうか
昔の自分を思い出すとき
私たちは少しだけ
美しく思い出すことがあります
あの頃はもっと動けた
もっと人と会えた
もっと無理ができた
もっと何でも笑って流せた
けれど
本当に、何も感じていなかったのでしょうか
若さや勢いで
そのまま走り抜けていただけかもしれません
嫌だと思う暇もなく
疲れたと気づく前に次の日が来て
「こういうものだから」と
飲み込んでいたこともあったでしょう
今なら距離を置くような人とも付き合い
今なら断るようなことまで引き受け
本当は嫌だったことさえ
「まあ、いいか」
と済ませていたのかもしれません
それは確かに
ひとつの強さだったのでしょう
けれど
感じないことだけが、強さではないのです
経験が増えるほど、心は知ってゆくものです
人は長く生きるほど
いろいろなものを知ってゆきます
この人といると、なぜか疲れる
ここまで頑張ると、あとで動けなくなる
この言葉を飲み込み続けると
自分が苦しくなる
こういう場所では
心が落ち着かない
昔は分からなかったことを
今のあなたは知っている
それは弱くなったのではなく
自分の心の扱い方を
少しずつ覚えてきたということでもあるのです
熱いものに触れて火傷をした人が
次から少し慎重になるように
心にも、経験があります
一度傷ついたから気づけること
何度も無理をしたから分かること
失って初めて
大切だったと知るもの
そうしたものを抱えながら
今のあなたはここまで来ました
ならば
昔とまったく同じように生きられないのは
むしろ自然なことなのかもしれません
合わなくなったものを
無理に好きでいなくてもよいのです
昔は楽しかった場所が
今は少し騒がしく感じる
昔は気にならなかった付き合いが
今は少し疲れる
昔は好きだったことに
以前ほど心が動かなくなる
そんな変化があると
「つまらない人間になったのかな」
と、不安になることがあります
けれど
好きなものも
心地よい距離も
過ごしたい時間も
ずっと同じでなくてよいのですよ
季節が変われば
着るものが変わるように
心にも
その時々に似合うものがあります
昔のあなたに似合っていたものが
今のあなたには少し窮屈になった
ただ、それだけのこともあるのです
昔好きだったからといって
これからも好きでいなければならない理由はありません
昔できたからといって
これからも同じようにできなければならない理由もありません
人は変わります
そして
変わるということは
失うことばかりではないのです
「前の自分」ではなく「今の自分」に尋ねてみる
何かがしんどくなったとき
つい
「昔ならできたのに」
と考えてしまいます
けれど
その問いを少しだけ変えてみましょう
昔できたかどうかではなく
「今の私は、これを心地よいと思っているだろうか」
そう尋ねてみるのです
答えが「いいえ」なら
少し離れてもよい
回数を減らしてもよい
断ってもよい
別のやり方を探してもよい
昔の自分に戻ることだけが
正解ではありません
今のあなたには
今のあなたに合う生き方があります
それを探すことは
逃げることでも
諦めることでもないのです
月綴堂からひとこと🌙
昔は平気だったことが
今はしんどい
そんな夜には
昔の自分と今の自分を並べて
どちらが優れているかを決めなくてもよいのですよ
あの頃のあなたには
あの頃を生きるための強さがありました
そして今のあなたには
疲れたことに気づけること
嫌なものから少し離れられること
自分に合わなくなったものを見分けられること
そんな、昔とは違う強さがあります
人はずっと
同じ形のまま強くなるわけではありません
守れるものが増えたり
手放せるものが増えたりしながら
強さの形も、少しずつ変わってゆくのでしょう
ですから今夜
「昔はもっと平気だったのに」
と思ったなら
その続きを
「今の私は、何を心地よいと思うようになったのだろう」
に変えてみてください
昔のあなたへ戻らなくても大丈夫
今のあなたに似合う場所を
これから見つけてゆけばよいのです
今夜はただ
変わってきた自分を
静かに眺めるだけでもよいのです
🌙今夜、もう一つ月明かりを灯るなら…
「楽しみにしていた予定なのに、当日になると行きたくなくなるとき」|月綴堂 心読み
楽しみだったはずなのに、いざその日になると心や身体が重くなってしまうときに
「人と会ったあと、自分の振る舞いを何度も採点してしまうとき」|月綴堂 心読み
人と過ごしたあと、ひとりになってから自分の言葉や振る舞いを振り返りすぎてしまうときに
どうぞ、その先へ…🌙
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