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Claude DocsとDesignを会社で使う前に|既定の状態と監査ログの穴

    議事録、仕様書、手順書。
    作るたびに、文章を別のアプリに貼り直していないでしょうか。
    Claudeの中で文書がそのまま作れるようになった、という話です。

    貼った先で直すと、元の会話とずれていきます。
    どちらが最新か、分からなくなる。

    2026年9月16日に、Claudeの中へ3つの機能が入りました。
    文書を作る Claude Docs、スライドを作る Claude Slides、見た目のものを作る Claude Design です。

    この記事では、3つが何をする道具なのかと、会社として入れる前に決めることを扱います。

    先に、調べていていちばん意外だったことを3つ書いておきます。

    1つ目は、文書を消すと戻せないことです。
    ごみ箱がありません。

    2つ目は、デザインの機能に入口が2つあって、設定も別々だということです。
    片方を入れても、もう片方は入りません。

    3つ目は、記録に穴が2つあることです。
    単独の画面で作ったデザインは、まだ監査ログに載りません。

    なお、同じ日に、短く聞く画面とCoworkの画面が1つの会話になっています。
    その移行と、持ち物がどこへ行ったかは、別の記事で扱っています。
    https://note.com/yunta_fukurou/n/n1e015de33993

    この記事は、Anthropicのヘルプセンターの記述をもとにしています。2026年9月18日にブラウザで開いて、書かれている内容を1つずつ確かめました。開いたページのURLは記事の末尾に置いてあります。いずれも英語のページで、同じ内容の日本語のページは、確認した時点では見つかりませんでした。


    Claude Docs は、会話の中で文書ができる

    どのプランで使えるか

    まず前提です。
    公式は、Claude Docs は試験提供で、個人向けの2つのプランと、チーム向け、企業向けのプランで使えると説明しています。
    無料プランでは使えません。

    既定の状態も、プランごとに書き分けられています。
    個人向けとチーム向けのプランでは最初から入っていて、設定の「Capabilities」から切れます。
    企業向けプランでは最初は切れていて、所有者が組織の設定の「Artifacts」から入れる形です。

    ここが問い合わせの形を決めます。
    企業向けプランの会社には「使えない」という連絡が来ますが、それは不具合ではなく、まだ入れていないだけです。
    逆にチーム向けプランの会社では、誰も判断していないのに使える状態になっています。

    使えない組織がある

    条件も書かれています。
    公式は、独自の暗号鍵を使う組織、データを残さない設定の組織、医療情報向けの構成の組織では、まだ使えないと説明しています。

    自社がこれに当たるかどうかは、契約の形を管理者に確かめることになります。
    当たっていれば、以下の検討はそもそも不要になります。


    誰が直したかが、残る

    この機能の特徴は、文書を人とAIが同時に触れることです。
    公式は、どの変更も、それを行った人の名前で記録されると説明しています。
    行ったのが人であってもAIであっても、同じ扱いです。

    AIが動くのは、署名して入っている人が頼んだときだけで、その人に許されていないことはできない、という形になっています。
    閲覧しかできない人のために書き換えることはできません。

    ここは会社で使うときに効きます。
    「AIが勝手に直した」という話が出たとき、誰の依頼で動いたかがたどれます。

    コメントだけの権限が、まだ無い

    権限の設計に効く記述があります。
    公式は、コメントだけができる権限は、まだ用意していないと説明しています。

    見るだけか、直せるかの二択です。
    回覧して意見だけもらう、という形を作れません。

    紙の回覧に赤ペンを入れる運用をそのまま移すと、直す権限まで配ることになります。
    意見をもらいたいだけの相手には、書き出したものを送るほうが安全です。


    図表は自動で更新されない。版も戻せない

    文書の中に図や表を入れられますが、注意が1つあります。
    公式は、図や表は自分では更新されないと説明しています。
    つないだ外部サービス、たとえば顧客管理の仕組みや表計算から取ってきたデータであっても同じです。

    最新にしたいときは、取り直すよう頼む形になります。
    表計算の参照を貼るのとは違う、ということです。

    月次の資料を作って、翌月に数字だけ差し替わることを期待すると、古い数字のまま配ることになります。
    毎月出す資料なら、作り直す手順のほうを決めておくところです。

    版についても書かれています。
    公式は、前の版に戻す機能は、まだ無いと説明しています。

    消したり書き換えたりした文章は、その場では取り返せません。
    大きく作り替える前に、書き出して1本控えておくことになります。


    消すと、戻せない

    運用として、いちばん危ないところです。
    公式は、文書を消すと元に戻せないと説明しています。
    ごみ箱は無く、消した時点で、共有していた相手からも見えなくなります。

    名前を変えたり消したりできるのは、作った本人だけとされています。
    退職や異動の順番に、そのまま効いてくるところです。

    共有の範囲も、プランで違います。
    チーム向けと企業向けのプランでは、特定の人やグループを招くか、組織の全員に共有するかで、組織の外には共有できないとされています。
    個人向けのプランでは、リンクを持っている人と共有できますが、開くには相手にもClaudeのアカウントが要ります。

    取引先に渡す資料をここで作るなら、書き出してから渡すことになります。
    書き出せる形式は、Word、PDF、Markdown、Googleドキュメントの4つです。

    スマートフォンの扱いも書かれています。
    公式は、スマートフォンのアプリでは文書を見ることはできるが、雛形から作り始めたり、直したり、共有の設定を変えたりはできないと説明しています。

    外出先で直せる前提で回覧の締切を引くと、そこで止まります。


    スライドと Claude Design は、別の道具である

    スライドは、同じ会話の中から組み立てられる

    1つ目はスライドです。
    公式は、手元のメモや報告書、あるいはその会話の中ですでに作ったものから組み立てるものだと説明しています。
    各ページを直接直せて、その場で発表でき、PowerPointとPDFに書き出せます。

    会話の中ですでに作ったものから、という部分が効きます。
    報告書を書かせた同じ会話で「これを5枚にして」と頼めば、元の資料と数字がそろいます。

    別のアプリに貼り直してから作ると、そこがずれます。
    数字の出どころを一本にしたいなら、同じ会話の中で続けることになります。

    デザインの側は、別の道具になっている

    2つ目は、見た目のものを作る道具です。
    公式は、Claude Design を、デザイン、動く試作の画面、1枚もの、そのほかの見た目の仕事を会話で作るものだと説明しています。

    そして、同じ案内の冒頭に、はっきり書かれています。
    プレゼンを作るなら Claude Slides のほうを使うこと、とあります。

    道具が分かれている、ということです。
    この使い分けを知らないと、片方でスライドを作ろうとして遠回りします。

    社内で配る案内にも、この1行は入れておくとよいところです。


    会社の見た目は持ち込める。ただし元の質がそのまま出る

    デザインの側には、会社の色や書体、部品をまとめたもの(デザインシステム)を持ち込む仕組みがあります。
    公式は、新しく作るときは組織のものを自動で引き継ぐと説明しています。
    使う人が毎回ブランドの素材を上げ直す必要はない、という形です。

    ただし、持ち込むものの質がそのまま出る、とも書かれています。
    公式は、取り込みの出来は元のデータ次第で、散らかった元データや欠けたファイルは、そのまま出力に出ると説明しています。

    管理者向けの案内には、順番についての助言もあります。
    デザインシステムを整える前に広く開けてしまうと、動くけれども自社らしくない出力になる、という趣旨です。

    社内の雛形が何世代も分かれている会社では、ここが先の仕事になります。
    どれを正にするかを決めてから開ける、という順番です。

    書き出しの形は多めです。
    zip、PDF、PPTX、標準的なHTML、そしてGoogleスライドが挙げられています。

    ただしGoogleスライドへの書き出しは、単独版の画面でだけ使えるとされています。
    実務としては、PPTXとPDFが出せることを押さえておけば足ります。


    Claude Design の入口は2つある

    片方を入れても、もう片方は入らない

    管理者向けの案内に、はっきり書かれています。
    公式は、Claude Design を使える場所は2か所あり、それぞれに別の設定があると説明しています。
    片方を入れても、もう片方は入りません。

    場所も分かれています。
    会話の中のほうは、組織の設定の「Artifacts」の項目から。

    単独の画面のほうは、組織の設定の「Capabilities」の項目からです。
    切ったつもりの確認は、両方でやることになります。

    反映に時間差がある

    公式は、権限の変更が反映されるまで最大15分かかることがあり、利用者は画面を読み直す必要がある場合があると説明しています。

    切ったのに使えている、という報告が来たら、まずここを疑うところです。
    15分待って、画面を開き直してから、もう一度見ます。

    企業向けプランでは、部署ごとに開けることもできるとされています。
    全社に一度に開けない、という選択肢があるということです。

    数字は、単独版しか出ない

    使用状況についても、注意が書かれています。
    公式は、管理画面に出る数字は単独版の画面のぶんだけで、会話の中や成果物の棚で作ったデザインは含まれないと説明しています。

    使われているかどうかを、この画面だけで判断すると読み違えます。
    広めるかどうかを数字で決めるなら、この穴を勘定に入れることになります。


    記録には、穴が2つある

    監査の話です。
    ここは知らないと説明がつかなくなります。

    公式は、単独の画面の Claude Design は、まだ監査ログに対応していないと説明しています。
    会話の中と成果物の棚で作ったデザインは、ほかの成果物と同じく、成果物の単位で記録されます。

    文書の側にも、同じ形の穴があります。
    公式は、文書の中で行われた編集やコメントは、まだ記録の仕組みに載らないと説明しています。

    そもそも監査ログは「何が起きたか」の記録であって、「何を書いたか」の記録ではありません。
    今回はさらに手前で、そもそも載らない経路がある、という話です。

    つまり「記録を取っているから大丈夫」とは言えません。
    何が記録され、何が記録されないかで、使ってよい範囲が変わります。

    記録が要る仕事は、載る経路だけで流すことになります。
    記録と権限の設計そのものは、別の記事でまとめています。
    https://note.com/yunta_fukurou/n/n978314daa5f4


    データの扱いで確かめる3つ

    管理者向けの案内には、データについての記述もまとまっています。

    上げた素材は残ります。
    公式は、上げた素材は保存され続け、ほかの企業向け製品と同じ保存と削除の方針に従うと説明しています。

    保管の場所については、書かれ方が違います。
    公式は、データを置く国や地域を指定する要件には、いまは対応していないと説明しています。

    そして、使えない構成があります。
    公式は、会話の中と成果物の棚の Claude Design は、独自の暗号鍵、データを残さない設定、医療情報向けの構成を使う組織では、まだ使えないと説明しています。
    文書の側にも同じ記述があります。

    この3つは、契約の形が特殊な会社ほど先に当たるところです。
    情報の置き場所を契約で縛っている会社は、ここで止まります。


    使う量は、ふだんの会話と同じ枠から減る

    費用の話です。
    ここは設計が変わっています。

    公式は、Claude Design の利用は、ほかのClaudeの利用と同じ枠から減ると説明しています。
    以前は独自の週ごとの枠がありましたが、いまは全部まとめた枠から減る、と変更の経緯まで書かれています。

    文書の側にも、同じ記述があります。
    Claude Docs も、ほかの作業と同じく、契約している枠から減ります。

    統合前の感覚で「資料作りは別枠だから」と考えていると、ふだんの会話が止まります。
    止まったときの挙動も書かれていて、上限に達すると、枠が戻るまで使えなくなるとされています。

    同じ枠を分け合うので、どのモデルでどれだけ考えさせるかの選び方も効いてきます。
    そちらは別の記事でまとめています。
    https://note.com/yunta_fukurou/n/n8db05af9df9a


    まだ弱いところ

    試験提供なので、できないことも公表されています。

    デザインの側の版については、公式は、まだ版の履歴が無いと説明しています。
    同時編集については、2人以上が同じデザインを同時に触るのは、まだ簡素な作りで、確実には動かないことがあると説明しています。

    文書の側は同時編集が売りでしたが、デザインの側は違います。
    同じ会社の中でも、機能ごとに成熟度が違う。

    ここは分けて理解しておくところです。
    そして、文書の側にも版の履歴がありません。

    3つとも試験提供です。
    できることの一覧よりも、できないことの一覧のほうを先に配ったほうが、問い合わせが減ります。


    会社として決める5つ

    1. 3つの機能を入れるかどうかを、自分の意思で決める。企業向けプランは切れた状態から始まり、個人向けとチーム向けは入った状態から始まる

    2. デザインの機能は入口が2つあり、設定も別々である。切ったつもりの確認は、両方でやる

    3. 記録の範囲を確かめる。単独の画面のデザインは監査ログに載らず、文書の中の編集やコメントも記録されない。記録が要る仕事を、載らない経路で流さない

    4. データの条件を確かめる。上げた素材は残る。置く場所の指定には対応していない。契約の形によっては、そもそも使えない

    5. 使う量は、ふだんの会話と同じ枠から減る。別枠ではない

    このうち2番目と3番目は、入れる前に決めるものです。
    入れたあとで気づくと、すでに流れた仕事を追いかけることになります。


    まとめ

    • Claude Docs は試験提供で、有料のプラン向けである。無料プランでは使えない

    • 個人向けとチーム向けのプランは既定で入っていて、企業向けプランは所有者が入れるまで切れている

    • 独自の暗号鍵、データを残さない設定、医療情報向けの構成を使っている組織では、まだ使えない

    • どの変更が誰のものかが残る。人でもAIでも同じ扱いである

    • 見るだけか直せるかの二択で、コメントだけの権限はまだ無い

    • 文書の中の図や表は、つないだ外部サービスのデータであっても自動では更新されない

    • 前の版に戻す機能は、文書の側にもデザインの側にも、まだ無い

    • 文書を消すと元に戻せない。ごみ箱がなく、共有した相手からも見えなくなる

    • チーム向けと企業向けのプランでは、組織の外に文書を共有できない。外に出すなら書き出す

    • スライドを作る道具と、見た目のものを作る道具は別である。プレゼンはスライドのほうを使うよう明示されている

    • デザインの側には会社の色や書体を持ち込めるが、持ち込む元データの質がそのまま出力に出る

    • Claude Design には入口が2つあり、設定も別々である。片方を入れても、もう片方は入らない

    • 設定の反映に最大15分かかることがあり、画面の読み直しが要る場合がある

    • 単独の画面で作ったデザインは、まだ監査ログに載らない。文書の中の編集やコメントも記録されない

    • 上げた素材は残る。データを置く場所の指定には、いまは対応していない

    • 使う量は、ふだんの会話と同じ枠から減る。以前あった独自の週ごとの枠は無くなった

    皆さんの会社では、この5つのうち、いくつに答えが出ているでしょうか。


    参考・引用元

    一次資料(2026年9月18日にブラウザで開いて確認)

    いずれも英語のページです。
    同じ内容の日本語のページは、確認した時点では見つかりませんでした。

    本文は、英語の原文を訳して並べたものではありません。
    書かれている内容を読んだうえで、日本語で書き直しています。
    原文の言い回しを確かめたい方は、上のページを開いてください。


    実務で使う書式について

    この連載の内容を、社内でそのまま使える書式にまとめたものを、別のマガジンで公開しています。規程のひな形、対応フロー、チェックシート、報告書式などです。

    実務で使う書式・キット
    https://note.com/yunta_fukurou/m/mfc25857fab40


    関連する記事

    記録の範囲と、人が承認する場所の設計は、別の記事で扱っています。
    権限とログと、人の承認の置き方をまとめています。
    https://note.com/yunta_fukurou/n/n978314daa5f4

    モデルと考える深さの選び方は、こちらで扱っています。
    同じ枠を分け合うので、迷ったときの既定をまとめています。
    https://note.com/yunta_fukurou/n/n8db05af9df9a

    道具そのものの切り分けは、別の記事で扱っています。
    リポジトリを触るのかフォルダを触るのか、という分かれ目をまとめています。
    https://note.com/yunta_fukurou/n/n34dd5837f66f

    社外に資料を渡すときの見え方は、こちらで扱っています。
    書体がファイルの中に入っているかどうかで変わる理由をまとめています。
    https://note.com/yunta_fukurou/n/na513f7a363b8

    AIに作らせたものを仕事に使ってよいかは、別の記事で扱っています。
    規約が条件を置いている4か所と、手順書の書き方をまとめています。
    https://note.com/yunta_fukurou/n/n854a940f14f6

    チャットとCoworkが1つになった件そのものは、別の記事で扱っています。
    戻せない移行と、場所が変わった設定をまとめています。
    https://note.com/yunta_fukurou/n/n1e015de33993

     
     
    Digital Workplace Architect|社内外のIT・AIの導入と運用 IT・AI・セキュリティと周辺機器の「今さら聞けない」を一次情報で解説。書式・キットも。 Amazonのアソシエイトとして、梟 〜GLEANINGS〜は適格販売により収入を得ています。

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