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理想i9はなぜ最後だったのか――自社チップ・モーター・バッテリーを揃えた「第二世代BEV」第1号

    [メンバーシップ限定]理想汽車(Li Auto)の創業者兼CEOの李想氏は2026年9月11日、動画サイトbilibiliの公式アカウントを更新、新型理想i9に関する新たな動画を公開した。CHINA CASEでは今までもi9に関する事前情報を取り上げてきたが、今回の動画で李想氏はi9に対する新たな見解を複数提示している。

    中でも重要なのは、i9を単なるiシリーズ最上位モデルではなく、「Li Autoの第二世代BEVプラットフォームの最初の旗艦車」と位置付けたことである。

    なぜi9はi8、i6より後になったのか

    中国では大型・高級モデルから新しいシリーズを立ち上げ、その後に下位モデルへ展開するケースも多い。

    そもそも中国におけるこの車種名の数字化はLi Autoがレンジエクステンダー(REEV)のLシリーズで確立した。Lシリーズでは最初にL9、次にL8、Li、そして最後がL6と数字は下がっていき、車体は小さくなっていった。

    実際、李想氏自身も動画で「業界では一般的に9シリーズを先に出す」としたうえで、なぜLi Autoはi9ではなくi8、i6を先行させたのか、という問いに答えている。

    理由は、i9に投入する自社技術が揃うのを待ったためだという。

    李想氏はi9について、自社開発の新世代旗艦技術をすべて投入すると説明した。その中には自社開発の「Mach(馬赫)」チップ、新世代駆動モーター、バッテリーが含まれる。

    2026年になって自社開発バッテリー、新世代モーター、Machチップが揃い、それらを一体化した「完全体」をi9で実現できるようになった。このためi9を、第二世代BEVプラットフォームの最初の旗艦製品としたという。

    これはi9を見るうえで重要な説明である。

    これまでの登場順だけを見れば、i8 → i6 → i9という単純な車格展開にも見える。

    しかし李想氏の説明に従えば、i9には明確な技術的な節目がある。i8、i6でBEV市場への展開を進めながら、その裏側では自社開発技術を完成させ、i9から次の世代へ移るという構図である。

    「速成車を作らない」の回答がi9

    この説明は、李想氏が同じ9月11日に発信した「速成車を作ることに反対する」というメッセージともつながる。

    李想氏はそこで、中国自動車メーカーが今後「Follower(追随者)」になるのか、「Definer(定義する側)」になるのかという選択を迫られていると指摘した。

    成熟したサプライチェーンや既製のソリューションを組み合わせ、短期間の検証で一定水準のクルマを作るのがFollowerである。一方、自ら基準を定め、基幹技術を開発し、これまでにない製品を作るDefinerになるには時間がかかる。

    Li Autoは後者を選ぶという。

    その具体例として、Mach M100チップには4年、バッテリーには6年の開発期間を費やしてきたことを明らかにしている。

    今回の動画によって、この発言とi9の関係がより鮮明になった。

    自社チップ、自社開発モーター、自社開発バッテリーが揃うまでi9を出さなかった。

    つまりLi Autoにとってi9は単なる最高級BEVではなく、「速成車を作らない」「Definerになる」という開発思想を製品として示すモデルでもある。

     
     
    急速に進む中国のCASE(Connected&Cabin,Autonomous,Shared&Service,Electric)やAIについての最新情報。2018年から1日1本以上のレポート配信。毎朝8:00日刊中国モビリティレポートと適時号外レポート

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