昇進する人は、評価会議でどう語られているのか
評価会議が終わったあと、管理職である私はいつも同じことを考えます。
なぜあの人は昇進して、あの人は昇進しなかったのか。
昇進した本人も、昇進しなかった本人も、会議室でどんな言葉が交わされていたかは知りません。
会議で議論される内容はいつも大体同じです。昇進させるかどうかの判断は同じような内容だということです。
評価会議というと、実績を数字で並べて過去の成果を評価すると思われがちです。
私自身も若い頃からそう思っていました。
ただその場に何度も同席してきて、少しずつ思い込みと違う感触を持つようになりました。
数字はもちろん見ます。
ただ最後に「この人を上げよう」という空気が生まれる瞬間は、数字とは少し違うところにあるように感じています。
以前、こんなやり取りがありました。
「Aさんはスキルは高いけど、まだ次の仕事を任せるには不安が残る」
「Bさんは突出したものはないけど、任せて不安にならない」
結果、昇進したのはBさんでした。
これを聞いて、納得できない方もいると思います。
実は私自身、管理職になりたての頃は同じように感じていました。
それでも今なら少しわかる気がします。
会議で語られているのは「実力」というより、「何を任せられるか」なのだと思います。
もう少し具体的にお話しするといくつかパターンがあるように感じています。
一つ目は「あの人なら大丈夫」という言葉です。
これは能力というより、信頼の話です。
トラブルが起きたとき、隠さず報告してくるか。
指示を待たずに、まず動けるか。
そういう積み重ねが、この一言になっているように思います。
二つ目は「あの人、最近どう?」という質問です。
この質問が出るとき、私は少し注目します。
その人について、もう一段深く見ようとしているサインだからです。
逆に、名前すら挙がらない人もいます。
悪い評価がついているわけではありません。
ただ話題にすらならない。印象に残っていない。
これが一番怖いことかもしれないと私は思っています。
三つ目は「一緒に仕事したい」という言葉です。
これは管理職の本音が一番出る瞬間だと思います。
どれだけ優秀でも、扱いにくいと感じさせる人にはこの言葉は出てきません。
逆に経験が浅くても、この言葉が出る人がいます。
私自身、若手の頃は、とにかく成果を出せば評価されると思っていました。
資料の完成度にはかなりこだわっていました。
誰よりも早く仕上げよう。
誰よりも多く仕事をこなそう。
「これだけやっているんだから、きっと評価されているだろう」
そんなふうに思っていた時期があります。
ただ今、管理職として会議に座ってみると、当時の自分について語られていた言葉は、案外こんな感じなものだったのではないかと思います。
「あの子、報告が丁寧だよね」
「あの子、仕事が早いよね」
名前が出てくるだけ、まだいいですが、成果そのものの評価のみでその後の仕事を任せられるのかどうかの判断まで行っていない。
成果を出さなくていいという話ではありませんが、成果だけでは昇進の評価に至らないのです。
会議で名前が挙がる人には、なんとなく共通点があるように思います。
それは、次の仕事を任せたときにチームや周りを上手くまとめ上げて遂行することができそうか。
だから管理職として評価するとき、
「この人は優秀だから昇進させよう」だけではなく、「この人に、もう一段大きな仕事を任せてみよう」
という感覚が重要になります。
評価会議で語られているのは、単なる過去の成績表ではありません。
「この人に、次の仕事を任せても大丈夫か」
管理職が見ているのは、結局そこなのだと思います。
おわりに
評価会議は思っているより人間くさい場所です。
数字の裏側で、「この人に次の大きな仕事を任せることができるか」を無意識に考えています。
そう思うと、日々の振る舞いも少し変わってくる気がします。
もしあなたが今、評価会議で名前を挙げられるとしたら、どんな一言であなたを語ると思いますか。
ぜひ一度、自分の仕事を「評価される側」ではなく、「評価する側」の視点から振り返ってみてもいいのではないでしょうか。
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私は自動車製品開発の管理職として、
若手時代に知りたかったことや、
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