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黒字・赤字で暮らしを評価していた話 | モリポットの暮らしのタネ008

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家計簿を見ているのに見えていなかった

以前のぼくは、
家計簿アプリを使っていました。

今も使っています。
お金を使ったときに記録しやすいからです。

家計簿をつけているのだから、
お金のことは見えているつもりでした。

でも実際には、見えていないものがありました。

旅行に行った月。
家電を買い替えた月。
子どもの誕生日やイベントが重なった月。

そういう月は、
支出が大きく動きます。

支出グラフは毎月ギザギザになり、
月末には、
「今月は使いすぎた」
「先月より増えている」

そんな反省をして、
黒字だったか。赤字だったか。
それだけを見ていました。

数字だけになると、こぼれ落ちるもの

ただ、ずっと引っかかっていたことがあります。

たとえば、来月旅行へ行く予定があるとします。
「旅行があるから、今月は少し節約しよう。」
そんなふうに過ごしていました。

そして旅行当日。
家族みんなで楽しんで帰ってきます。
出費はありますが、想定の範囲内です。

ところが月末になると、
その旅行代も「今月の支出」として集計されます。

最後に残るのは、
黒字だったか。赤字だったか。
という評価だけでした。

旅行は予定どおりでした。

それなのに、
旅行へ行った月は「使いすぎた月」という見え方になってしまう。

旅行を楽しむために事前に調整したことも、
予定どおり使ったことも、
最後には「今月どうだったか」という一つの評価になってしまう。

納得して使ったという実感と、
最後の評価が、どこか噛み合っていませんでした。

気づくたびに、少しずつ分ける

振り返ると、
003から007までで、
ぼくたちは一つずつ「同じ物差しで評価していたもの」を外してきました。

003では、
「急な出費」だと思っていたものが、
実は毎年繰り返される予定された支出だったことに気づきました。

004では、
その予定された支出を、
日々のやりくり費から切り離し、
「これから費」という流れに分けました。

005では、
貯蓄の中に混ざっていた、
予定支出と備えのお金を分け、
「そなえ費」という別の役割を作りました。

006では、
毎月決まって出ていくお金と変動する支出を性質ごとに分け、
「きまりごと費」として整理しました。

007では、
実際に日常の中で動かせるのは、
「やりくり費」という一部だけだと整理されました。

こうして振り返ると、
ぼくたちはお金を増やそうとしていたわけでも、
節約を極めようとしていたわけでもありませんでした。

同じものさしで全部を評価していた状態から、
それぞれの流れごとに外していっただけでした。

お金は「一つの数字」ではなく、
「いくつかの流れ」として見えるようになっていきました。

それでも、
その流れをどう評価すればいいのかは、
まだ分かっていませんでした。

残った違和感

4つに分けても、
一つだけ説明できないことが残っていました。

予定どおり使った旅行なのに、
どうして「使いすぎた月」と感じてしまうのか。

納得して使ったはずのお金なのに、
どうしてその納得感が評価に反映されないのか。

家計簿の数字は間違っていません。
黒字や赤字という結果も間違っていません。
それでも、その評価のされ方には、どこか違和感が残っていました。

今思えば、それは毎日体重計に乗って、
「昨日より300g増えた」
「今日は減った」
と、一喜一憂しているようなものでした。

数字は間違っていません。
でも、その数字だけで健康を判断することはできません。

家計も同じでした。
4つの引き出しはできました。
でも、違和感は残りました。

次の009では、
その違和感を追いかける中で、
「家計を見る『ものさし』」
そのものを見直すことになった話を書きます。

暮らしには流れがある。
流れを変える小さな気づきが、次のタネになる。
モリポットでした。

【次回のタネ】

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