銀河英雄伝説クラシック音楽一覧 │ (84)第72話「マル・アデッタ星域の会戦(後編)」
OVA「銀河英雄伝説」で使われているクラシック曲をGoogleスプレッドシートにリスト化し、Webサイトで公開しています。
🔗 銀河英雄伝説クラシック音楽一覧 Musik und Szenen – ein Strauß gelber Rosen
このnoteではBGMを軸に、曲のことや物語のこと、ミッターマイヤーのこと、そのほか銀英伝に関するいろいろを書いていきたいと思います。
⚠️ネタバレを含みます。
今回は第72話「マル・アデッタ星域の会戦(後編)」です。
あらすじ
同盟軍カールセン艦隊がブリュンヒルトに迫るも、ミュラーらの反撃で突破は叶わず。恒星風を利用したビュコック本隊の奇襲も、帝国軍の総反攻で崩れる。降伏を勧めるラインハルトに、ビュコックは感謝を伝えつつ拒否し、民主主義に杯を掲げ、別れを告げる。自由惑星同盟軍最後の戦いが終わった。
曲について
⬜オープニング「Sea of the Stars」
歌・作詞 LISA / 作曲 川辺真 / 編曲 風戸慎介
01:30 チャイコフスキー《交響曲第6番「悲愴」第1楽章》
――カールセン艦隊の突破
П. И. Чайковский – Симфония №6 си минор «Патетическая», соч. 74: I. Adagio – Allegro non troppo
カールセン艦隊が帝国軍艦隊の防御を突破、意外に帝国軍が苦戦中というナレーションから始まります。
有名な主題がバスクラリネットのppppppで静かに終わった後、突然ffで、激しい音楽に変わるところから。弦楽器のリズムもかっこいいです。
🎧曲を聴く 9:31
第46話「ヤン提督の箱舟隊」 14:50 レンネンカンプ艦隊出撃、また、第50話「連戦」4:48レンネンカンプに指令(背ブラックホールの陣)で流れていた箇所と同じ。
本伝で使われるのはここまで。あとは外伝です。
▻「奪還者」Kap.Ⅳ17:00敵陣突破
▻「千億の星、千億の光」第5話「危険な男」23:40 シェーンコップとリューネブルク
05:03 シューマン《交響曲第4番 第4楽章》
――同盟軍の突撃
R. Schumann – Sinfonie Nr. 4 d-Moll, Op. 120, IV. Langsam – Lebhaft
4楽章頭。
▻「新たなる戦いの序曲」1時間22分 戦闘終了
▻第034話「帰還」5:34 戦況について話すラインハルトとオーベルシュタイン
と同じ曲。弦楽器のゆったりとした流れるような伴奏(16分音符ですが、とてもゆっくり)の上に、トロンボーンの長く伸ばすメロディーが鳴ります。
突撃シーンなのに悲しげな曲。

前回ミッターマイヤーが言ったように、帝国が勝てば平和な世の中になるのに、それでもこのおじさまたちは戦うのね…。ヤンがいなくても、ここまで戦えてしまうことが、かえって胸を締めつける。誰のための戦いなのか。
となると同盟政府に憤りを感じてしまうのだけれど、いや、でもレベロ君もかわいそうな人だが…
05:37 (曲続き)
――🐺老人め、やる
帝国軍が押され気味のところ、ミッターマイヤー艦隊が切り込んできます。「主砲斉射三連!」「突入!」など叫ぶミッターマイヤー。あまりこのように大きな声を出す場面はなかったかと。かっこいいです。
07:15 チャイコフスキー《交響曲第6番「悲愴」第3楽章》
――帝国軍の集中砲火
П. И. Чайковский – Симфония № 6 си минор "Патетическая", соч. 74, III. Allegro molto vivace
帝国が盛り返します。あの行進曲。
🎧曲を聴く 32:13
正確には行進曲の10小節ぐらい前から流れはじめます。同じ箇所が使われているのはこちら。
▻「新たなる戦いの序曲」1:15帝国軍 紡錘陣形で突入
▻第050話「連戦」6:21ヤン艦隊の攻撃
▻第052話「バーミリオンの死闘(後編)」6:52ポプランの空戦隊第
行進曲の頭から流れるのはこちら
▻第041話「作戦名『神々の黄昏』」12:43🐺作戦名「神々の黄昏」
行進曲の終わりの方が使われているのはこちら
▻第045話「寒波到る」22:17🐺玄関ホールまでは通してもらえたわけだ
07:30 (曲続き)
――🐺よし!
とミッターマイヤーがおっしゃる。そしてビッテンフェルト艦隊が登場
09:10 マーラー《交響曲第2番「復活」第1楽章》
――同盟軍 カールセン戦死
G. Mahler – Symphonie Nr. 2 c-Moll "Auferstehung", I. Allegro maestoso
このときのカールセン提督のセリフはOVAオリジナルです(どうぞ見てみて)。
1楽章の終わりの数小節。1楽章の頭は緊迫した雰囲気ではじまりますが、この箇所は静かにトランペットが響きます。
🎧曲を聴く 21:19
10:00 マーラー《交響曲第2番「復活」第1楽章》
――ビュコックからの戦線離脱許可
G. Mahler – Symphonie Nr. 2 c-Moll "Auferstehung", I. Allegro maestoso
こちらはその緊張感の走るほうの1楽章頭。
🎧曲を聴く
私が持っているサントラCDにも収録されている曲。よく使われてきました。
▻第001話「永遠の夜の中で」19:50同盟軍第六艦隊壊滅
▻第002話「アスターテ会戦」11:40帝国軍 全速前進
▻第006話「薔薇の騎士」18:49第十三艦隊出動 イゼルローン回廊突入
▻第047話「自由の宇宙を求めて」12:30帝国軍合流
このあとも流れます。次は、
▻第096話「剣に生き…」16:39🐺戦線の膠着
です(おおおおお……)。
12:24 ワーグナー《交響曲 ハ長調 第1楽章》
――🐺降伏勧告
R. Wagner – Sinfonie C-Dur, WWV 29, I. Sostenuto e maestoso – Allegro con brio
ミッターマイヤーからの堂々とした勧告。彼はこういう役割になりますね…
曲は、第1楽章の頭から。そうか、ワーグナーをもってきますか。
🎧曲を聴く
ちなみに、声優さんは、ビュコック提督は富田耕生さん、チュン参謀長は大塚明夫さんでした。大塚さんでしたか。そっかあ…
ビュコックさんは二等兵時代の姿が外伝に出てきますね。チュンさんは途中から代役で参謀になったわけだけれど、かなり優秀な人でしたよね。
ここのところ一話で一人の作曲家の曲が流れることが多かったので、今回はマーラー2番、ワーグナー交響曲、チャイコフスキーの行進曲など「銀英伝の基本の曲」が流れた、という感じですね。
15:45 ドヴォルザーク《交響曲第6番 第2楽章》
――他人になにがわかる
A. Dvořák – Symphonie Nr. 6 D-Dur, Op. 60, B. 112, II. Adagio
ラインハルトの回想シーン。なぜ「ジークフリート牧歌」ではないのだろう? でもとても優しく懐かしさのある曲です。2楽章の頭から。
🎧曲を聴く 44:19
この曲はこちらで使われていました。
▻第009話「クロプシュトック事件」19:05クロプシュトック邸
▻第010話「ジェシカの戦い」13:22士官学校時代 回想
▻第010話「ジェシカの戦い」17:27ヤンとジェシカ
▻第030話「失われたもの」14:40シューマッハを訪れるケッセルリンク
▻第030話「失われたもの」17:08ランズベルク伯爵とシューマッハを引き合わせるケッセルリンク
本伝で流れるのは、今回で終わりです。
あとは外伝のこちら。
▻「螺旋迷宮」第3話「英雄たちの横顔」8:30帝国の情報を見る
▻「螺旋迷宮」第13話「ひとつの旅の終わり」13:36アッテンボロー父子
原作には、ラインハルトははじめから臣下だけをもとめていたわけではない、だからビュコックの毅然とした態度ほどには、その言葉はラインハルトに感銘をあたえなかった、とあります(第7巻第6章Ⅴ)。
ラインハルトは優しい人なのですよね。でもそれに気づけるのはキルヒアイスだけだった、という原作の一文をたまたま見つけました(第3巻第2章Ⅴ)。読んでみてください。
17:05 (曲なし)
――🐺ミッターマイヤーからラインハルトへ報告
17:45 ブルックナー《交響曲第7番 第2楽章》
――🐺帝国軍の敬礼
A. Bruckner – Symphonie Nr. 7 E-Dur, WAB 107, II. Adagio: Sehr feierlich und sehr langsam
2楽章頭。ワグナーチューバのこのメロディーから始まる、シリアスな曲。
ずっとずっと気にしていた、気に病んでいたこのシーンが、ついにきてしまった。ラインハルトからの、起立、敬礼するようにとの命令をミッターマイヤーが全軍に通達し、同盟軍の残骸の中を厳かに進む帝国軍艦隊。この音楽の中を。そんなに長くは流れませんが…
🎧曲を聴く 21:23
曲については、こちらをお読みいただけますと幸いです。
→第029話「細い一本の糸」7:57ケッセルリンクと弁務官の会談
本伝では、他にはこちらで使われています。
▻第052話「バーミリオンの死闘(後編)」4:30作戦を見抜いたユリアン
▻第091話「発芽」13:55ロイエンタールから皇帝へ招請状
▻第107話「深紅の星路」15:22悩むユリアン
19:30 チャイコフスキー《交響曲第6番「悲愴」第1楽章》
――🐺イゼルローン失陥の報告
П. И. Чайковский – Симфония №6 си минор «Патетическая», соч. 74: I. Adagio – Allegro non troppo
1楽章頭。アダージョで、ファゴットの低いメロディーからはじまる暗い序奏。第052話「バーミリオンの死闘(後編)」9:48コーネフの戦死 で流れたのと同じです。
🎧曲を聴く
この序奏部分が流れるのは、本伝では2か所だけです。
あとはこちら
▻「奪還者」Kap.Ⅲ 20:00ラインハルトに報告するキルヒアイス
またしてもあの男にやられたと慨歎するミッターマイヤー(慨嘆!)。
そして、ヒルダさんすごい。
21:55 チャイコフスキー《交響曲第6番「悲愴」第4楽章》
――🐺キルヒアイスが生きていたらと話す双璧
П. И. Чайковский – Симфония №6 си минор, соч. 74 «Патетическая», IV. Finale: Adagio lamentoso – Andante
4楽章頭から。1楽章のシリアスな序奏を思い起こさせるような暗い曲。
🎧曲を聴く 35:43
こちらでも使われました。
▻第045話「寒波到る」8:15フェザーン占領の報を聞いた自由惑星同盟
▻第045話「寒波到る」21:14ビュコックたちがハイネセンを出発
▻「奪還者」Kap.Ⅲ11:18ヘルクスハイマー伯の遺体に会うマルガレータ嬢
ヤン・ウェンリーひとりを(原作では、“ヤン・ウェンリーの頭蓋骨の内容物(なかみ)を“ )おそれざるあたわず、とミッターマイヤーが言う。そして、キルヒアイスが生きていればこのようなことにはならなかったろうと話す双璧。
⬜エンディング「歓送の歌」
歌・作詞 小椋佳 / 作曲・編曲 星勝
自由惑星同盟軍最後の戦い、辛い回でした…
こんなTシャツがありますよ。
お笑いにしたいのならば(?!)pixivに、ラインハルトとの通信が切れる直前にビュコックの「これ、麦茶……」という声が聞こえた……という漫画がありました
BGMリストについて
BGM全曲をスプレッドシートでリスト化し、該当曲がアニメで流れる箇所からYouTubeで聴けるようにリンクを張っています。
今回ご紹介した第72話「マル・アデッタ星域の会戦(後編)」のリストが見られるのは こちらです。
このnoteをお読みになって曲に興味を持たれた方や、アニメを見て「聞き覚えはあるけれど曲名が思い出せない」「この曲をフルで聴いてみたい」と思ったとき、ぜひご活用ください。

