#23【アズのひとりごと】彼女が欲しかった男と、本指名が欲しい私
🌱これは“本編”とは少し違う、小話
※閲覧注意 毒多め
最近、彼氏への想いが微妙な件について。
ものすごく身勝手なのは分かっている。
でも、言う。
別に嫌いになったわけではない。
会えばそれなりに楽しいし、穏やかでもある。
元夫と比べたら、真人間である。
ここはかなり大きい。
うるさくない。
暴れない。
機嫌で場を支配しない。
体調を崩した時に責めない。
この時点で、高得点。
何しろ比較対象が、男としても人としても
終わっていたので、採点も自然と甘くなる。
水も酒も料理も全部まずい店の次に入った店の水が、やたら美味しく感じる、あの現象である。
最初は、それで十分だと思っていた。
私はもう、刺激とか情熱とか、そういうものは卒業したのだと。
ジェットコースターみたいな恋愛はこりごり。
次は地面の上を歩きたい。
舗装された道路で、落とし穴なし
急カーブなし、ガードレール付きで頼む。
そういう気持ちで始まったのが、山田さんとの関係だった。
でも、付き合って八か月で自覚した。
本能が全面降伏しない。
私はずっと、自分はもう枯れたと思っていた。
恋愛にも、性にも、もう瞬発力はない。
「まあ、もうそんなもんやろ」
と、自分の中の女を閉店させかけていた。
なのに、どうやら違ったらしい。
いや、山田さんは、普通にアリなのである。
一緒にいて穏やかだし、会えば楽しい。
でも、「うわ、好き」とか「抱かれたい」とか、前のめりな感じは特にない。
嫌ではない。
でも、欲してもいない。
この差はでかい。
「してもいい」と「したい」は別物だ。
前者は手続きで、後者は本能である。
山田さんに対しては、どう考えても前者寄り。
付き合っていると、当然アラも見えてくる。
山田さんは頑固だし、こだわりも強い。
そのこだわりがまた、生活の実益に一ミリも結びついていないところが、地味に腹立つ。
ユニクロは買わない。
楽天も嫌だから使わない。
キリンもサントリーも買わない。
理由は「経営者の考え方が嫌いだから」
いや、自由やで。
本人が勝手に思う分には。
でも向こうはノーダメージ。
面識も、会う予定もない。
私は普通にユニクロを着る。
一見で入った店にキリンしかなかった時
ちょっと不満そうな顔をされると、私は思う。
あー、めんどくさ。
そのポリシー、生活を不便にするだけやん。
しかも時々それを「人として当然」みたいに言う。
静かで誠実なのは間違いない。
でも、だからといって「この人しかおらん」とは全然ならない。
そして最近、いちばんしっくり来た結論がある。
彼はたぶん「彼女」が欲しかった。
私は「私を好きな人」が欲しかった。
山田さんは、私の話をよく聞いてくれる。
否定もしない。
でも、私自身にはそんなに興味がないように感じるのだ。
「それってどういう気持ちやったん?」
「なんでそれが好きなん?」
「アズさんはどうしたいん?」
みたいな、私の中に入ってくる質問がない。
聞いてはくれる。
でも、知りたがってはいない。
一方で、自分の世界には入れたがる。
🏔️登山。
🍻立ち飲み。
🍺行きつけの店。
私は運動部出身で、若い頃にはジム通いを
していた。
美容やダイエットのための運動には
興味があるが、大会やタイムには興味がない。
お金を使う気もない。
それを何回言っても、
「習慣にすればいいやろ」
と説得にかかる。
興味ないことをなんで習慣にせなあかんねん。
歯磨きちゃうねんぞ。
更年期なお年頃だし、しんどいのよと言えば、年代的には子育てを終えて自分の時間を楽しんでいる女性はたくさんいると言う。
いや。
その、一部の元気でキラキラした人らが外に出てるだけで、女性全員がそうではないからな?
このあたりで薄々気づいた。
山田さんが好きなのは、私そのものではなく
自分の世界に入ってきてくれる“彼女”という存在なのではないかと。
私が欲しいのはポジションではなく
本指名である。
前に酔った勢いで、
「こんなに好いてくれてるアズさんには悪いんやけど」
と言われた時は、酔いが吹き飛んだ。
待て。
誰の話?
私は山田さんに、時々ちょっとしたおつまみなど、プチプレゼントを渡しているが、それは費用を多めに負担してくれることへのお礼と、関係性の均衡である。
経済力の差で上に立たれたくないから
お返ししているだけだ。
それがもし
「アズさんは俺にベタ惚れ」
に変換されていたら、だいぶ見積もりが甘い。
総務に差し戻し案件である。
だいぶ前だが、Twitterで仲良くなった人がLINEでこんな意味のことを言っていた。
「どうせモラハラされるなら
顔で選んどけばよかった」
私は爆笑した。
でも今なら分かる。
たとえば相手が玉木宏で、
「俺のこと好きやろ?」とか言ってきたら。
私はたぶん
「分かってくれてるんや」
と、かなり好意的に解釈すると思う。

結局そういうことなのだ。
安心だけでは足りない。
誠実だけでも足りない。
そのうえで、やっぱり「この人がいい」
と思う熱が欲しい。
この現実、地味だけど残酷である。
私は閉店していなかった。
ただの開店休業状態だった。
閉店セールみたいな顔をしていただけで
好みの客が来たら、何もなかったかのように、普通に営業再開する店だったのである🤣
noteで、配偶者と離別や死別をしたあとに出会ったパートナーとのラブラブエピソードを読むと、本気で羨ましい今日この頃である。
ええなあ。
私もそっち、行きたい。
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