2025年10〜12月を振り返る ・ 映画版
そんな訳で2025年の10〜12月に映画館で観た映画の感想。並びは観た順。
観たこと前提でネタを割っているので、未見の方は読まれる際にご注意ください。
今までの他映画感想はこちら↓から。
『グランドツアー』(原題:Grand Tour)
わざわざヒント残していかなきゃいいんじゃ……?>エドさん
ポスター見ただけで行こうと決めたので、いろいろと意表をつかれました。
「逃げる人と追う人(婚約者同士)」とくれば、性別がどっちであったとしても、どちらかに否応もなく感情移入しちゃうもんじゃないですか。
あるいは「逃げパート」では逃げる方に、「追いパート」では追う方に思い入れちゃって、「あー、逃げる気持ちも判るけど追いついてほしくもある!」みたいに身悶えたりとか。
でもこの話、どっちにも感情移入できなかった。と言うか、感情移入できない人だらけだった(笑)。
逃げるエドにも正直だんだんイラっとしてくるし、追うモリーはなおさら。
多分わたしだけじゃないと思うんですが、あの笑い方がどうしてもどうしても受け付けられなかった。女でも男でも、たとえ外見や性格が超好みであっても、あの笑い方だけで恋心が一瞬で蒸発する自信があります。
何だろうな、ちゃんとしたお金持ちのおうちの娘さん設定に見えるんですが、あの笑い方は矯正されなかったのか。
まあそれでも笑い方だけならただの「個性」なんですが、傲慢さがどうにもキツくて……特に嵐の中で「もうムリ」言うてる船長に、自分の為に進め、と押し通すところとか。結局、牧師も船員も死んじゃって、自分も落水してゴックに助けてもらう始末。
船員は勿論、ついてきてくれたゴックの命もほんとに軽いんだな、彼女にとっては。キツい。
全体的にこの「アジア(植民地)への軽視」がそちこちに感じられて、正直微妙な心持ちに。
主役達以外の場面で使われる「現代の街の風景」、まあ面白いと言えば面白いのかもしれないけど、正直「手抜き……?」とも思ったし(笑)。ちゃんと時代考証して現地の人や衣装を用意して、という気がないんだなと。まあそれをやったらお金も時間もかかりすぎちゃうんでしょうけども。
一瞬「なんなのこのヒト、『アジア辺りは現代の風景でもひと昔前と大して変わらんだろうからこれでヨシ』とか思ってんの!?」と穿った見方すらしてしまいました。
『シンハードリ』(英題:Simhadri)
警察のヒト、その斧どっから出した(笑)。
インド映画によくある「神話的超強い主人公」もの。
だからまあシンハードリが強くて無敵で超正義の人で、そこはいいんですけども、それによりかかってばっかの周囲の人にちょっぴり微妙な気持ちになりました。
特にケーララの警察官のおじさんがキツかった。だってあの状況でスルーしていく警官ってサイアクじゃないですか? あの瞬間の被害者が感じたであろう絶望たるや。アナタどの面下げてちゃっかり正義側にまわってんですか、と問い詰めたい。自分が被害者だったら、間違いなくシンハードリに「あの人も殺してください」て言うと思う。
まあとは言え、無償の旦那様ラブはラジニの『ムトゥ 踊るマハラジャ』の旦那様愛を思い起こさせてほっこり気分になりました。
ブラフマーナンダムも好きです。なごんだわこの夫婦。
ダンスがたくさんあったのが嬉しい。若きNTR、かなりぽっちゃりなんだけど、ダンスのキレの良さがすんごいです。テルグのダンスは縦ノリで激しいな。
中でもヒロインではない相手とのダンス、「Chinnadamme Cheekulu」がいいです。何せ相手がラムヤ・クリシュナ!
この目力とセクシーさよ……!
しかしダブルヒロイン、どっちも選ばない選択になるとは思いませんでした。ちょっぴり『歌う色男、愛・ラブ・パラダイス!』を思い出したりもした。
しかしドラクエ5で何回プレイし直してもどうしてもビアンカしか選べない自分はインドゥ一択です(笑)。お嬢様はこの先よそでいくらでも幸せ掴めるでしょうし、そこは両親も失って苦労続きのインドゥに譲ってあげなされよ……。
『フランケンシュタイン』(原題:Frankenstein)
薪や柵をつくってくれたのは、ごん(違う)、お前だったのか……。
大変いい感じにギレルモ・デル・トロでした。いいですね。
デルトロのヒロインは基本、異形や歪んだ精神に惹かれちゃうのね。ご当人には気の毒だけど、絵に描いたような王子様顔&活発明朗精神のウィリアムには全然興味が無いんだろうなあエリザベス女史(笑)。
ミア・ゴスがハマリ役。ゴシック似合うなあこの人。衣装がどれもこれも好き。
途中からやらなくなっちゃったけど、ヴィクターがやたら牛乳飲むのが謎で可笑しかった。
美術が本当に素晴らしかったです。お母さんの棺が美しすぎる……!
でも怪物さんを作成するあのお部屋は謎でした。あんなヘリのところがなだらかな大穴のある部屋、怖すぎじゃないですか!? アリジゴクの巣か。見た目は勿論、むちゃカッコいいですけども。
そしてこの映画に対して最も言いたいことはコレです、「パンフつくって……!」(涙)
ネトフリさん頼むから本当に。日本人は買いますよパンフ。特にデルトロなんて相当数の固定ファンがおりますから、確実に売れますよ。
あー、本当にどなたかネトフリの偉いさんに伝えてほしい。映画パンフレットは日本の優れた文化なんですよ!!
『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』(原題:Bonhoeffer: Pastor. Spy. Assassin.)
オッサン2ドル返せや……!(怒)
いくつかの要因の為に、自分にはちょっと合わんなぁと思ってしまった作品。
まあそもそも自分の勝手な思い込みが悪いんですが、「思ってたんと違った」んですよね。自分の希望としては史実ドラマが見たかったのに、感情の流れを主軸にしたドラマとしてつくられていたので。
チラシを見て行くことに決めたんですが、主人公の人生の中のピンポイントなところだけをざくっざくっと拾っていくので、詳細が省かれ気味なんですよ。もう少し細かいところ、イギリスで具体的にどんなスパイ活動をしていたのか、暗殺組織の内情とか暗殺計画の詳細とかが見たかったんですが。
ヒトラーには相当数の暗殺がしかけられたものの、それ等がことごとく失敗したというのは有名な話なので、多分海外の、特に西欧辺りの方々にはこのざくっとした描写でも「ああアレね」的に理解できちゃうんだと思いますが、その辺の知識が少なめの日本人にはキツい。
自分はたまたま知ってたのでいいんですが、何も知らないと「なんであの人は爆発させないの? なんで爆弾洗面台に放り込んでるの??」てなりそうです(一応その後に「起爆装置がうまく動かなかった」みたいな話はちょっと出てきますが。でも確かこの時って、せっかくヒトラーが来たと思ったのにサーっと帰っちゃって殺る間もなかった、みたいな流れだったような)。
でもって「ほぼ全編が英語」なのも不満。
正直、今どき珍しいなあと思いました。昔は本当にハリウッドパワーが凄くて、アメリカがつくってる映画だと、どの国のどの時代が舞台でも皆さん当然のように英語をお話しになっておいででしたが、近年、特に歴史ものでは大体ちゃんと「舞台になってる国の言葉」が使われているというイメージだったのに。
とどめに構成が判りづらいところ。過去と現在が交互に出てくるんですが、組み合わせ方をもうちょっと何とかできなかったのかと……。
一番謎だったのが、最後に連れていかれたほったて小屋みたいな収容所に入る直前に、そもそも今回こうして囚われている状態になった自宅へのゲシュタポの踏み込みシーンを入れたところ。これ別になくても良くないですか?
時間的にもうラスト近いのは判ってるし、ぶっちゃけラストは死ぬのも歴史から判っているし、彼がどういう子供時代を歩んで大人になって、どうしてこういう思想に至って、どうして囚われることになったか、全部この時点で判明してる訳ですよ。で、捕まって囚人になってる現状態も判ってる。踏み込まれた時に何か劇的なセリフや行動があったならまだしも、取り立てて言う程のこともないあんな短時間のシーンを入れる必要が本当に判りませんでした。瞬間的に過去シーンだと判らなくてすごく混乱したし。
どうしても捕縛シーンを入れたいのなら、冒頭に入れるべきでは。で、バスに乗って、眠りに落ちて、少年時代回想スタートでいいんじゃないかしら。
それにしても、いくら何でも12歳の年齢差があるアラサーとアラフォーの二人が「双子」設定はムリがありすぎると思いました(笑)。ほんの数分しか出てこない人なのに、どうしてもその役彼女じゃないとダメだった?
わたし実のところ、出てきた瞬間は「アレ、お母さん? 顔だいぶ変わったな??」と首をひねってしまったくらい。だってこの役者さん、なんとお母さん役の人より3歳若いだけなんですよ。不思議すぎる。何故主役と年の近い人にしなかったのか、本当に理由が知りたい。
『視える』(原題:Oddity)
あんな結婚祝いはイヤだ……!
好き。大好き。もう見ている間中ずっと自分の好きツボを押されまくって、高級マッサージを受けてふにゃふにゃにほぐれきったような心地になりました。
あまりにも気に入ったので、自分が見た11月時点で公開されている他の地域の方にも見ていただけたらと思い、こんな記事まで書きました。
冒頭の殺人事件の後、「えええ、アンタその家住めんの?」「新彼女アンタもよう来るなココ!?」と仰天して見ておりましたが、成程、そりゃ住めるわな旦那の方は……だがやっぱり新カノの神経は謎すぎでした。自分が男側でも女側でも、恋人の昔の結婚相手が惨殺された家(しかもたった1年前)なんか絶対ヤじゃないですか? ヤナさん、鋼の神経だな……。
好きなシーンは山のようにありますが、最高なのは上であげた記事でも書いた、「医者旦那の家で独特の気まずさ(ただしそれを感じてるのはおそらくヤナの方だけ)が漂う二人の間ですんごいホラー顔でどてんと座ってる木偶の坊」です。もう本当に本当にシュールで可笑しくてかつ怖い。
ゴーレムに仕込んだ呪物を「戻しなさい!」てバシっと叱られて、そうっと戻していくヤナさんも可笑しかった。ヤナのキャラ、結構好きです。男の趣味が悪いのだけが難だけど(笑)。
それにしても、ホラーやサスペンスで「一番コワいのは『まともに見える人間』だよ」て展開は大変ありがちではありますが、この医者旦那が本当に本当にヤバみを振り切っています。隔離されるべきは貴様の方だ>医者旦那
特に「イヤそれ離婚すりゃいいだけじゃ……?」と大変真っ当な質問をする手下に、「妻は僕を愛している、僕がいないとダメなんだ」的なことを微笑みながら言う姿にぞーっとするのとうげーっとするのを同時に感じました。ダーシーも言ってますが、「最初は悲しむだろうけどいつかは立ち直れる」その通り。
つまりはコレ、「自分は妻を捨てたいけれど、捨てた妻がよその誰かと幸福になるのはイヤ」てだけなんだろうな。それも勿論「愛」からではなく、ただの「支配欲」。一度支配下においた相手は一生その立場にいないと許せない、ただそれだけ。
最後、あの状況であの家にヤナが住んでくれると思ってるのもスゴいですよね……逃げられて本当に良かったな、ヤナさん。
どうもネット見てると「ダーシーが医者の罠にかかった」と受け取ってる人が多いんですが、そうじゃないと思うんですよね。あれはダーシー、判ってて落ちてる。
盲人の人の聴覚で、あの床板上げたりする音に気づかない筈がない。目の前にあの空間があったら、その先に置かれた携帯の音も違って聞こえる筈だし。慣れない家で、床に座り込んでいたものをわざわざ立ち上がり、手すりも壁もない状態で足先で床を探ることもなく歩き続ける筈もない。
ダーシーはあれを覚悟して、と言うか、むしろあれの為、死ぬ(殺される)為にあの家に来てるんですよ。だからこそゴーレムを事前に送ってる訳で。自分の死によってゴーレムと「つながる」ことができる、彼女の魂が繋がることで初めてゴーレムは起動できる。いわば「覚悟の自殺」な訳です。
最初に容疑者とされた病人を彼女は殺してしまってるのですね。その方法は判りませんが、まあオカルティック、呪詛による殺人なのでしょう。
それは勿論、相手が犯人だと思っての「復讐」。けれどそれは間違っていた。「償う覚悟はある」と彼女は言った。
多分ですが、本気の「復讐の呪い」で殺せるのは一回だけなんじゃないかと。それを使ってしまったから、真犯人である医者旦那は「自らの命」を使って呪うしかなかった。そうやって自らの命をなげうつこと、病人に容疑をかぶせた為に間接的に彼を死の運命に追いやった医者旦那を呪うことが、彼に対しての彼女なりの「償い」なんだと思いました。
……だがしかしこの映画最大の問題は「予告」だと思う……。
ベルはさー、鳴らしちゃダメでしょうよ。絶対にダメ。
鳴らそうかどうしようか迷う手なら映してもいい。でも鳴らすのを見せるのは最悪。
まあ確かに「このヒトの性格から考えたら押すな」てのは予測がつきもするんですが、でももしかしたら、押しかけてやめ、その場を離れたのに、棚の上の物とかがいきなりぽとんと落ちてベルを鳴らしちゃう、みたいな展開の可能性だってある訳じゃないですか。
その観客の「あ、あれ例のベルだ、このヒトきっと鳴らすよな、鳴らしたらデスボーイが来るな、ふふふ判っているぞ、さあ押せ今押せ、……あれ、押すの押さないのどっちなの? 押さなかったらどうなるの!?」て手に汗握る楽しみを根こそぎもぎ取るじゃないですか。冒涜ですよ(笑)。
だけれども邦題は良い。すごく良い。原題だと単に「奇妙」でしかなくて、正直この映画を現している感じがしないんですよ。でも『視える』は大変にイメージを喚起されます。
まず「見える」ではないのは何故だ、と気になるし、主役が盲目の人、更にはオカルトものだと知ると「ああ、だから『視える』なんだ、主人公には一体何が『視えた』んだろう」と興味も深まります。素晴らしいな。
そしてパンフが500円という昭和時代価格で破格の安さ。なのに中身は充実。別に紙質が悪いとか写真が粗いとかいう感じもないのに、本当に何故いまどきこんなに安くできるのか。こちらも素晴らしいです。
『モンテ・クリスト伯』(原題:Le Comte de Monte-Cristo)
そのマスクつける意味ある……?
世界中大好き、でも特に日本人が好きなんじゃないかと思う『巌窟王』。陰謀、無辜の投獄、幸福絶頂での別れ、すべてを強奪される理不尽、時を経ての周到なる復讐。
ボリュームのある原作を3時間にまとめる為、はしょれるところははしょって改変もたくさん。でもこれはこれでアリだと思いました。エデちゃんは伯爵LOVEでいてほしかったけども……(笑)。
何よりパンフでの監督インタビューの、「原作を読んで止まらなくなるように、映画の冒頭で高まる緊張感をこの1作中で解決させたい」「観客に『続編は半年後にやるからまたイフ城塞に戻ってきて!』というのは無理」てなお話に首がもげる程うなずきました。
そうなんだよ、盛り上げるだけ盛り上げられてぶった切られて、「続きは後ほど」とか言われても。気持ちの糸が切れるのよ。日々ドラマも小説も映画も漫画もいろいろ見るし、途中で放られた話をずーっと覚えてなんていられないのよ、よっっぽどの名作でもない限り。このスピリット、インド映画も見習って!
……とは言え、「半年後」に続き見られるなら全然OKじゃん、とも思いました(笑)。早くたって来年だよね、続き物映画って。
一番納得いかないと言うか、うーん、と思ったのは、やっぱり「二十年後が変わらなすぎる」ことでしょうか(笑)。一発でバレるやんアレ。
あのルパン三世がよくやるような、べろーんとはがせるマスク、本当に意味が判りませんでした。だって付けてる状態と外してる状態、殆ど変わりなくないですか? 最初の白髪老人マスクは良い変装だと思いましたが。
さすがになあ、二十代と四十代、それも肉体的にかなり過酷な時期をはさんでの二十年なので、ここは思い切って別の俳優にやらせた方が良かったと思います。勿論その分、人件費はかさみますけども。
あともうひとつは映画自体の問題ではないものの、ラストはやっぱり「待て、而して希望せよ」であってほしかった。本当に素晴らしい訳だと思います。山内義雄氏の訳だそうです。
こういうの使っちゃダメなのかな? でも「原作・モンテ・クリスト伯」もので自分が一番好きな「アニメ『巌窟王』」では、予告に毎回コレ使ってたしな。
ちょっとその辺の事情は判らないですが、これ程までに胸の内で翼が空気をはらんで大きく膨らむような思いのする訳は無いと思いますので、ラストはこれでばしっと決めてほしかった。
ちなみにアニメ『巌窟王』は本当に何もかもが美しいです。サントラも買いました。未見の方はぜひ。
時代ものの好きなところは衣装と美術。ゴージャスで良き。エデのドレス美しいわ。
伯爵のおうちの、真ん中に暖炉(と言うかストーブ??)がある部屋が好き。実際にあんなモノあったんですかね?
『マーク・アントニー』(英題:Mark Antony)
アントニー(父)、そのアナコンダ砲の先には息子もいますよ……!
主役は勿論マーク・アントニー、ヴィシャールの方なんですが、パンディヤン父子を演じるS.J.スーリヤーが、何がしかやるごとにもう面白すぎて存在感バリバリで目が離せない。
そして猛烈にカッコいい。アントニー(父)が病院で襲撃されているのを助けに来て、廊下の端からスーっと滑り込んで登場するシーンでハートを撃ち抜かれました。惚れてまうやろ……!
冒頭の発明シーンとか時間を操作できるとかの辺りに『24』を思い出しました(感想はこちら)。
でも「物語内での設定」は『24』の方がしっかりしているかな。こちらは最初に明記された「5つの掟」の「電話の記憶は発信者のみ」てルールが最後の方では無効になってる感があったので。
特にラストシーン、おかしくないですか? 発信者しか知らない電話内容によって過去が改変されているのに、どうやってチランジーヴィがそれを知ることができるのか。
彼の妻は、彼の電話によって「事故にあい教師にもなれなかった記憶」を完全に失って、幸福な今の人生しか認識できてないじゃないですか。チランジーヴィだってそうなってないとおかしいのに。
そもそもあの電話の時点で「この先自分は死ぬ」てのを知ってるのもヘン。更にそもそも論でいくと、「知ってるんならわざわざ電話で脅しかけなくてもアナタがあの晩クラブに行かなきゃいいだけですよ」て話だし(笑)。それにしても、アナタはもう少しアナタの言うことを聞け>チランジーヴィ
まあ対立する勢力の互いのどんでん返しをコメディタッチで描く作品には、よくこういう「はー良かったおさまるところにおさまった……えっ、ラストにそれ出てきちゃう!?」て締めは割とどの国でもやりがちではあるんですけどもね。
……などと言っていると気に入らなかったと思われそうですが、そんなことはなくって、むちゃ好きです。でもこの好きの理由の大半はスーリヤーさんの快演(怪演)にあると言っても過言ではない。父の時も子の時もいいけど、どちらかと言えば父の方が好きかな。ダンディさと悪どさ、どちらも極まっている。
この人、悪人やっててもだんだん可笑しみが上がっていくのがたまらんなぁ……。
円盤が心の底から欲しいのですが、どうも配給会社ともともと映画祭でこの作品を最初に日本で公開した側とが違っていて、なんやゴタゴタがある為に普通に購入ができない模様(詳細は一切知らないですが)。
一介のインド映画好きとしてはただただ困惑します。円盤がムリならwowowとかBS12とかでやってもらえないものか……。
※後記
その後、無事にBlu-rayが販売されました。勿論購入済です!
SPACE BOXさんありがとう!
『KILL 超覚醒』(英題:Kill)
あの白ベストのコスいデブは一体どうなったん……?
さすがに105分ある中で90分がアクションシーンなのはキツい。イヤ違うな、面白ければそれでもいい。正確に言うと、「物語」が殆どない上に、アクション、特に「覚醒」してから後のアクションにだんだん飽きがくるのがキツい。
まあ一応「金持ち親に反対されてる恋人同士」とか、「強盗一族が親族死んで悲しんだりちょっと仲間割れしたりする」なんてストーリーはありますよ。でもソレほんのちょっぴりだし、大して深掘りされたりもしないので。
それでも終わった後に何らかカタルシスというか、「もうボッロボロ、でも守りたいものは守れたから良し」てなるなら見終わったこっちもスッキリしますが、彼女は死ぬわ親友は死ぬわ協力してくれた若いもん達も死なすわで何ひとつ報われない。
確かに彼女の妹は死にませんでしたけども、何て言うのか、「流れでたまたま助かってる」感があるし。
主人公の首絞めて殺しかけてる青ジャージのマッチョを背後からぶん殴ったお母さん達は、確かに「主人公の命を救った」と言えますが、妹にはそういうはっきりくっきり「救った」てシーンがなく父親と他の乗客が保護してて、妹当人に主人公がたいして集中してないのが見てて判るので。
もう少しなあ、何と言うか、工夫が欲しい。勿論、ジッポとオイル使ったり消化器使ったりしてヤっていくシーンもあるんですが、もっともっとそういうのが欲しかった。で、できればそれを、乗客と協力して行ってほしかった。
どうしても「たったひとりのつよつよ主人公」にすべてを任せがちになるインド映画ですが、この閉鎖状況でそれはやっぱりおかしいんじゃないかと思うんですよ。息子殺されたお母さん達はさすがに立ち向かってくれますが、ほんとに一瞬だけだし。
電車であることを存分に利用したアクションや(もんのすごい急カーブがあることを知ってる客がいてその動きを生かすとか)、乗客達の持つ日用品を使って罠を考えたり、それを乗客達の協力で発動させたりとか、そういうのが見たかった。
ネットで感想見てたら「主人公が無敵じゃなくて、ちゃんと敵にやられて満身創痍になるのがリアリティあっていい」て意見がいくつかありましたが、イヤあれ無敵じゃないですか……まあ確かに、頭殴られたりした直後はぐわんぐわんなってよろめいたりもしますけど、結局またちゃんと復活して、「今のケガ治ったんかい」て勢いでバリバリ戦ってるんですもん。そもそもラストまでに十回は死んでないとおかしいレベルでやられてると思います、主人公(笑)。
あのケガで両足で立って歩ける時点でリアリティはゼロよ……。
……だがしかし、あんな風に「あんなヤツいるなんて思わなかった、オレ達もう下りるよ」てなるような方々が、殴られたり蹴られたりして座席に吹っ飛ばされた後に不死鳥のごとく立ち上がってこなくてもいいんじゃないかと思いました(笑)。自分だったら、もうそのまま死んだふりして倒れたままでいます。最終的には警察が来て捕まるにしても、死ぬよりマシじゃないですか……。
『落下の王国 4Kデジタルリマスター』(原題:THE FALL)
でもよく考えてみたら看護師さん何にも悪いことしてないよね……(笑)。
今までの『落下の王国』関連記事はこちら。
そんな訳で改めてスクリーンで美しい映像で見られて嬉しい。
アレクサンドリアちゃんは健気でかわいいな。医者と母親の言葉をそのまま訳さないところに子供の一途なやさしさを感じました。お医者さんもアレ判ってるんだろうな。
アレクサンドリアにとって、すべての映画の中に遍在する「落下するロイ」。哀しくも美しく、崇高なる希望です。
物語は「語られる側」のみならず「語る側」にも、変容と未来へのかすかな展望をもたらす。「語る/騙ること」、「語られる/騙られること」の真髄をこんなにも見事に顕し尽くした映画はなかなかありません。物語りたいひとすべてに見てほしい。
それにしても上の記事に書いた地上波放送の時も思いましたが、一体どこにこんなにも『落下の王国』好きが隠れていたのか(笑)。監督、石岡瑛子さんにもこのヒットぶりを見せたかったろうなぁ……。
ちなみにこちら、2020年に東京都現代美術館で開催された『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』の図録です。展示そのものは見にはいけなかったのですが、公式通販で買いました。



ちなみに2021年には、京都dddギャラリーで『SURVIVE - EIKO ISHIOKA /石岡瑛子 デザインはサバイブできるか』が開催されていて勿論行きました。
なんとこちら、衝撃的なことに無料。
こんなにちゃんとした解説チラシまでついていたのに……。




dddギャラリー、今は四条烏丸に移転していて、先日のこみゃく展示では大盛況を博しておられましたが、当時は太秦天神川という市内中心部からは離れた位置にあり、本当に本当に空いていた。非常に堪能いたしました。
こちら、名言おみくじ? 記憶が曖昧ですが、好きな番号を3つまで選んでもらえる、みたいな感じでした。
繰り返すも、これで無料ですよ……すごない……?


右から
「最初は頭脳で分析、構築し考え方の基本を作る。 その後、自分を「無」にして作り手たちの意思と感情を読みに入って行く。 スタッフと話し込み、いくつかの候補に絞って、 観客たちに向けて血液をドクドク送り込む。」
「テレビも舞台もポスターも新聞も、何もかもが私のキャンバスになる。 地球のすべてが私にとってのスタジオ、地球のすべてが私にとっての素材。」
「チームの作り方はいつもフリーにしておきたいわけです。 表現はスタイルであってはいけないと思うから。」
『雨が見つけた君』(英題:Varsham)
バドランナさん絵ウっマぁ……!
どなたかこのオヤジこそを再起不能にしてくれまいか……!
そんな訳でほぼ全編通してヒロイン父への怒りがくすぶり続ける話でした(笑)。映画内での悪役、ゴーピチャンド(青木崇高似)演じるバドランナよりも悪どい。
バドランナ、確かに悪いヤツなんだけど、「貸した金を返せ」てのはごくごく当たり前の要求だし。まさか行方をくらますとはさすがに予想もしなかったんじゃないかしら。
これと別れない母親も正直娘からしたら毒だわ。稼ぎゼロ、イヤそれどころか借金つくりまくる亭主なんざ、いない方がマシじゃないですか。
まあインドでは離婚難しいのは判る。判るけど、正式な離婚じゃなくていいからとっとと娘と家出して、母親と三人でどっかよその土地に逃げるべきだったわ。こんなにも家族の幸福に何ひとつ貢献しないヒロイン父キャラはなかなかいないかも。
まあ映画だから憎まれ役がいないと話が進まないのは判るんですが、それでも「コイツさえいなければヴェンカトとシャイルのラブラブをずっと見てられるのに……!」とキリキリ怒りが募りました(笑)。
それにしても本当にこの父役・プラカーシュ・ラージは上手すぎるなぁ。自分はこの人、他の映画では「知的なまとめ役のイケオジ」で見ることが多かったので、最初は判らなかったくらい。なんて見事な、場当たりでいい加減で悪&浅知恵ばかりの脳の軽いカス男なのか……!(笑)
パンフ、キャスト紹介のページにすら写真が無いのが不満です。
ヒロイン、シャイルを演じるトリシャー・クリシュナンがもうぶっちぎりにあいらしい。ご当人はさぞかし大変だったろうけど、そんな様子をおくびにも見せない雨中ダンスの笑顔が最高。これは一目惚れるのも納得です。
『PS1 黄金の河』『PS2 大いなる船出』(感想こちら)でのアイメイクばりばりの姿も良かったけれど、今回のさっぱりメイクも素敵。『PS〜』の時はアイメイクを濃くした永作博美似だと思いましたが、こちらでは瀧内公美っぽい雰囲気があるなと思いました。
しかしシャイル、キミはもう少し自分の父のダメさ加減を信じろ(笑)。
途中、結婚式に向かう最中に喧嘩した新郎新婦御一行バスに乗る辺りで、新婦に「しっかり謝って話し合って」みたいなことを言うのに自分は謝らないのはどうか。正式な謝罪シーンがひとつ欲しかったところです。
主人公の友人達が皆イイヤツでしたね。
ラストバトルで主人公が力尽きて倒れた時には、雨が降ってきて頬に当たって覚醒するんだと思ってました。恋人の親友ならそこは協力しろよ>雨
何はともあれ、この映画は何と言ってもプラバース……ステキ……!
実を言いますと最初に画面に出た瞬間は、「ちょっとぽちゃだな、若かったからかな」と思ったんですよね。でもダンスシーンにて全身がしっかり映るとそのスタイルの良さに衝撃。顔ちっさ……足なっが……!!!
『WEAPONS/ウェポンズ』
その職場環境でこの事件が発生している最中にその相手と寝るなよ!>ポール
いやもうつくづく面白かった。いろいろな意味で。
まず冒頭にいきなり提示される巨大な謎、「深夜、17人の子供が自宅から走ってどこかへ消えた」を見た瞬間には、イヤな予感がしたんですよ。もしかしてこの謎、解かれないままなんじゃないか、って。
近年はどうもそういうホラーやサスペンスが多い感があるんですよね。上に載せた『視える』の紹介記事(こちら)でも書きましたが、「ちょっと外したおシャレ・難解め・心理戦ホラー」で、作品内の謎現象が結局解決されずに雰囲気匂わせだけでカチっとした結末が無いまま幕、みたいなの。
なのでコレもそうか、と途中まで非常に不安でした。子供達がどこへ行ったのか、その理由は何なのか、何ひとつ判らないまま喪失と社会不安だけを残してハイ終了、みたいになるのかと。
そしたらアーチャーがマトモな調査を始めたのでテンションがぐっと上がる。
また、この人が基本直情径行で頭に血がのぼりがちな荒くれキャラなところが良いですね。
ドラマや映画では、日本でも海外でも警察側の人間が主人公である場合を除いて「警察がやけに無能」なことが多いんですが、そういう時に「事件の突破口を見出す一般人」て、大抵冷静で頭が良いインテリで、でも社会的にはちょっと不毛な状況にいる、てのがありがちパターン。
でもこの人は違う。仕事はバリバリやってるものの、頭に血がのぼって先生の車に落書きするようなヤンキーぶりだし、奥さんの態度を見るに、あまりいい家庭人って訳でもなかったんだろうなあと思われます。
そういう人が、事件のカギに気づいて自らの足で解決に向けて取り組んでいくのが新鮮でした。先生とお互いを認め合っていく過程も何とも良いです。物語中にはなかったけれど、この感じだとアーチャー、落書きの件も謝ったんじゃないかしら。先生も許してくれそうです。
しかし警察、走ってく子供達の方向確認すらしてなかったのか……無能だ。
彼等ふたりを含めキャラクターひとりひとりを、その当人自身の目線で章立てして描いていく構成も良かった。その度に「ああ、あれはこういうことだったのか」と目の前が開けて、アーチャーの落書きのように「この人あんなことしたけど、こういう背景がある人なんだな」と理解も深まる。
特に校長先生の章は涙なしには見られなかった……なんてステキな彼氏なんだ。この幸福を打ち砕いたグラディス許すまじ。
だがあれだけのぴっちぴち子供を集めて、せいぜいあの程度しか元気になれないのねグラディスさん……。
何度も申しておりますが、優れたホラーには「シュールな可笑しみシーン」が存在することが本当に多く、これもそう。登場人物達はあくまでマジメに真剣に事態に取り組んでいるのに、そこはかとなくにじみ出る面白さ。
この作品ではまず、アーチャーがグラディスのしもべになったジェームズをちぎっては投げちぎっては投げ、するところで爆笑しました。なんなんだよこの強さ。なんなんだよこの弱さ(笑)。普通逆だろう。
悪玉のアジトに侵入する、なんて緊張感のある場面で、更にはここまでに「呪われるととんでもなく強くとんでもない執念で襲ってくる化け物になる」と判っている相手が襲ってくる、なんてのは手に汗握る大変にコワいシーンである筈なのに、襲っても襲っても全然歯が立たないのに笑う。ホラーもので、襲われる側の人にこんなにも安心感を抱いたのは初めてかも(笑)。
そして勿論、ラストの子供ミサイル軍団。あの何が何でも直線で走っていくむちゃくちゃぶりがたまらん面白うございました。
すべての元凶であるグラディスがやられる爽快感は勿論あるんですが、それ以上にあの剛直球の走りっぷりが本当に面白い。ちょっと漫画チックですよね。高橋留美子っぽい。
でも、家出のシーンや校長のシーンでのあの「呪い走りスタイル」、このラストの爆走ではもはやその姿勢が崩れてる子がちらほらいて、これはもう「アレックスにかけられた指令」ではなく、純粋に自身の復讐心で突撃してる子もいるのかもなと不憫に思いました。グラディスめ……!
パンフレットが非常に内容が充実していて素晴らしかった。キャストの紹介もしっかりと濃く、考察も本当にためになりました。すべてのパンフレットかくあるべし。
本当に素晴らしい映画でしたけども、唯一難癖を付けるとしたらタイトルか。見終わってからもなんかしっくりこないんですよね、『WEAPONS』って……。
『ペンギン レッスン』(原題:The Penguin Lessons)
その砂浜カフェでお茶するのはもうペンちゃんに見つけてほしいと言ってるも同然なのよ……(笑)>トム
こちらのツイート(現X)を拝見して見ること決定。
なんて魅力的な紹介文&お写真……。
英国出身南米暮らしの独身おじさんが休暇中に旅先のビーチで出会った女性に良いところ見せたくて原油まみれのペンギンを保護して洗ってやったら翌朝女に捨てられた上に好きでもないペンギンに懐かれちゃって、仕方なく連れ帰って2人暮らしした実話が映画になったので上映します。良い映画です、これ。 pic.twitter.com/4vZfOTg76O
— サールナートホール/静岡シネ・ギャラリー (@Sarnathhall) September 29, 2025
期せずしてなのか狙ってなのか、ペンギンと主人公とが同じようなポーズになってるのがたまらん良いです。
ちなみにどなたかが引用しているのを見て、下のリプは読むことなく予告も見ずに鑑賞したので、こんなにハードめなお話だとは思わなかった(笑)。でも本当に良い映画でした。
「英語の授業」て言うと日本の「学校英語」をイメージしてしまいますが、これは「英文学の授業」ですね。授業で教える詩がどれも素晴らしかった。パンフの河野真太郎氏の解説によると、ジョン・メイスフィールド『海熱』、P・B・シェリーの『無秩序の仮面劇』で、「教える予定」なのがウィルフレッド・オーウェンの『美しくも栄光なるかな』だそうです。
ペンギン、フアン・サルバトールちゃん(立派なお名前)の存在、家政婦家族との交流、生徒とのやりとり、そしてこの詩を通して、最初は「お客様」的存在にしか自らをとらえていなかったトムがどんどん変わっていく。ぐっときます。
孫娘が帰ってこられたことは本当に喜ばしいけれど、傷だらけで体も顔もこわばった姿がたまらなく痛々しい。そして彼女の背後には、いまだ戻らない多数の若者達がいるのだね。
ついつい女性にいい顔しちゃう主人公・トムを演じるスティーヴ・クーガンが実にいい味を出しています。浅野和之に激似ですが、うっすら北村有起哉みも感じる。大変におシャレで、けれど最初は靴の小さなシミすら気にしていたのが、土汚れも辞さずにフアンちゃんのお墓を掘る姿にじいんときました。
コミュ力強めの同僚・タピオがいいですね。女房は結局寝取られたままなのか(笑)。
『The End』
猫耳ティルダ姐さん……だと……?
まさかのミュージカル(笑)。
「地上の世界が滅びて地下で暮らす富裕層」という前情報を聞き、「それはまさにわたしの大好き映画『バンカー・パレス・ホテル』ではないか」と見に行ったら予想外すぎてびっくりしました。更には曲がほんとに素晴らしかったのと、俳優さん達の歌の上手さにまたびっくり。ちょっと『ラ・ラ・ランド』や『アネット』(感想こちら)を思い起こさせる曲群でありました。勿論、帰宅して即DL買いです。
特に母友を演じるブロナー・ギャラガーの歌に痺れました。美しい……!
メロディの美しさでごまかされちゃうけど、「未来」は無いよね、この家族……。
年齢的には親と医者が先に死ぬ訳だけど、そうなったら息子夫婦と子供は一体どうするのか。
これで25年やってこれたんだから、物資的にはまだまだやっていけるとは思うんですよ。でも医者がいなくなったら終わりだよね。
植物とかは栽培してたけど、お肉はどうしてるのかなあ。ケーキつくってたから生クリームや卵はあると思うんですが。そもそも動力はどうしてるのか。地上にでっかい太陽電池でも置いているのか。でもそんなんしたら外の人達に即バレですよね。いろいろと謎が多い。
25年間この閉鎖空間にいて、「主従」の役割が壊れなかったのもすごい。まあそういう人達だからこそ夫婦もここに入れることを許したんだろうけども。
そこに外からやってきた「異物」である娘が、多少のごたごたはありつつも割とあっさり「役割」に溶け込むのも、彼等が結局は排除せずに受け入れるのもすごい。てっきり若いもん二人で未来を求めて外に出ていくんだと思ってたので、この展開には意表をつかれつつちょっぴり怖さも感じました。
まあ死の恐怖から逃げ出してきた彼女としては、こんな安住の地から絶対に離れたくないと思うのは判るけど。でも本当に、この次の世代をどうしていくのか……。
と言いつつも、そんなこんなが吹っ飛ぶくらいにあの洞窟は美しかった。岩塩坑なんですね。莫大な量だな。
あの激しくばふばふいってる謎の筒、一体コレは何だ、と映画中ずっと首ひねってました。パンフを見て「坑道に空気を送るエアチューブ」と知って納得。おうちの中はきゅっと空間が締まっているけど、坑道は(掘られた洞窟にもかかわらず)広大でスケールがやたらでかいのも面白いです。
それにしても、日本人がうろ覚えの歌歌う時、歌詞が謎なところを「にゃー」でごまかしたりしますが、海外の人もそうなのねと『Alone』を聴いて思いました(多分それとは違う>じぶん)。
猫といえば、ティルダ・スウィントンの猫耳姿が眼福でした(笑)。何やらせても似合うなこのお方。髪型は最初、「若い頃の庄司智春のようだ」と思いましたが見てる内にだんだん慣れてきて、ラストでは「最初の髪型の方が良かったな……」とすら思いました。
そしてジョージ・マッケイは本当に上手いです。『けものがいる』(感想こちら)では全く性質の違う3人を見事に演じ分けていたけれど、今回も全く毛色が違うタイプを完璧に演じている。ティルダ姐さんはある意味何を演じても「ティルダだ!」て光があるんだけど、彼は役に染まりきる感じ。どちらも素晴らしい俳優さんです。
しかし登場人物が9人のみの作品で、パンフに4人しか紹介がないのはどうなのか。割くスペースは違ってていいので、ここは全員の写真付き解説が欲しかったところです。
あと、最近は映画のサントラ、ほぼCD化されないのでDL買いばかりになってるんですが、歌詞がついてこないのが本当に辛い。
この映画では、上の公式YouTube動画で珍しく概要欄に歌詞がついていて非常に有り難く思いました。が、著作権関係なんか知らんけど、全部の曲にはついていなかったのが非常に残念。
曲データの中に歌詞も入れるのってそんな難しくないと思うので、お金出してDL買いした人には歌詞データもつけてほしい……。
まとめ
今期が始まった時には「今回はそんな見ないかな」と思ってたんですが、11月下旬くらいから急に見たいものが増えて結局いつもとそんなに変わらない感じになりました。
特に『視える』と『WEAPONS』、こんなに素晴らしいホラー映画が続けて見られたことが嬉しい。最近はちょっと「映画館で新作ホラーを見る」ことから遠ざかってる自分がいたんですが、この流れが続くならどんどん見ていきたい次第です。
この2作以外では『パルテノペ ナポリの宝石』と『トレンケ・ラウケン』が大変印象に残りました(感想こちら)。特に『トレンケ・ラウケン』、音楽も含めて何か妙に癖になる。好き。
インド映画では、旧作ではあるものの『ジガルタンダ』の1&2が素晴らしかった(感想こちら)。新作では、内容はともかくとしてアニルド・ラヴィチャンダル曲があっちこっちで聴けたのがとっても良かった。この人の曲も本当に癖になります。
そして2025年最大のトピックはやはりコレ、『落下の王国』が再びスクリーンで見られたこと!
4Kリマスター版のBlu-ray発売待ってます!!!
来期のスタートは『世界一不運なお針子の人生最悪な1日』。
実はもう見てきました(笑)。
タイトルだけで見たくなる。いい映画でした。
今年もたくさん映画館に行けますように!

