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管理職が実は部下より緊張している瞬間

若手社員からは、管理職はいつも堂々としていて、緊張とは無縁に見えるとよく言われます。
正直に言うと、そんなこともないのです。
管理職になっても緊張する場面はたくさんありますし、むしろ部下より緊張しているのではと思う瞬間もあります。
確かに場慣れしていて緊張をしない場面も多くなって来ていますが、昨今の人との接し方や考え方の違いからいろいろ気を使うことも多いのが実状です。

今回は管理職として私が実際に「これは緊張するな」と感じた場面を紹介しながら、その裏側で何を考えているのかをお伝えしたいと思います。

評価を伝える面談の直前
評価面談というと、評価される側の緊張ばかりが注目されがちです。
ですが、評価を伝える側の私も相当緊張しています。
なぜなら、伝え方ひとつでその人のモチベーションが大きく変わってしまうからです。
特に、評価が上がらなかった人に伝える瞬間は、何度経験してもどう伝えれば正解なのか難しいところでもあります。
言葉を選びすぎて、逆に何が言いたいのか伝わりにくくなってしまったこともあります。
面談前には、伝える内容を頭の中でシミュレーションしています。
部下からすると、上司はいつも冷静に評価を言い渡しているように見えるかもしれません。
でも実際は、その前から言葉を考えていることの方が多いです。

部下に注意や指摘をしなければいけないとき
仕事のミスや姿勢について、部下に指摘しなければいけない場面があります。
実は指摘する側はかなり緊張しています。
言い方がきつすぎれば萎縮させてしまいますし、遠回しすぎれば伝わりません。
特に、普段から真面目に頑張っている部下に対しては、余計に言葉を選びます。
「せっかくやる気があるのに、これで気持ちが折れてしまわないか」と考えてしまうからです。
最近では、これに加えてもう一つ気を張っていることがあります。
それは、自分の指摘がハラスメントと受け取られないかという緊張です。
必要な指摘だとわかっていても、言葉遣いや声のトーン、伝えるタイミングを誤ると、パワハラだと感じさせてしまうかもしれません。
そう考えると、伝えたいことがあっても、つい言葉を飲み込んでしまいそうになる瞬間もあります。
それでも指摘しないままでいると、本人のためにも組織のためにもならないので、伝え方を何度も練り直します。
指摘する内容自体は決まっていても、どの順番で、どんな表情で、どんな言葉を選んで伝えるかを直前まで考えています。
伝えた後の相手の反応を見て、初めてほっとすることも少なくありません。
部下からすると、上司は淡々と指摘しているように見えるかもしれません。
でも実際は、伝える前の数分間が一番緊張しています。

自分より詳しい部下に質問するとき
技術の進化が早く、IT化が進んだ今、自動車開発の現場では、若手の方が新しい知識やツールに詳しいということが珍しくありません。
そういうとき、正直なところ質問するのは緊張します。
「こんなことも知らないのか」と思われたくないという気持ちが、管理職の中にもあるからです。
以前、新しい解析ツールについて若手に教えてもらったことがありました。
最初は聞くのをためらいましたが、思い切って質問してみると、丁寧に教えてくれて、むしろ距離が縮まったように感じました。
知らないことを認めて聞く方が、変に知ったかぶりをするより、結果的に信頼を得やすいと実感した出来事でした。

上位の会議で報告するとき
若手が私たち管理職に報告するとき、緊張している姿をよく見かけます。
実は私たちも、上の役職者の部長や役員が出席する会議で報告するときは同じように緊張しています。
うまく伝わらなければ、その場で厳しい質問が飛んでくることもありますし、準備不足はすぐに見抜かれます。
資料を何度も見直し、想定される質問への答えをあらかじめ用意しておきます。
それでも会議室に入る直前は、心臓が少し速くなっているのが自分でもわかります。
若手が私たちに報告するときに感じている緊張と、実はそう変わらないのだと思います。
立場が変わっても報告する相手がいる限り、この緊張から完全に解放されることはないのだと思います。
部下からすると、上司はいつも堂々と会議に出ているように見えるかもしれません。
でも実際は、会議室に入る前の数分間、若手だった頃と同じような緊張を抱えています。

部下から本音を聞き出そうとするとき
1on1などで、部下に本音を話してもらいたいときも、実は緊張しています。
「今の仕事、正直どう感じてる?」と聞いても、当たり障りのない答えしか返ってこないことがあります。
それは、部下が上司である私に対して身構えているからかもしれません。
本音を引き出すためには、こちらから先に少し弱さを見せることも必要だと感じています。
「実はこの前の判断、迷っていたんだよね」というように、自分の迷いを話すと、相手も話しやすくなることがあります。
この駆け引きのような瞬間は、部下が思っている以上に神経を使っています。
特に若い子の考えていることが正直理解できていないのが管理職の本音ですが、理解したいとは思っているのでもっと本音で話してもらうにはどうすべきか常に考え緊張しています。

おわりに
管理職はいつも自信満々に見えるかもしれませんが、実際にはさまざまな場面で緊張しています。
評価を伝えるとき、指摘をするとき、自分より詳しい部下に質問するとき、上位の会議で報告するとき、本音を引き出そうとするとき。
どの瞬間も、部下から見えている以上に気を張っています。
面白いのは、若手が私たちに感じている緊張と、私たちが自分の上司に感じている緊張は、実はそれほど違わないということです。
役職が上がっても、報告する相手や評価される場面がなくなるわけではありません。
緊張しなくなるのではなく、緊張しながらもうまく振る舞う経験が少しずつ増えていくだけなのだと思います。
もし今、報告や面談の前に緊張しているなら、それは決して未熟だからではありません。
管理職になっても、その緊張とはずっと付き合っていくものなのです。

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私は自動車製品開発の管理職として、
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