【社会人向け】板挟みになったとき、対立する意見をまとめる方法【数学的思考】
私は約20年間、組織で働く中で、問題解決や調整業務のために「真っ向から対立する意見をまとめる」という場面に何度も直面してきました。
例えば、Aさんは「Xをするべきだ」と考えている。一方、Bさんは「Xをするべきではない」と考えている。
一見すると、論理的には両立できない意見です。しかし、同僚や関係者が多い職場で働いていると、こうした対立を調整しなければならない場面は少なくありません。
では、どうすれば、このような真っ向から対立した意見をうまく両立させることができるのでしょうか?
今回の記事では、こうした対立を解決するためのアプローチと、それが数学とどのように関係しているのかについて書いてみたいと思います。
対立する意見へのアプローチ方法
このようなときは、まずAさんとBさん、それぞれに理由を聞いてみます。
「なぜXをするべきだと思うのか?」
「なぜXをするべきではないと思うのか?」
さらに、
「いつ、どのような条件ならXをするべきなのか?」
「逆に、どのような状況ではXをするべきではないのか?」
と掘り下げていきます。
すると、最初は正反対に見えた二人の意見の中に、条件の違いが見えてくることがあります。
例えば、業務の外注について、Aさんは「外注を実施するべきだ」と主張し、Bさんは「外注を実施するべきではない」と真っ向から対立しているとします。
しかし、理由を掘り下げてみると、Aさんは、
「誰がやっても同じ定型業務を外注すれば、現場の負担を減らせるため、外注を実施するべきだ」
と考えている。
一方、Bさんは、
「自社の強みであるコア業務まで外注に出すと、自社の技術力やノウハウが低下するため、外注を実施するべきではない」
と考えている。
二人は同じ「外注」という言葉を使いながら、頭の中で想定している対象の業務が違っていたのです。
ここまで分かれば、問題は単純な「外注をするか、しないか」ではないことが分かります。
「誰がやっても同じ定型業務については外注を実施する。一方、自社の強みとなるコア業務については実施を見送る」
というように、条件によって対応を分けることができます。つまり、AさんかBさんのどちらかを説得して意見を変えてもらうのではなく、二人の意見の背景にある条件の違いを見つけ、その条件によって対応を分けるのです。
条件や「ねじれの位置」を見つけるという数学的思考
この考え方には、中学・高校で学ぶ数学との共通点があります。
数学では、問題を解くときに、与えられた条件を整理し、場合分けをすることがあります。
例えば、
「xが0以上の場合」
「xが0未満の場合」
というように条件を分け、それぞれについて答えを求めます。
仕事でも同じように、
「この条件ならX」
「この条件ならY」
と対応を分けることができます。
重要なのは、「XかYか」という結論だけを見るのではなく、
「Xという結論になる条件は何か?」
「Yという結論になる条件は何か?」
を探すことだと思っています。
そうすることで、一見すると正反対の意見でも、その背景を掘り下げてみると、実は「タイミング」「対象」「人員」「予算」など、想定している条件が異なっている場合があります。
そして、その違いを見つけることができれば、対立していた問題の対立軸をずらし、衝突を避けられる可能性が出てきます。
これは数学でいう「ねじれの位置」の考え方にも少し似ています。身近な例で言えば、平面のままでは車同士がぶつかってしまうとき、「高さ」という次元を足して立体交差にすれば、互いに衝突せず進むことができるようなものです。
仕事の意見対立も同じで、新しい条件(変数)を加えることで、衝突を回避できることがあります。
まとめ
このように、仕事で正反対の意見が対立したときには、まずそれぞれの意見の理由を掘り下げてみることで、解決の糸口を見つけるというアプローチが有効な場合があります。
1. なぜAさんはそう考えるのか?
2. なぜBさんはそう考えるのか?
3. 二人が想定している条件は、本当に同じなのか?
4. タイミング、対象、体制などの前提条件に違いはないか?
5. その違いを使って、条件ごとに判断を分けられないか?
そして、それらの背景には、数学で学ぶ「条件整理」や「場合分け」、さらには「ベクトル」といったものがあります。
以前、仕事における問題解決のアプローチと数学の関係性についてコラム記事を書きましたが、ほかにも数学を勉強することで、仕事に活きることがあると思っています。
このため、大人になってからも数学を勉強し直すことで、仕事にも活かせることがあるのではないかと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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