いぬのはること過ごした、ある夏の日
わたしの、Xやnoteの投稿に頻繫に出てくる
黒白茶の、ちょっと歌舞伎顔のいぬ。
犬種は「キャバリアキングチャールズスパニエル」の、
トライカラー。
名を「はるこ」という。
はるこは、7年前の3月3日、みむら家の仲間入りをした。
その時の記事はこちら👇
ひな祭りの日にやってきたはるこは、
すくすくと成長した。
梅雨が明ける頃には、一番可愛いパピー期からもうすぐ卒業かも……
というくらい、体長も伸びてきて。
でも!やることなすこと、まだまだ「パピー」なのだ。
あれは、8月……うだるような暑さが続いていた頃だった。
「やることなすこと、まだまだパピー」のはるこが、
背筋も凍るようなことをしでかしてくれた。
子犬は、歯が生えてくると、口の中がむずむずするらしい。
当時のはるこも、目に入るものを片っ端からガジガジかじっていた。
そんなはるこが夢中になっていたもの、それは「牛のひづめ」。
寝そべったまま両方の前足でしっかり抱え、
飽きることなく、ずっとかじっている。
その姿が、もうたまらなくかわいかった。

ただし、この「牛のひづめ」……強烈にくさい!
夢中になってかじったあとのはるこは、顔も、前足もそれはもう
くさい!
本人は大好きでも、こちらは耐えがたいニオイなのだ。
「はるちゃん、今日はもう終わりだよ」
そう言うと、牛のひづめを取り上げた。
まだまだ噛み足りないはるこは、
わたしのふくらはぎに一撃かますと、
次のおもちゃを探し始めた。
その頃、わが家では空のペットボトルも、
はるこのおもちゃになっていた。
自分で放り投げ、転がし、追いかけては
何かにとりつかれたように大暴れ。
ときどきこちらへ転がってくると
「はるこ、取っておいで!」
と投げ返して、一緒に遊んでいた。
今なら危ないと分かるのだけれど、
その頃のわたしは何も考えず、フタを閉めたまま渡していた。
しばらくすると、部屋が妙に静かに……。
子犬が静かなときは、だいたい何かをしでかしている。
「はるちゃん!ちょっと何してるの?」
あわてて様子を見に行くと
……ペットボトルについていたはずのフタがない。
一瞬で、血の気が引いた。
「はるちゃん、フタは?」
そう聞いたところで、はるこにしてみれば、
「フタぁ?なにそれおいしいの?」
である。
まさか、飲み込んだ?
まだ小さなはるこの口から、あのフタが喉を通るとは思えない。
それでも、もしものことを考えると怖くなった。
思わず、はるこをひっくり返す。
そして、獣医師さながら、
喉から食道、そして腸のあたりを慎重に触り、
ゴツゴツしたものがないか必死に探した。

どうしよう……わからない。
どこを触っても、それらしいものは見つからない。
ますます怖くなり、スマホで調べまくった。
はるこを迎えた頃は、
まだ今のようにAIで何かを調べるなど普及していなかった。
だから、とにかくググるか、ヤフるしかない。
「犬 プラスチック フタ 飲み込む 処置」
そんな言葉で検索すると、出てきたのは恐ろしい内容ばかり。
そのなかにあった「開腹手術」という文字を見て、
凍りついた。
待って!
……こんな小さなお腹を切って、
取り出さなければならないの?
どうしよう。
どうしよう、どうしよう!
わたしが半泣きになっている横で、
当のはるこは、ペットボトルを取り上げられたことなど
忘れたように、次のおもちゃで遊び始めた。
押すとプープーと音が鳴る、ハリネズミのぬいぐるみ。
名前は、ハリーさん。
ハリーさんをくわえて、ぶん回している。
フタは見つからない。
わたしは体感温度マイナス5度のなか心配している。
それなのに!
はるこは、ハリーさんと呑気に遊んでいる。
だんだん、悲しくなってきた。
「はるこ!フタどこやったの!」
思わず声を上げると、
はるこは口にくわえていたハリーさんをポトッと落すと、
「さぁ……」
と言わんばかりに、首をかしげた。

(やだ、かわいい❤)
いや、今はそれどころではない。
本気で怒っているわたしを、はるこは不思議そうに見ていた。
そして
「まあまあ、そんなにおこらんと。おねえもすわろうよ」
とでも言うように、ぴょんとソファーへ飛び乗った。
そして「ここ、どうぞ」という顔でこちらを見ている。
もう!何なの。
そう思いながらも、とりあえず落ち着こうとソファーに座った。
すると……
ソファーの隙間に、白いものが挟まっている。
……フタだった。
あった。
飲み込んでいなかった!
安心するやら、情けないやら、腹が立つやら。
いろんな感情が一気に押し寄せてきた。
「もう! はるちゃん!」
そう言いながら、はるこをわしゃわしゃにした。
パピー期のはるこがあまりにもかわいくて、
当時のわたしは、ことあるごとに写真を撮っていた。
だから、こんな大騒ぎをした日の写真まで、残っている。
撮られすぎたせいか、今のはるこはシャッター音が大嫌い。
カメラを向けると、露骨にいやな顔をするようになった。
それでも、写真を見返せば、あの日の焦りも、安堵も、
はるこの小ささも、昨日のことのようによみがえる。
いぬのはること過ごした、ある夏の日。
わしゃわしゃにしたはるこからは
……牛のひづめの強烈な臭いがした。
🐾🐾🐾🐾🐾🐾🐾🐾🐾🐾🐾🐾🐾🐾🐾🐾
お読みいただき、ありがとうございます🐕
今回の記事は、思いもよらず、マイキーさんの企画
『#エッセイしりとりコンテスト』のバトンを受け継ぎ
書かせていただきました。
そして、わたしに貴重なバトンをくださったのは、この方🦛✨
若くて素敵な管理栄養士の「かばさん」です。
わたしは、過去に美容講師をしていましたが、その頃の勤め先で
食育の仕事にもかかわっていました。
その「食」の話題が、かばさんとわたしを繋いでくれました。
毎週土曜日の「食育note」、毎週月曜日の「献立スペース」など、
かばさんのコンテンツをいつも楽しみにしています。
ちなみに、かばさんがバトンを受け継ぎ、書かれた記事はこちら。
桃愛🍑と、おいしそう✨と、ご家族・パートナーさんへの愛💖が
詰まった、素晴らしい記事でした👇
かばさん、いつもありがとうございます✨
そして、お気遣いのメッセージ、ありがとうございます🙏
投稿を、お返事にかえさせていただきます🥰
さて……わたしは誰にバトンを渡そうか……?
メッセージも何も送らずに、独断で選ばせていただいたので、
お二人ともご多忙だったらスルーしてくださいませ。
気が向いたらで構いません🙇♀️
わたしがバトンを渡したいお1人目のnoterさんはこちら!
モクモク|気づきを物語にするエッセイストさん
こちらのエッセイが、とても好きなんです✨
そして、お二人目のnoterさんはこちら!
みやまアッキーさん
このエッセイ……泣きました。
わたしが、お二人のnote記事をもっと広めたくて、
推し記事と共に紹介させていただきます✨
もし、バトンを受け取っていただける場合は、
「ひ」
から始まるタイトルで
エッセイを書いてくださったらと思います。
マイキーさん、かばさん、貴重な機会をいただき
ありがとうございます🐾
企画も残すところ……になっているようですが、
しりとりの輪が広がり、
素敵な記事がたくさん生まれますように🙏🙏

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