制度は、静かに人を見守っている~ある社会人研修を担当して~
<あらすじ>
「制度は、静かに人を見守っている」 ──
そんな理想を込めて、このタイトルをつけました。
もちろん、すべての制度が常に人を見守っているとは限りません。ときに制度は、人を縛り、見落とし、傷つけてしまうこともあります。
それでも私は、本来、制度は人を支え守るものであってほしいと願っています。そして、こうした制度を司る人たち(研修生)と一緒に社会人研修を受講していて、彼らの静かな誇りと使命感を感じたのです。そんな思いから、この記事を書き起こしてみました。
・本文の骨子は、以下の4点です。
「緑の力で人々を守る──それは、静かな国防のかたち。」
制度を支える現場の誇りと、心のケアについて考えてみました。
「制度を守る人の心を、誰が守るのか。」
研修の現場で感じた、見えない支えの大切さを綴ります。
「記憶より記録を。誇りよりも、まず健やかさを。」
制度運用の現場で働く人たちに向けた、ささやかな提案です。
「“緑の国防軍”と呼びたくなるような仕事がある。」
制度と心を支える仕事の話、研修の現場から彼らへ敬意を表して。
◆ある専門研修にて
社会人対象のある専門研修を担当し、自然環境に関わる制度運用を担う方々とご一緒する機会がありました。
研修を終えた今、現場で働くこうした皆さんへの敬意とともに、制度の背景や日々の業務に活かせるヒントを共有したくこの記事を綴ります。
今回の研修では、制度の成り立ちや実務の知識だけでなく、制度を守り働く人の心のケアや、情報の活かし方について、研修担当としてお話しする機会となりました。その振り返りも兼ねて、3つのテーマで書き起こしてみます。
◆歴史が語る制度の重み──「緑の国防軍」という視点
今回の研修で扱った制度は、100年以上の歴史があります。戦中の混乱の時代にも守られ、時には強大な権力を握っていた陸軍の強い圧力に抗いながら、その理念を貫いてきたという逸話も残されています。
その制度は、自然を通じて人々の暮らしを守るもの。目立たないけれど、確実に命や財産を守る仕組みです。私はそれを通じ「緑の国防軍」と呼びたいと思ったのでした。
このように、鉄兜や銃ではなく、緑の力で人々を守る姿に、まさに“国防”の一翼を担っているのだと感じたのでした。
日々、制度運用に関する厳しい問い合わせやクレーム対応に追われることもあるかと思いますが、どうかその誇りを胸に、日々の業務に向き合っていただければと願っているのです。
きっと、制度を守る他の様々な仕事でも、彼らと同様に日々の対応に心をすり減らすことがあるのではないかと思いを馳せておりました。
◆制度を支える方々への心のケアと「ジャーナリング」のすすめ
制度を支える仕事は、時に心をすり減らすものです。人間は感情のある生き物ですから、モヤモヤや不安を抱えるのは自然なことです。
そんなときにおすすめしたいのが「ジャーナリング」という手法です。心理学者ジェームズ・ペネベイカー博士が提唱したもので、不安や感情を言葉にすることで、心の整理が進み、健康状態の改善にもつながるとされています。
今回の研修では、「お化け屋敷は先が見えないから怖い」という例えを用い、不安の正体に光を当てることの大切さを語ってくださった講師もいました。これはまさに「ジャーナリング」の実践です。
不安は消そうとするのではなく言語化して向き合う。そんな習慣が、制度を支える皆さんのメンタルを支えるテクニックになることを願っています。
◆社会人研修で習得する知識は、「記憶」ではなく「記録」するという発想
今回も研修で多くの資料が配布されました。これらのすべてを記憶するのは難しいですが、記録しておけば、必要なときに取り出せます。
まず紹介したのが「3行まとめ」の手法でした。講義内容や気づきを3行で整理することで、記憶の定着と情報の活用がぐっと楽になります。これは「ジャーナリング」にも活用できますし、業務の振り返りにも役立ちます。
次に、「記憶するより記録しよう」という投げかけを、研修の最後の時間にスライドを使って説明しました。この考え方は、以前、noteの記事でも掲載しました。記憶することに頼り結果的に脳疲労を起こしてしまうことなく、大量の情報を活かしていく方法の提案でした。
◆最後に──制度を通じ見えないところで人々を支え守る人たちへ
制度を支える皆さんの仕事は、表には出にくいかもしれません。
でも、確実に人々の暮らしを守っています。その誇りと責任を胸に、どうか健やかに、そして無理なく日々を過ごしていただきたいのです。
今回の研修では、こうした思いもしっかり伝えていくべき使命が社会人研修の実施機関にはあることを感じました。単に、科目ごとの技術や知見だけを伝える場ではないことを改めて強く感じた次第でした。
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📚参考文献・補足情報
◆ペネベイカー博士による「ジャーナリング」の研究
感情的な出来事を言語化することで、心身の健康が改善されるとする心理学的手法。就職率の向上や免疫機能の改善など、複数の実証研究が報告されている。
参考:James W. Pennebaker, Opening Up: The Healing Power of Expressing Emotions
◆東京大学によるレジリエンス・スキル・トレーニングの実践
社会人向け研修において、自己認識・自己調整・楽観性など6つのスキルを高めることで、メンタルヘルスの一次予防とワークパフォーマンス向上を目指す。
参考:東京大学大学院教育学研究科「レジリエンス・スキル・トレーニング」実践報告
◆「記憶より記録」の考え方
研修での情報活用において、記憶に頼るのではなく、記録を通じて思考を整理し、必要なときに取り出す発想。ジャーナリングや3行まとめの手法と親和性が高い。参考:『記憶より記録──情報活用の新しい視点』(note記事)https://note.com/yoitenki4110/n/na3372a5b635e?sub_rt=share_pw
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