
USBメモリが空いているのに入らない|4GiBの上限と、共有で弾かれる文字
64GBのUSBメモリです。
中身はほとんど空です。
5GBの動画をコピーしようとすると、断られます。
「ファイルが大きすぎます」。
容量は足りています。
壊れてもいません。
USBメモリに入るかどうかを決めているのは、容量ではありません。
その中の記録方式です。
同じことが、共有フォルダでも起きます。
ファイル名を少し変えただけで、同期が止まります。
この記事では、USBメモリの上限と、共有フォルダで弾かれる名前について、マイクロソフトが日本語で公開している資料から並べます。
この記事は、マイクロソフトが日本語で公開している資料をもとに、2026年9月時点の内容にしています。仕様と上限は改訂されます。お使いの環境の表示とあわせて確認してください。
USBメモリの上限は、容量ではなく記録方式が決めている
入れ物の中に、もう1つ決まりがある
USBメモリやSDカードは、買ってきた時点で記録方式が決まっています。
ファイルシステムと呼ばれます。
棚に例えるなら、棚の大きさが容量で、棚の仕切り方がファイルシステムです。
マイクロソフトは、4つの主要なWindowsファイルシステムとして、NTFS、exFAT、UDF、FAT32を挙げ、比較表を公開しています。
1つだけ、桁が違う
その表に「最大ファイル サイズ」という行があります。
NTFS 2^64–1 バイト
exFAT 2^64–1 バイト
UDF 2^64–1 バイト
FAT32 4 GiB
3つは事実上、上限が無いに等しい数字です。
FAT32だけが4 GiBです。
4 GiBは、およそ4.29ギガバイトです。
冒頭の5GBの動画は、ここに引っかかっています。
上限がかかるのは、1つの大きさである
ここを取り違えると、原因を探す場所がずれます。
上限は、1つのファイルの大きさにかかります。
4 GiB未満のファイルなら、何百個入れても容量の限り入ります。
空き容量と、1ファイルの上限は、別の話です。
なぜ古い方式が残っているのか
FAT32は古い方式です。
それでも、いま買ってきたUSBメモリがFAT32のことは珍しくありません。
理由は、どの機器でも読めるからです。
パソコンだけでなく、テレビ、カーナビ、複合機、測定器、古い制御装置。
相手を選ばない形式として、工場出荷時に選ばれています。
欠陥ではなく仕様です。
困るのは、大きなファイルを1つ渡そうとしたときだけです。
裏を返せば、相手が機械であるうちは、古い形式のままのほうが通ります。
測定器や複合機に挿す1本を置いておくなら、USB-Aの標準的なもので足ります。
PR
持ち出す媒体の側に決まりがある、という形は、カメラのカードでも同じです。
箱の最大速度ではなくマークの数字を見る理由と、その読み方をこちらで扱っています。
https://note.com/yunta_fukurou/n/n7d5faa7c6ff9
同じ表に、名前と大文字小文字の行もある
名前の長さは、方式で違う
同じ比較表に「ファイル名の最大長」があります。
NTFS 255 Unicode 文字
exFAT 255 Unicode 文字
UDF 127 Unicode または 254 文字の ASCII 文字
FAT32 255 Unicode 文字
UDFだけが短くなっています。
日本語のファイル名を長く付ける会社では、ここに当たることがあります。
案件名と日付と担当者名と版数を全部入れると、意外に届きます。
パスの長さは、4つとも同じ
その上の行が「パス名の最大長」です。
4つとも「各パス コンポーネントで 32,760 文字の Unicode 文字が 255 文字以下」とされています。
フォルダを深く掘ってから名前を付けると、ファイル名は短くても合計で引っかかります。
大文字と小文字が、別物になるかどうか
もう1つ、渡した先で効いてくる行があります。
「大文字と小文字が区別されます」です。
NTFS はい(オプション)
exFAT いいえ
UDF はい
FAT32 いいえ
区別する方式では、見積書.xlsx と 見積書.XLSX が別のファイルになります。
区別しない方式では、同じファイルとして扱われ、片方が上書きされます。
同じフォルダを別の方式へコピーしたときに、数が合わない。
この行が理由になっていることがあります。
何をするか
手順は3つです。
いま使っているUSBメモリの方式を見る。Windowsなら、そのドライブを右クリックしてプロパティを開く。ファイルシステムの欄に出ている
4 GiBを超えるものは分割する。圧縮ソフトの分割機能で複数に分け、相手側でまとめて展開してもらう
方式を変えるのは、挿す先を確かめてから。exFATにすれば上限はほぼ無くなるが、つなぐ機器が対応しているとは限らない
方式を変える操作は、中身が消えます。
入っているデータを別の場所に退避してから行うことになります。
社内で使い回しているメモリなら、勝手に変えないほうが安全です。
そもそも、USBメモリで渡すのか
上限に当たったときに、いちばん効く問い
4 GiBを超えるファイルを社外に渡す場面は、動画か、図面か、データの書き出しが多いはずです。
どれも、メモリを手渡しする以外の方法があります。
社内であれば共有のストレージ、社外であればファイル転送のサービスです。
USBメモリが向いているのは、通信の使えない場所と、相手が機器である場合です。
人のパソコンに渡すためだけに使っているなら、上限の話ごと無くせます。
どうしても渡すなら、先に1つ聞く
「挿す先はパソコンですか、それとも機械ですか」。
この一言で、方式も分割の要否も決まります。
機械なら、その取扱説明書に対応する方式が書かれています。
置き場を手元に作る場合の考え方は、別の記事で扱っています。
クラウドとの違いと、総額がHDDで決まる理由をまとめています。
https://note.com/yunta_fukurou/n/n52ad8513a230
共有フォルダのファイル名には、使えない文字と使えない名前がある
9つの文字が決まっている
ここからは、渡す先がクラウドの場合です。
見積書のファイル名に案件名を足したら、同期が止まった。
中身は何も変えていない、という状態です。
マイクロソフトは、OneDriveとSharePointで使えない文字を挙げています。
自宅用 OneDrive または職場用または学校用 OneDrive のファイル名およびフォルダー名に使用できない文字
続けて並んでいるのは、ダブルクォーテーション、アスタリスク、コロン、小なり、大なり、疑問符、スラッシュ、円記号、縦棒の9つです。
理由も書かれています。
これらの文字は、OneDrive、SharePoint、Windows、macOSのファイル名で使われると特別な意味を持つ、と説明されています。
例として挙げられているのは、何にでも一致する記号と、パスの区切りに使う記号です。
区切りに使う文字を名前の中に入れると、区切りなのか名前の一部なのか判断できなくなる、ということです。
案件名に「A社/B工場」と書いた瞬間に、ここに当たります。
目に見えないものが1つある
注記に、こう書かれています。
ファイル名またはフォルダー名の先頭および末尾のスペースも使用できません。
名前をコピーして貼ったときに、末尾のスペースが付いてくることがあります。
画面では気づけません。
名前そのものが禁じられているものがある
文字だけではありません。
以下の名前は、ファイルまたはフォルダーには使用できません: .lock、CON、PRN、AUX、NUL、COM0 - COM9、LPT0 - LPT9、_vti_、 desktop.ini、~$ で始まるファイル名。
CON、PRN、AUX、NUL、COM、LPTは、古くから機器を指す名前として予約されているものです。
ふだんは当たりません。
実務で当たるのは、最後の「~$ で始まるファイル名」です。
Officeのファイルを開いている最中に作られる一時ファイルが、この形をしています。
フォルダごとコピーしたときに紛れ込むと、そこで止まります。
そして、注記が付いています。
_vti_ は、ファイル名の任意の場所に使用できません。
先頭だけでなく、途中に入っていても駄目だということです。
会社ごとに、さらに条件が付く
シャープとパーセント
共通の決まりのほかに、組織ごとの条件があります。
一部の組織では、名前に # および % はまだサポートされていません。
自分の会社では通るのに、取引先の環境では止まる。
これが起こります。
保存画面からだけ、保存できない
Officeを使う会社に効く記述が、もう1つあります。
Office デスクトップ win32 アプリの場合: Backstage ビューを使用して Office ファイルを OneDrive または SharePoint フォルダーに保存する場合、フォルダー名に ; (セミコロン) が含まれている場合は、ファイルを保存できません。
ファイル名ではなく、フォルダー名です。
しかも、ExcelやWordの保存画面から保存したときだけです。
エクスプローラーで動かせば通るのに、アプリから保存できない。
原因がいちばん見えにくい種類のものです。
自分の画面では異常が出ない、という形は、渡すファイルの中身の側でも同じです。
PDFの書体が相手の環境で置き換わる仕組みと、渡す前に開く画面を別の記事で扱っています。
https://note.com/yunta_fukurou/n/na513f7a363b8
古いOfficeについても、1行あります。
Office 2010 を使用している場合は、ファイル名とフォルダー名に「&」を使用できません。
数にも上限がある
名前の話に続いて、量の話です。
アップロードとダウンロードのサイズは、同期でも個々のファイルでもzip内のファイルでも、最大250GBとされています。
数のほうは、こうです。
最適なパフォーマンスを実現するために、クラウド ストレージ全体で合計 300,000 個以下のアイテムを同期することをお勧めします。
ただし、この数字は動いています。
同じページの最新情報に、2026年4月22日の日付でこう書かれています。
最大 1,000,000 個のアイテムを同期するためのロールアウトを開始しました。
こちらはWindowsのパブリックプレビューで、要件が示されています。
Windows 11またはWindows Server 2022、最小16GBのメモリ、SSD、対応するプロセッサ、そしてInsiderプログラムの有効化です。
要件を満たさない機械は、300,000の制限のまま動き続ける、とも書かれています。
当面は300,000を目安に置くことになります。
共有のほうにも上限がある
フォルダーを共有する場合、そのフォルダーとそのサブフォルダーに含まれるサブアイテムの合計数は 50,000 に制限されます。
古い案件のフォルダを丸ごと共有しようとして、いつまでも終わらない。
ここに当たることがあります。
同期が止まっているのか、そもそも中身がそこに無いのか。
この見分け方は、別の記事で扱っています。
https://note.com/yunta_fukurou/n/n42a8fbd13b62
持ち帰るのは、1枚の紙である
USBメモリと共有フォルダで、止まる理由は違います。
ただ、形は同じでした。
自分の画面では異常が出ません。
相手から連絡が来て、初めて分かります。
確認する場所も、それぞれ決まっています。
USBメモリ ドライブのプロパティにある、ファイルシステムの欄
共有フォルダ 使えない9つの文字と、使えない名前の一覧
実務として持ち帰るなら、これだけです。
社外に出すファイルの種類ごとに、確認する場所を1行ずつ書いた紙を作る。
新しい担当者が入ったとき、その紙があるかないかで、事故の数が変わります。
まとめ
USBメモリに大きなファイルが入らない原因は、容量ではなくファイルシステムの上限であることがある
比較表では、最大ファイルサイズはNTFS、exFAT、UDFがいずれも2^64–1バイト、FAT32が4 GiBと示されている
上限がかかるのは1つのファイルの大きさである。小さいファイルなら、数は容量の限り入る
ファイル名の最大長も方式で違い、NTFS、exFAT、FAT32が255 Unicode文字、UDFが127 Unicodeまたは254文字のASCII文字とされている
大文字と小文字を区別するかどうかも方式で違う。区別しない方式では、名前の違いが大小だけのファイルは同じものとして扱われる
確認は、ドライブのプロパティのファイルシステム欄である。方式を変える操作は中身が消える
OneDriveとSharePointには使えない文字が9つある。ダブルクォーテーション、アスタリスク、コロン、小なり、大なり、疑問符、スラッシュ、円記号、縦棒である
先頭と末尾のスペースも使えない
名前そのものにも制限があり、.lock、CON、PRN、AUX、NUL、COM0からCOM9、LPT0からLPT9、_vti_、desktop.ini、~$ で始まる名前が挙げられている。_vti_ は名前のどこに入っていても使えない
組織によっては # と % がまだサポートされていない場合があり、Officeの保存画面ではフォルダー名にセミコロンが含まれていると保存できないとされている
同期するアイテムは全体で300,000個以下が推奨されている。2026年4月22日から1,000,000個へのロールアウトが始まっているが、要件を満たす機械に限られる
共有するフォルダのサブアイテムは合計50,000が上限とされている
皆さんの会社で使い回しているUSBメモリは、どの方式でしょうか。
ファイル名の付け方に、スラッシュは入っていないでしょうか。
参考・引用元
USBメモリとファイルシステム
マイクロソフト「ファイル システムの機能の比較」(Microsoft Learn、Win32 apps、最終更新2025年3月13日) https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/win32/fileio/filesystem-functionality-comparison
共有フォルダのファイル名
マイクロソフト「OneDrive と SharePoint の制限事項と制約事項」(Microsoft サポート、2026年9月時点。記事内に2026年4月22日および2025年1月28日の更新の記載あり) https://support.microsoft.com/ja-jp/office/64883a5d-228e-48f5-b3d2-eb39e07630fa
実務で使う書式について
この連載の内容を、社内でそのまま使える書式にまとめたものを、別のマガジンで公開しています。規程のひな形、対応フロー、チェックシート、報告書式などです。
実務で使う書式・キット
https://note.com/yunta_fukurou/m/mfc25857fab40
関連する記事
持ち出す媒体の側の決まりは、別の記事で扱っています。
SDカードのマークが何を保証している数字なのかと、その読み方をまとめています。
https://note.com/yunta_fukurou/n/n7d5faa7c6ff9
同期が止まっているのか、中身がそこに無いのかは、こちらで扱っています。
自分の画面だけでは分からない4つの落とし穴をまとめています。
https://note.com/yunta_fukurou/n/n42a8fbd13b62
置き場を手元に作る場合は、別の記事で扱っています。
クラウドとの違いと、総額がHDDで決まる理由をまとめています。
https://note.com/yunta_fukurou/n/n52ad8513a230
誰がその共有フォルダを開けるかは、別の記事で扱っています。
共有リンクは転送できることと、退職者のIDが残ることをまとめています。
https://note.com/yunta_fukurou/n/n88b3e264756d
ファイルの中身の側で起きる事故は、別の記事で扱っています。
PDFの書体とスライドの動画が、中に入っているか外を指しているかの見分け方をまとめています。
https://note.com/yunta_fukurou/n/na513f7a363b8
共有フォルダへ無線で送ると遅い場合は、別の記事で扱っています。
幅を広げると遅くなる理由と、置き場を増やすときの配線の条件をまとめています。
https://note.com/yunta_fukurou/n/n3967e07d8e1a