【コラム】AIの「答え」と、どう向き合うべきか?―AI時代に、それでも数学を学ぶべき理由
生成AIが急速に普及し、今やどんな難問でも、プロンプトを打ち込むだけで、AIから返答を得られるようになりました。
複雑な思考や、文章の作成もAIがやってくれる時代において、「人間がわざわざ数学や論理的思考力を学ぶ意味なんてもうないのではないか?」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、私は、AIが発展すればするほど、人間の論理的思考力はむしろ重要になると考えています。
その理由は、
「AIが出すもっともらしい回答の中に、重要な誤りや、こちらの意図と違う内容が含まれていることがあるから」
です。
AIは、我々からの指示に応じて回答をします。そのため、AIがどれだけ進化し、性能が上がったとしても、指示を出す我々人間が完璧でない以上、その回答は、我々の意図と合わない部分がどうしても発生してしまいます。
このため、AIの回答をチェックするということが重要となります。
例えば、AIの回答を鵜呑みにしたとき、または、我々の意図と違う、いわるゆ「間違い」を見逃してしまうとどうなるでしょうか。趣味や雑談レベルであれば、笑い話で済むかもしれませんが、間違いの許されない仕事、例えば、人の命や財産に関わる仕事であれば取り返しのつかないことになってしまいます。また、メール文を書くときに、その1つのミスで、相手との人間関係や信頼関係にヒビが入ることがあるかもしれません。
そして、こうした、AIの回答を鵜呑みにせずに内容を吟味し、ストップをかけたり、修正することができるのは、基礎的な数学力と論理的思考力を持った人間だと思います。
もし私たちが「AIがやってくれるから」と思考を放棄してしまえば、やがて社会は、AIの出した答えが正しいかどうかすら誰も判断できない、危うい世界になってしまうでしょう。
どんなにテクノロジーが進化し、AIが完璧に見える答えを提示するようになっても、その答えの真価を問うのは人間です。だからこそ、自分の頭で論理を組み立てる算数・数学を勉強していくことは、これからの時代、決して不要になることはなく、むしろこれまで以上に大事になっていくと思っています。
AIに答えを聞くことは、決して悪いことではありません。大切なのは、その答えをそのまま受け入れるのではなく、「本当にそうなのだろうか?」と一度立ち止まって考えることです。
そして、その「自分の頭で考える力」は、特別なことをしなくても、日々の小さな積み重ねから育っていきます。分からない問題に出会ったとき、すぐに答えを見るのではなく、「もう少しだけ考えてみよう」と踏み止まってみる。その一つひとつの経験が、AI時代を生きる私たちの思考力につながっていくのだと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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