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組織は『仕組み』より『構造』その重要性。| スタッフを「管理」するのをやめて「推し活」してる社長のnote ep.10

この記事では、組織の停滞を解消するために仕組み(ルールや制度)を増やすのではなく、構造(権力や利害関係)を根本から見直すことの重要性を説いています。


どうも、本と失敗からしか学べない男:タルイタケシです。
お盆だと言うのに仕事してます。

私についてはこちらをご覧ください。


突然ですが、あなたの会社の評価制度は、社員みなさんが納得されているでしょうか。


ワークポートが現役のビジネスパーソンに行った調査では、

会社の人事評価に「とても不満がある」が32.5%「やや不満がある」が34.9%で、合わせて67.4%でした。

また、評価基準が不明瞭だと感じている人も61.7%います。

不明瞭だと感じる理由として挙がっていた声のひとつが、これでした。

「成績より、評価者の好き嫌いで決まっている気がする」


制度はある。
基準も書いてある。

それでも7割が納得していない。

これは制度の出来が悪いという話でしょうか。

私は、たぶん違うと思っています。


なぜならば、仕組みと構造は、別ものだからです。


会社がうまく回らなくなると、経営者は仕組みを増やしたくなります。

マニュアル、ルール、評価制度、KPI、会議、報告書。

もちろん必要なものもあります。

ただ、組織づくりで本当に効いてくるのは、仕組みより構造ではないかと思うようになりました。

仕組みとは、どう動くかです。

構造とは、誰が誰に対して力を持っているかです。

一旦、さっきの調査に戻ります。

評価者の好き嫌いで決まっている気がする、という不満は、評価シートの項目をどれだけ精密にしても消えません。

評価する人が、自分の給料とキャリアを左右できる位置にいるという構造そのものが、その感覚を生んでいるからです。

制度をいじっているかぎり、この不満は形を変えて残り続けます。



組織の進化は、権力の構造の変化だった


上司や管理職による指示・命令がなくとも、メンバー個々の自主性によって進化し続ける次世代型の組織モデルを説いたフレデリック・ラルーの『ティール組織』


本書では、組織の発達を色で説明します。

ここで見ていきたいのは、それぞれの段階で人を動かす力がどこにあったかです。


◾️ レッド組織:暴力と恐怖による支配(マフィアなど)

強い人が支配します。

俺の言うことを聞け。

力を持つ人間が、直接、人を動かす。

決めるのが一人なので、判断は速い。

問題は、その一人がいなければ何も回らないことでした。

そして直接見られる人数にも限りがあります。

だから、人数が増えた瞬間に立ち行かなくなりました。

◾️ アンバー組織: 厳格な階級と規律(軍隊や教会)

そこで、階層役割に変わります。

社長、部長、課長、係長。

個人の力ではなく、役職が人を動かすようになる。

誰がやっても同じように機能するので、組織は一気に大きくなれました。

しかし、この組織の問題は、ルールを守ること自体が目的になったことです。

「前例がありません」
「規則なのでできません」
「上から言われていません」

安定したかわりに、このように変化に弱くなったのです。

◾️ オレンジ組織: 成果主義と競争(近代の一般企業)

そこで、守った人ではなく成果を出した人を評価しよう、となります。

目標を設定し、数字を測り、結果によって報酬や昇進を決める。

「上司だから従え」から、「成果を出せば評価する」へ。

かなり合理的になりました。

ところが、またして問題が生まれた。

数字を管理していたはずが、人まで数字で管理しはじめたことです。

働く側は、何が正しいかより、何をすれば評価されるかを考えるようになる。

結果、競争は生まれましたが、そこで働く人は疲れました。

◾️グリーン組織: 価値観や文化の共有(家族的な企業)

そこで、会社に人間性を取り戻そうとします。

理念。心理的安全性。エンゲージメント。1on1。権限委譲。対話。

命令だけで動かすのではなく、共感によって動いてもらおうとする。

問題は、そこにまだ「してあげる側」と「してもらう側」が残っていることです。

「成長を支援してあげる」
「権限を与えてあげる」

しかも理念への共感を強く求めれば、それ自体が見えない評価基準になります。

やりがいで搾取する手法も開発されました。


数字の管理から離れたつもりが、文化と共感で人を管理してしまう。

管理が、優しさの形をして残りました。

ティール組織: 自律と全体の調和(次世代モデル)

そこでようやくです。

「そもそも誰かが誰かを管理しなければならないのか?」

というところまで問いが進みます。

【ティール組織 3つの核心要素】
自主経営(セルフマネジメント): 上司の指示なしに、助言プロセス等を通じて個々が意思決定する

全体性(ホールネス): 職場に「仮面」をかぶらず、人間らしく全人的に自分をさらけ出す

存在目的(エボリューショナリー・パーパス): 組織が本来向かいたい方向や存在意義に耳を傾ける

つまり、固定された上司と部下という関係そのものを、弱めていくことです。

いまはティール組織がもてはやされてきてますね。


しかし、ここにも難しさはあります。

上司が決めないなら、自分たちで話し合い、判断し、責任を引き受けなければならない。

表向きフラットでも、声の大きい人やベテランに非公式な力が集まることもあります。



いかがでしょうか?
こうして並べると、はっきりしますね。

どの段階も、前の段階が抱えた問題への答えとして生まれていました。

・一人に集中しすぎたから、役職に分けた。

・役職が硬直したから、数字で測った。

・数字が人を追い詰めたから、共感に頼った。

・共感がまた管理になったから、管理そのものを疑った。

つまり組織の進化とは、新しい制度を増やしてきた歴史というよりも。

権力の集中を少しずつ解体してきた歴史と見ることができます。

力から、役職へ。
役職から、数字へ。
数字から、共感へ。

そして、いまは誰も持たない方向へと進化しています。



それなのに、私たちは仕組みを増やす

ところが現場で問題が起きると、私たちはこう言います。

「ルール化しよう!」
「管理を徹底しよう!」
「評価制度を整えよう!」

社員が動かないから管理する→
ところが管理すると自分で考えなくなる→

すると今度は、「最近の社員は主体性がない」と上司が言い始める。

この流れはおかしいです。



仕組み化に囚われた社長がやっていることと言えば、

組織の進化ではなく、アンバー型への退化かもしれません。


そんな組織が最新のAIやITを入れていても、目的が監視と管理なら、構造は古いままです。

経営の新しさは、使う道具では決まりません。

誰が決めるのか?
誰が評価するのか?
誰が仕事を握るのか?
誰が報酬を決めるのか?


ここで決まります。



指示待ちは、性格ではなく合理的な判断です



前回の記事で「社員に主体性」について書きました。


そう思ったとき、その前に確かめておきたいことがあります。

あなたの会社は主体的に動くと損をする構造になっていないか?


自分で判断して失敗すれば、評価が下がる。

上司の指示どおりにやれば、責任を取らなくていい。

この二つが同時に成り立っている会社で指示待ちになるのは、むしろ賢い選択です。

人は、会社が望む人間になるのではありません。

その構造のなかで、いちばん損をしない行動を覚えていきます。

だから、教育より先に構造を見る。

研修で主体性を教えるより、主体的に動いた人が損をしない状態をつくるほうが絶対に早いです。



推し活経営™︎も、ティールの亜流から始まりました


私の経営も、出発点はティールでした。

(上司がいなくても組織は動くのではないか?)

(人を評価しなくても仕事は成立するのではないか?)


ただ、それを考えていくうちに疑問が残りました。

組織図をフラットにしても、会社が仕事を渡し、会社が給料を決め、会社が評価し、辞めれば収入を失う。


この構造が残ったまま、本当にフラットと言えるのか。


管理職という肩書をなくすことと、管理されなくなることは、同じではありません。

さっきの流れで言えば、権力は役職から数字へ、数字から共感へと形を変えてきました。

でも、契約とお金のところにある力は、まだ一度も手をつけられていない。

だから推し活経営では、組織図だけでなく、契約と報酬の構造まで変えようとしています。

そのぶん、私が持っていたものは減りました。

減ったのは、たぶん正しいことだと思っています。



【解決策】 構造改革は、そんなに難しくない

構造を変えると言うと大げさですが、やることは、わりと地味です。

私がやっているのは以下の5つ。

仕事を依頼する人と、評価する人を分ける。
一人が依頼権と評価権の両方を握ると、依頼はその時点で命令になる。

断っても不利益を受けないようにする。
断る自由があるかどうかは、断れるかではなく「次の依頼が減った」「空気が冷たくなった」等、断った人がその後どうなったかで決まる。

報酬の決まり方を透明にする。
決め方が見えないと、報酬は働きへの対価ではなく忠誠への褒美に見えてくる。

情報を一部の人だけが握らない。
情報の偏りは、それ自体が権力になる。知っている人に従うしかなくなるから。

辞めるコスト、独立するコストを下げる。
囲い込まないと残らない関係は、信頼ではなく緊縛。出ていける人が残っている状態をつくる。

要するに、一人が握っている権力を減らしていくことです。

仕組みは確かに必要です。

ただ、順番があります。

構造を決めて、その構造を支えるために仕組みをつくる。

逆をやると、古い構造を守るための道具が増えていくだけになります。

そして、この改革は小さな会社ほどやりやすい。

10人しかいない会社が、大企業を真似して何層もの役職と評価制度をつくる必要が、本当にあるでしょうか。


小さいことは弱点ではありません。


管理を手放せることは、小さな会社の強みです。




ただし、『組織構造』も『収益構造』の上に立つ

ここまで構造の話をしてきて、最後に正直に書いておきたいことがあります。

組織づくりは大切です。

でも、その手前に「収益構造」があります。

お金の余裕がなくなった会社で、理念も仕組みもへったくれもありません。

赤字が続けば、人を信じるという態度そのものが贅沢品になります。

来月の支払いが見えないとき、経営者は必ず「決める権限」を手元に戻したくなる。

任せていたはずの判断を巻き取り、数字で締めはじめる。

ティール組織を掲げていた会社が、あっという間にアンバーやオレンジに戻る瞬間です。

そして本当に追い詰められたときには、レッドまで落ちることもあります。

そこで何を握るかを決めているのは、業績そのものではなく、経営者が誰を信じられなくなるかだと思っています。

私自身がおじさんですから、そうなる可能性は当然あります。

おじさんになるほど、手放すことを恐る動物はいません。


契約書は一字も変わっていないのに、依頼が命令になり、お願いが取り立てになる。

それを止められるのは覚悟ではないでしょう。

間違いなく「収益構造」のほうです。

だからといって、収益が整うまで組織のことは考えなくていい、という話ではありません。

これは順番の話です。

自由を渡しても潰れない売上を先につくる。

その上に、構造を置く。

理念は、その一番上に載るものだと思っています。


まとめ

組織を変えたいと思ったら、制度を増やす前に確かめたいことがあります。

誰が仕事を握っているのか。

誰が評価するのか。

誰が報酬を決めるのか。

誰が、相手の選択肢を減らせるのか。

仕組みより構造。

人を変えるより、構造を変える。

推し活経営は、ティールの先にある新しい経営ではありません。

ティールの亜流として始まって、その先に残った契約とお金の力関係に手をつけようとしている、それだけです。

組織改革とは、新しい制度を増やすことではなく、人が人を管理するために握っていたものを、一つずつ手放していくこと。

私は、そう考えています。

まず一つ、手放せるものはありますか。



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