
LEAP、フランス150拠点で生活圏へ浸透――登録台数161%増、Stellantisの販売網を活用
[メンバーシップ限定]零跑汽車(LEAP)が、フランスで販売・サービス網の整備を進めている。
2026年10月13日、LEAPはパリ国際モーターショーに合わせ、「パリショーを出れば、LEAPはすでにフランス人の生活の中にある」と題する現地レポートを発表した。
そこに登場するのは、パリショーの新型車だけではない。
パリ郊外の住宅都市、地方の販売店、そして地中海に浮かぶコルシカ島まで。LEAPはStellantis(ステランティス)の既存販売網と現地ディーラーを活用し、フランス全土に150を超える販売・アフターサービス拠点を展開している。
実際の登録台数も伸びている。
LEAPフランス法人が10月1日に公表した2026年1~9月の新車登録台数は5,902台。前年同期比161%増となった。9月単月では過去最高の1,195台を記録している。
10月12日には、スペイン・サラゴサ工場で電動SUV「B10」の正式生産開始も発表した。
中国で開発したクルマを欧州へ輸出するだけではない。現地で販売し、整備し、生産するための基盤が整い始めている。
今回のLEAP公式レポートが伝えようとしているのは、そのうち最も消費者に近い部分である。

フランス1~9月登録5,902台、前年比161%増
LEAPフランス法人は10月1日、2026年9月の販売実績を発表した。
9月の新車登録台数は1,195台となり、フランス市場での月間過去最高を更新した。
1~9月累計は5,902台で、前年同期比161%増。前年同期の約2,260台から、2.6倍の規模に拡大した計算になる。
登録車両の93%をBEV(バッテリー電気自動車)が占めている。
9月単月のフランスBEV市場では、LEAPのシェアは1.72%となった。
個人向けBEV市場では2%のシェアを獲得し、LEAPによれば、中国ブランドとして第2位に位置付けられる。
モデル別では、小型電動車T03が重要な役割を担っている。
T03は9月、フランスのAセグメントで10.4%のシェアを獲得し、同セグメントの販売台数で第2位となった。
また、LEAPによれば、T03は1~9月の個人向け市場で中国ブランドのモデルとして最も多く販売されている。
B10とT03は、中国ブランド車の販売上位10モデルにも入ったという。
ただし、これらの順位やシェアはLEAPフランス法人の公表値であり、対象となる市場区分には注意が必要である。
また、前年同期比161%増という高い成長率は、2025年時点の販売規模がまだ小さかったことも反映している。
5,902台という絶対数では、フランスの主要量販ブランドと肩を並べる段階にはない。
それでも、2024年10月の本格展開開始から約2年で、月間登録1,000台を超える規模に達したことは、LEAPのフランス事業が立ち上げ段階から次の段階へ進んでいることを示している。

パリショーの会場を出ると、すぐにLEAPの販売店がある
今回の中国本社による公式レポートは、パリ国際モーターショーの会場から始まる。
10月12日、LEAPはコンパクト車A05とフラッグシップSUVのD19を欧州初公開した。
A05は中国市場での名称であり、欧州市場ではB03として展開するモデルである。
ただし、今回の公式レポートは、新型車の技術や性能を詳しく紹介するものではない。
むしろ、会場の外へ視線を向けている。
パリショーの会場であるポルト・ド・ヴェルサイユ展示場の近くには、すでにLEAPの販売店が存在する。
取材時、その店舗は改装中だったという。
LEAPは、モーターショーをブランドの認知を高める場所と位置付ける一方、販売店を消費者との日常的な接点として説明している。
展示会場で初めてLEAPを知った消費者が、その後、近くの販売店で実車を確認し、試乗し、購入や整備について相談する。
中国メーカーの海外進出では、新車発表や輸出台数が注目されやすい。
しかし、実際に現地市場へ定着するためには、消費者が日常生活の中でブランドに接する場所が必要となる。
今回のレポートは、その販売店の存在を前面に押し出している。

パリ郊外のMelun、地元ディーラーが販売を担う
LEAPの取材チームは、パリショー会場から車で約50分のMelun(ムラン)も訪れている。
パリ南東部に位置する都市である。
ここでLEAPが紹介したのは、大規模なブランド専用ショールームではなく、地元ディーラーによる日常的な販売活動だった。
現地の販売員が消費者と気軽に会話し、コーヒーを飲む程度の時間で商談がまとまることもあるという。
LEAPは、Melunをフランス国内で販売実績が好調な都市の一つとして紹介している。
ただし、都市別の販売台数や店舗当たりの販売実績は明らかにしていない。
今回重要なのは、LEAPが自社の中国式販売方式をそのままフランスへ持ち込むのではなく、現地のディーラーによる販売活動を活用していることである。
取材の最後に、現地の若い販売員はLEAPの担当者へ、よいブランドをフランスへ持ってきてくれてありがとう、と感謝を伝えたという。
もちろん、これはLEAP自身が選んで紹介したエピソードであり、フランスの販売店全体の評価を代表するものではない。
それでも、中国ブランドが現地の販売員にとって実際に扱う商品となり、地域の顧客との関係を通じて販売されている様子がうかがえる。

パリ近郊でも、街ごとに異なる店舗形態
LEAPは、パリ都市圏の複数の販売拠点も紹介している。
Fontenay-sous-Bois(フォントネー=スー=ボワ)では、街路沿いの店舗が地域の日常生活に溶け込んでいる。
Boulogne-Billancourt(ブローニュ=ビヤンクール)では、パリ西部の比較的購買力の高い消費者層への接点を確保している。
Massy(マシー)では、大型ショールームによって、より多くの車両を見比べ、体験できる環境を提供している。
LEAPは、これらの店舗を同一の形式へ統一するのではなく、地域の特性、消費環境、ディーラーの経営資源に応じて配置していると説明する。
都市中心部、住宅地、郊外の商業地域では、顧客が販売店を訪れる目的や行動も異なる。
LEAPは、そうしたフランスの既存の自動車販売環境に適応する方法を採っている。
これは、海外進出に際して独自の直営店舗網を一から構築する方式とは異なる。
Stellantisの販売・サービス基盤と、現地ディーラーの経験を活用できることが、LEAPの特徴となっている。
