天の声があまねく地上に広がる様子を表現する【2026/6/14(日)今日のバッハのカンタータ🪽トリニタティスⅠI】
本日紹介するのは,以下の翻訳記事にあるカンタータのうち「天は神の栄光を語る」《Die Himmel erzählen die Ehre Gottes》BWV76です。
14曲(前半と後半の2部に分かれ,それぞれ7曲)で構成されています。今日も,1曲目の楽譜を最初だけでも見てみましょう。

トランペットが軽快に三拍子のリズムに乗ってファンファーレを奏でます。このカンタータのタイトル「天は神の栄光を語る」の,神の栄光を称えるファンファーレでしょうか。天から地上に降ってくる神の声にも見えます。やや下行形(カタバシス)なのは,この降ってくる様子を表しているようです。
この旋律をオーボエとヴァイオリンがこだまのように同じ音程で繰り返します。この,同じ音程で旋律を繰り返す音型(フィグール)はパリロッジア(palillogia)と言います。天からのファンファーレを聴いて,地上のいたるところで称えているような感じでしょうか。
また,オーボエ2本とヴァイオリン2本が奏でる旋律は実は2つだけです。その2つをオーボエとヴァイオリンで分けるのではなく,オーボエIとヴァイオリンI, そしてオーボエIIとヴァイオリンIIが一緒に弾くことで,それぞれの旋律が新たな楽器で作ったような響きになります。
構図としては,唯一無二の天(神?)を表す1本のトランペットに対して,ヴァイオリン&オーボエの合成音で2声,ヴィオラの1声,そして通奏低音の4声で応えています。土・水・火・風(空気)で成り立つ世界(人間界)が応えている様子を表すのかもしれません。
冒頭のファンファーレのはじめの2音が,2小節め以降ではヴィオラと通奏低音のコルタ(短短長のリズム)となって,三拍子のリズム感を強調します。
続きももう少しだけ。

冒頭4小節では1小節ごとの掛け合いでしたが,5小節目からは二拍ごとの掛け合いに変わって,がぜん活気が出てきます。通奏低音には下行形が目立ちますが,これは冒頭にあるテーマの16分音符ですので,天(神)の声が地上に行き渡る様子を表しているのでしょう。ちょっと聴いてみましょう。
ちなみに後半の第一曲目は,当時広く使われていたヴィオラ・ダ・ガンバと,バッハお気に入りの最新鋭の楽器オーボエ・ダモーレ,そして通奏低音のみの小編成で,物悲しくも美しい曲です。
この曲だけ取り出した美しい演奏がありました。
バッハこの旋律をオルガン・ソナタ第4番 BWV 528にも使っています。
この曲の2楽章はピアノ編曲もあって,時々演奏されています。
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