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「中国で追随者はそれなりのEVを短期間で製造可能」定義者・理想CEOの速成車反対が独特過ぎた

    [無料]理想汽車(Li Auto)創業者兼CEOの李想氏が2026年9月11日、公式Weiboを更新した。李氏は普段、あまり公式Weiboを更新しない。しかしここ数日は連投している。李氏のSNSの使い方は分かりやすい。新型車の発表が近づけば近づくほど、公式SNSでの投稿が増える。今回もその一環ではある。そしてその内容も興味深く、またかなり辛辣な意見でもある。


    「短期間で仕上げただけのクルマ(いわゆる速成車)」を作ることに反対する――業界各社がそれぞれの答えを示し始めている。どのようなクルマこそ「良いクルマ」なのかを皆が真剣に考え始めたことは、中国自動車産業が新しい段階に入ったことを意味する。

    この段階で、すべての自動車メーカーは一つの選択を迫られる。

    追随者になるのか、それとも定義する側になるのか。

    追随者であれば、成熟したサプライチェーンと成熟したソリューションを利用できる。長期間の検証も必要なく、かなり短期間で、それなりに優れた製品を組み上げることができる。

    一方、定義する側は、自ら標準を定義し、コア技術を開発する。これまで誰も作ったことのない製品を作るのだから、短期間ではできない。しかも最初から市場の一致した評価を得られるとは限らない。

    Li Autoは創業当初から、「定義する側」になろうとしてきた。私たちが作ろうとしているものには、市場に既製品が存在しない。

    これまでになかったデータフロー・アーキテクチャを採用したチップを作りたいと考え、Mach M100チップの開発に4年を費やした。

    Li Autoの車両体験により適したバッテリーを作りたいと考え、6年間にわたってバッテリーを自主開発してきた。その結果、バッテリーパックについては自社開発・自社生産、セルについては自社開発・委託生産を実現した。

    外観は真似できても、技術は真似できない。

    理想i9は、フラッグシップSU BEVを改めて定義する。

    私たちが一貫して掲げてきたクルマづくりの最高基準は、「家庭基準」である。

    理想i9も家庭ユーザーのために作った、より「家」に近いフラッグシップSU BEV である。

    だからこそ、理想i9については「Home」グレードだけを設定することにした。

    本日、理想i9の展示車が全国の店舗に到着した。

    良いクルマとは何か。実際に乗り込んで体験すれば、その答えは自分の中に見つかるはずだ。


    速成車については、すでにおよその見解が各社から出ているのはその通りであり、当然のことながら各社ともそれに反対し、検証時間の確保を打ち出す。

    しかし、李氏がここで追随者と定義者を出したのが新しい。「追随者であれば、中国で磨かれた高度なサプライチェーンを活用すれば、それらしいEVは短期間でできる」と喝破した人物は誰もいなかった。

    後述するように、李氏のSNS投稿は業界注視の対象。おそらく、速成車反対を表明したメーカー及びその関係者の中にも、「ドキッ」となっている可能性がある。そして中国政府も本腰を入れ始めている。

    中国工業情報化部(工信部)は2026年9月11日、インテリジェント・コネクテッドNEV産業の高品質発展に関する記者会見を開催した。

    工信部は今日の会見で、一部メーカーについて「十分な試験・検証をしていない技術や設計を車両に搭載している」と明確に批判し、開発試験・信頼性・環境適応性の管理強化を打ち出した。

    李氏の投稿と工信部の記者会見が同じ日、というのは特段のポイントではない。業界が速成車を問題視しているのだからこうした偶然もあり得るだろう。そもそも中国政府が8月下旬から引き締めを行っていた。

    しかし、李氏が直接的に自身を定義者と位置付けたのは興味深い。中国の自動車業界の現在のトレンドのほとんどは確かにLi Autoが提案している。

    • 家庭向け大型SUVの3列6シーター設計

    • SUVに「家庭用車」というカテゴリー創設

    • REEVの再発掘、中国主要パワトレに追加

    • 車種名6⇒7⇒8⇒9

    • テレビ、ソファー、温冷庫「車載三種の神器」

    • 車内AIキャラクター文化「理想同学」

    • ブルーライト(スマートドライビング状態表示)

    • VLAの元祖、世界初のクルマへの実用化

    • クルマはEmbodied AIを提唱

    以上はほぼすべて、中国自動車業界のメインストリームになっている。ただし、李氏が言うように、Li Autoが提案したけど全然業界に普及しなかった、失敗例も多くある。その経験が、「市場から評価を受けるか分からない中での開発」という定義者としての苦悩が見えるのも面白い。

    おそらく中国自動車業界の誰も、Li Autoを定義者だと認める人はいないが、しかし心の中ではLi Autoが定義している現実を認めざるを得ない、と思っている。その定義者が、チップとバッテリーについて4年と6年という具体的な年数を示して主張しているところに重みがある。

    絶対に業界でバズる(批判多数)、という書き方をしつつ、最後には当然新型の理想i9を宣伝する。より「家」に近いフラッグシップSU BEVであるとは?

    この日、理想i9の展示車が全国の店舗に到着した。ユーザーは実車を生で見られるようになる。そして9月16日に発表会が開催される。李氏の投稿は計算され尽くされた、発表会予告になっている。

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    急速に進む中国のCASE(Connected&Cabin,Autonomous,Shared&Service,Electric)やAIについての最新情報。2018年から1日1本以上のレポート配信。毎朝8:00日刊中国モビリティレポートと適時号外レポート

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