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水を飲めば、それで足りるのか

──熱中症予防から考える「水分補給」の中身


暑い日は、

水分をしっかり取りましょう。


熱中症予防として、

誰もが一度は聞いたことのある言葉だと思います。

もちろん、

水分を取ることは大切です。

でも、

少しだけ気になることがあります。

水を飲んだ。

スポーツドリンクを飲んだ。

だから、

身体に必要な水分が補給された。

本当に、

それだけで考えていいのでしょうか。



口から入った水分は、

そのまま身体の水分になるわけではありません。

口から飲む。

胃へ入る。

腸へ移動する。

腸で吸収される。

そして、

血液を通して全身へと運ばれていく。

つまり、

「飲んだ量」と、

「身体に取り込まれた量」は、

必ずしも同じではありません。


飲み方や、

飲料に含まれる糖質や電解質、

その時の身体の状態によっても、

吸収のされ方は変わります。



例えば、

暑い中でスポーツをすると、

汗をかきます。

その時、

身体から失われているのは、

水だけではありません。

ナトリウムなどの電解質も、

一緒に失われています。

だから、

長時間の運動や、

大量に汗をかく状況では、

特にただ水だけを大量に飲めばいい、

という話ではありません。


何を飲むのか。

どのくらい飲むのか。

いつ飲むのか。

どういう状態で飲むのか。

そこまで含めて、

水分補給です。



日本スポーツ協会の熱中症予防ガイドブックでは、

運動中の水分補給について、

15〜20分ごとに、

150〜250ml程度を目安としています。

これは、

一度に大量に飲むのではなく、

運動中も少量ずつ、

定期的に補給していくための目安です。

さらに、

暑熱環境下での運動では、

適度な糖質と電解質を含んだ飲料も推奨されています。

つまり、

喉がカラカラになるまで我慢して、

一気に大量の水を飲むのではなく、

身体から失われていくものを考えながら、

少しずつ定期的に補っていく。

その方が、

身体にとって無理が少なく、

脱水や脱水によるパフォーマンス低下の予防にもつながります。



そして、

水分補給だけを見ないことも大切です。


熱中症が起きる条件には、

いくつもの要素があります。

気温。

湿度。

日射。

風。

運動の強度。

運動時間。

休憩の取り方。

服装。

睡眠や生活環境。

そして、

その日の自分の内側の状態。

年齢。

体力。

暑さへの慣れ。

食事。

睡眠の質。

疲労レベル。

食欲不振、

発熱や下痢などの体調不良。

同じ気温で、

同じ運動をしても、

全員が同じ反応をするわけではありません。


日頃から鍛えているから、

大丈夫なわけでもありません。



僕は、

ここが身体を見る上で、

とても大切だと思っています。

「今日は昨日と同じだから大丈夫。」

ではない。

昨日よく眠れなかった。

朝食を十分に取っていない。

少し疲労が残っている。

久しぶりに暑い場所へ出た。

そんな小さな違いが重なれば、

同じ運動でも、

身体への負担は変わります。

環境だけではなく、

その日の「個人の状態」まで含めて考える。

熱中症予防も、

身体を見ることと同じです。



さらに、

身体には暑さへ慣れていく働きがあります。

いわゆる、

「暑熱順化」です。

暑い環境で少しずつ身体を動かしていくことで、

身体は暑さに対応できるようになっていきます。

ただし、

これも根性論ではありません。

暑いところで、

我慢して運動すればいいわけではない。

体調を確認する。

運動強度を調整する。

休憩する。

水分を補給する。

必要なら身体を冷やす。

アイスラリーなどを利用して、

身体の内側から冷却する方法もあります。


その日の状態に合わせながら、

少しずつ身体を環境へ適応させていく。

ここでも、

大切なのは「頑張ること」より、

身体から届く情報を見逃さないことです。



別の投稿で

夜の熱中症について書きましたが、


眠っている間も、

身体から水分は失われます。

そして今回は、

その水分を、

どう身体へ戻していくのかという話です。


水分補給とは、

単純に、

水を身体へ流し込むことではありません。

身体が今、

どのくらい水分を失っているのか。

どんな環境にいるのか。

どのくらい汗をかいているのか。

そして、

今の自分は、

どんな状態なのか。

そこまで含めて考えることだと思います。



暑い夏だからこそ、

「何ml飲んだか」だけではなく、

その水分を受け取る、

自分の身体の状態にも、

少し目を向けてみてください。

夏をどう過ごしたかは、

夏だけで終わる話ではありません。

暑さの中で、

どれだけ身体を消耗させず、

水分を保ち、

回復できたのか。

その積み重ねは、

暑さが落ち着いたあとの、

秋のコンディションにもつながっていきます。

水分補給は、

喉が渇いた時だけの対策ではなく、

季節をまたいで身体を整えていく、

小さな習慣の一つなのだと思います。


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