「IPPOの一曲即発〜あのころのワタシ〜」 #05 ファンタシースターⅢ ~前編~
セガの家庭用ゲーム機初期の風景を回顧する連載5回目です!
マスターシステム版「イース」の移植や、海外マスターシステム作品、メガドライブ時代には「時の継承者 ファンタシースターIII」「ファンタシースター ~千年紀の終りに~」のサウンドや「大魔界村」の移植、「炎の闘球児 ドッジ弾平」や、アーケード作品などを手がけた元セガのクリエイター・IPPO(沼田出穂)さんがセガ家庭用ゲーム機のエピソードを綴っていく連載第5回目。
▼過去の連載はこちらから
今回は「時の継承者 ファンタシースターIII」の制作秘話の前編が語られます。ぜひご覧ください!
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こんにちは、IPPOです。
おかげさまで回顧録も連載5回目となりました。これまで時系列に沿ってお話ししてきましたので、今回は「時の継承者 ファンタシースターIII」(以後「ファンタシースターIII」と表記)の事をお話しします。
これまでに色々な取材を受けてきましたが、「ファンタシースターIII」について聞かれることが一番多かったように思います。6月に開催された「GAME MUSIC FES.」のためにSNSで演奏曲のリクエストを募集した際も、一番得票数が多かったのは「ファンタシースターIII」のタイトル曲でした。
実を言うと、この曲がリクエスト1位になるとは思っていなかったんですよね。(と言ったら周りから怒られましたが)ライブ後に「あのタイトル曲を聴いて涙が出そうになりました」とメッセージを下さった方もいて、本当に嬉しく思いました。ありがとうございます。
それと、少し宣伝になりますが、「GAME MUSIC FES.」の2回目が9月14日(日)に開催されます。こうしたイベントに出演する機会は頻繁にはありませんので、前回参加できなかった方も、ご都合がつきましたらぜひ遊びにいらしてください。お待ちしております!

ゲームミュージック・オールジャパンを世界へ!
— GAME MUSIC FES.@9/14横浜アリーナ1F (@gamemusic_fes) September 15, 2025
9.14 GAME MUSIC FES. Stage 2
横浜アリーナ 新横浜NSB
ご来場ありがとうございました
2026年は.GMF3開催へ!
🎥配信アーカイブを購入しよう!https://t.co/vOKL8WeyYJ #GMF2 pic.twitter.com/JD7rQwYJCU
では、今回も記憶をたどっていきたいと思います。
異例の形で決まった仕事
以前のコラム(連載第3回参照)にも書いたのですが、どのゲームのサウンドを誰が担当するかは、サウンドチーム内のミーティングで決まります。「ここのスケジュールが空きそうなのは誰? あ、じゃあ○○くんがコレ担当して」という風に、各自のおおまかなスケジュールに合わせて割り振られます。「このゲームは○○さんに向いてそうだね」という理由で割り振られることはまず無いですし、「私、コレがやりたいです!」と自分で希望するというパターンもまずありませんでした。
また、今やっているプロジェクトが終わってから次のプロジェクトに入るのではなく、『今のプロジェクトがまだマスターアップしてないけれど次が入る』という形でした。ですので、大体いつも2つ以上のプロジェクトを担当していて、それが時期をずらして重なっているという感じです。まあ、その2つが同時に超忙しいという事はありませんが。
ですが、「ファンタシースターIII」だけは例外でした。ある日突然、内線電話がかかってきて、すぐ会議室に来るようにと呼び出されました。何ごとだろうと思いながら会議室に行くと、コンシューマとアーケード両方の開発部長をはじめ、管理職たちが揃って座っていました。それを見てぎょっとしたのを覚えています。他の方もいらっしゃったように思いますが、よく覚えていません。
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