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事業計画の用語 #15: そもそも「事業計画」とは?

これまでこの「事業計画の用語シリーズ」では、起業に向けて自分の事業計画を人に説明したり議論したりする際に、私が気になって調べた言葉や、逆に人に意味を聞かれた言葉などを、ご紹介してきました。

でもよく考えたら、そもそも「事業計画」って何を指すのか、あいまいだったなあ、ということに気がつきました (笑)。

というわけで、整理してみます。


1. 事業の種類

新しい事業を計画するとき、その事業の性質によって、ステークホルダーやその意思決定の基準が異なります。そのため「事業計画」に記載する範囲も異なってきます。

2. 事業計画の構成 (フルバージョン)

事業計画 / Business Plan

 ビジネスの全体像、戦略、および数値的な裏付けを体系的にまとめたパッケージ全体の総称です。以下の3つが整合性を持って構成されている状態を指します。

[1] ピッチ資料 / Pitch Deck

顧客の課題、解決策、市場規模、チームなどを視覚的・定性的に伝えるスライド形式の資料。投資家やパートナーに「この事業の物語 (ストーリー)」を理解・共感してもらうのが目的。ピッチ (プレゼンテーション) だけでなく、提出にも用いられる。

[2] 財務計画 / Financial Plan

事業の数値をシミュレーションした計画書。以下の3つの要素で構成される。

  • [2-1] 前提条件 / Assumptions
    数値計画の基礎となる前提条件。販売に関するKPI (月間ユーザー獲得数、解約率、顧客単価など) や主要コスト (人件費、広告費、開発費など) の具体的な数値を仮定する。

  • [2-2] 損益計画 / Profit and Loss (P/L) Projection
    売上、原価、販管費、利益の推移の計画。事業の「稼ぐ力 (収益性)」、特に「いつ黒字化するか」「最終的にどのくらいの利益規模になるか」を示す。通常、5年間程度、あるいは累積黒字化するまでを記載する。

  • [2-3] 資金繰り計画 / Cash Flow (C/F) Projection
    「現金 (キャッシュ)」の増減と残高の推移の計画。黒字でも現金が枯渇すれば倒産する。大企業の場合は資金繰り管理は本社が行うことが多いが、スモールビジネスやスタートアップでは事業計画の一部として資金繰り計画が不可欠。

[3] 資本政策表 / Cap Table

いつ、誰が (創業者、投資家、社員など)、いくらで、何%の株式を取得するかを示す計画表。複数回の資金調達を行う場合、持株比率の変化 (希薄化) や、将来のExit時の取り分をシミュレーションするために不可欠。

3. 事業の種類ごとの計画の範囲

事業の種類と、事業計画に必要な項目の関係は以下の通りです。

(A)(B)(C) 共通:
[1] ピッチ資料、[2-1] 前提条件、[2-2] 損益計画の3点は事業の種類によらず必要です。

(A) 企業内の新規事業:
資金繰り (キャッシュフロー) 管理は全社で一元管理することが多く、新規事業の事業計画には [2-3] 資金繰り計画 は不要なことが多いです。
また、資本政策も会社として実施するため、[3] 資本政策表も不要です。

(B) スモールビジネス:
たとえ自己資金のみであっても、現金の枯渇を防ぐために [2-3] 資金繰り計画が必要です。
一方、株 (エクイティ) による資金調達を目指さない場合は、[3] 資本政策表は不要なことが多いです。

(C) スタートアップ:
現金の枯渇を防ぐために [2-3] 資金繰り計画が必要です。
スタートアップの場合は、その資金を株 (エクイティ) で、かつ、複数のラウンドで調達するのが一般的なので、[3] 資本政策表も必須です。
これが 2. で説明したフルバージョンです。


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