ひらひら泳ぐこいのぼり ─ おばあちゃん三部作その3
※ このシリーズは、私が幼少期に出会った「おばあちゃん」たちとの思い出を綴る三部作です。
私の母方の祖母は、ちょっとしたくせ者です。
親バカならぬ祖母バカで、私のことを自慢したくてたまらないのです。
でも、他人に自慢するのは気が引けるから、当の本人である私に自慢してきます。
ここでお話しするのは、その自慢話のひとつで、これまでに耳にタコができるほど聞かされてきた話です。
私が幼い頃、祖母いわく「言葉もしゃべりかねるような」頃のことです。
5月の行楽シーズンに、家族でドライブに出かけたらしいのです。
車の窓から外を見ていた私が、隣に座っていた祖母に声をかけました。
「おばあちゃん、見てごらん。こいのぼりがひらひら泳いでいるよ」
これは、祖母の言葉をそのまま文字に起こしたもので、きっと私自身がこう言ったわけではないと思います。
だって、私は「見てごらん」なんて言葉遣いをしたことがありませんから。
「ばあちゃん、見て。こいのぼりがひらひら泳っぎょるよ」
幼い私の言葉として現実味があるのは、こんな感じでしょうね。
祖母からしてみると、「こいのぼりがひらひら泳いでいる」という詩的な表現が幼い子どもの口から飛び出してきたことが衝撃だったのでしょう。
それが、時を経るうちに祖母の記憶の中で美化されて、大人になった私に伝えられる頃には美しく整った形に変化してしまったようです。
この一言を足掛かりに、私の言葉のセンスの片鱗を褒めちぎるのが、祖母の常套手段です。
学生時代は作文が苦手で苦労した私が、今になって執筆活動に夢中になっているのは、この祖母による手放しの称賛のおかげかもしれません。
***
以上で、幼少期の私と「おばあちゃん」たちとの思い出を綴った「おばあちゃん三部作」はおしまいです。
最後までお付き合いくださいまして、誠にありがとうございました。
点字note 一式
点訳後記掲載
何かお気づきの点やご質問等がありましたら、コメントまたは以下のフォームからお気軽にお寄せください。雑談も大歓迎です!
あ、それから!あなたのnote記事も点字に……なんて、いかがです? お声掛け下さいましたら、喜んでお手伝いさせて頂きます。
点字note まとめ記事(凡例あります):
https://note.com/gesund_fumika/n/n3dd6a7fcc744
点字note マガジン:
https://note.com/gesund_fumika/m/mc95de0aecf8e
いいなと思ったら応援しよう!
より質の高い点訳情報が発信できるよう頑張ります! 点訳関連資料の購入(辞書類や指導者ハンドブックなど)と、点訳環境の整備のために使わせて頂きます。