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ペイ・フォワードプロジェクト|雨の路地裏に咲く、優しさの花


このたび、IRISさんから
ペイ・フォワード(恩送り)プロジェクト
バトンを受け取りました。


応援のメッセージを受け取った人が、
今度は別の3名の方へ、
応援のメッセージを送り、
優しさの輪を少しずつ
広げていくというものです。


このバトンをいただいたこと、
そしてご縁をいただいている
すべてのみなさまへの感謝を込めた、
物語をお届けしようと思います。
少しだけお付き合いをいただけたら幸いです。



⑴予定不調和が連れてきた、冷たい雨


…靴の先へじわじわと
しみ込んでくる雨水の冷たさに、
思わず小さなため息……。


その日は朝から、
少しだけ歯車が噛みあわない
一日だったんです。


いつもの用事が長引き、
乗るはずだった帰りの電車を、
目の前で見送ることに
なってしまいました。


次の電車までは、
まだまだ時間があります…。


鈍色の空から落ちてくる雨は、
容赦なくアスファルトを叩き、
服の裾ににじむ、はね返った泥水…。


……どこかで雨宿りをしなければ……。


そう思って駅前を歩き出し、
気がつくと、細い路地へと
入りこんでいました…。


⑵時間が静かに、交差する場所


路地の奥には、
ぽつんと下がった、
文字のかすれた看板…。


すがるような思いで、
古い木枠の引き戸に
手をかけます……。


カラン、と控えめに
響いた鈴の音とともに、
ふわりと体を包みこむ、
店内の空気。


雨に濡れた土の匂いから一転、
そこには焙煎された
珈琲の芳ばしい香りと、
日に焼けた古い紙の匂いが、
静かに漂っていました。


照明が落とされた店内は、
外の喧騒が嘘のように
静まり返っています……。


案内されたのは、
奥にあるカウンター席。


カウンターのウッドテーブルは、
長い時間をかけて使いこまれ、
角がすっかり丸くなっていました。


指先でそっとなでてみると、
すべすべとした木の温もりが
伝わってきます。


…かつてここで、私と同じように
雨宿りをした人がいたのでしょう…。


…本を読みふけった人…………
…誰かを待ち続けた人…………


そんな見知らぬ誰かの
静かな時間が、
この柱やテーブルの傷に、
何層にも重なっている。


そう思うと……、
張りつめていた
心の糸が少しだけ、
ゆるんでいくのを感じました…。


⑶湯気越しに重なる、ふたつの想い


冷えきった両手を
こすりあわせていると…、


白髪のマスターが、
湯気の立つ珈琲を、
コトリと目の前におきます。



……あの…、まだ注文は…………。


とまどう私に、マスターは
やわらかく微笑みました。


……さっきまでここに座っていた
お客さんがね…、次にこの席に座る方へって、
一杯分の代金をおいていかれたんですよ……。


思いがけない言葉に、
息を呑みます。


誰かもわからない私のために、
見知らぬ誰かがおいていってくれた、
一杯の珈琲……………。


両手でカップを包むと、
陶器の熱がじんわりと
手のひらへ染みわたり、
ほどけていく身体……。


………そのときです…………。


ポケットの中で、小さく
スマートフォンが震えたのは。


画面を開くと、暗い店内に
浮かび上がる、ほのかな光…。


それは、思いがけない
手紙のようなものでした。


送り主は、いつも温かな
文章を紡ぐ、IRISさん。


開いたメッセージには、
「ペイ・フォワードプロジェクト」という、
見なれない言葉が添えられていました。


……ペイ・フォワードプロジェクト………



それは、LaLaLaさんが始められた企画。
応援のメッセージを受け取った人が、
別の3名の方へ応援のメッセージを送り、
優しさの輪を広げていくというものです。


画面の中には、
「恩送りの木」の
画像がありました。


誰かが誰かを想うたびに、
枝から枝へ名前がつながって、
大きな木となっていく………。


その枝葉がのびていく様子と、
今まさに、私の目の前で
立ち上る珈琲の湯気が、
ふっと、ひとつに、
重なったような気がしたんです。


ご縁があって見つけてもらい、
温かい言葉をいただくこと。


そして今度は、
誰かを想って言葉を送ること。


受け取った優しさは、
こうして巡り巡っていく。


目の前にある珈琲の
深い味わいのように、
それはとても不思議で、
あたたかいものだったんです。


⑷次のあなたへ、繋ぐご縁


窓の外の…、
かすかな雨音に耳を傾けながら、
ゆっくりとスマートフォンの
キーボードに手をのばします。


せっかくいただいた、
この温かいご縁。


私も、私なりの形で、
この手の中に残る、
ほのかな温もりを次の方へ、
つないでみようと思いました。


頭に浮かぶ大勢の方々の中から、
私のささやかな日常に
彩りをくださった3名の方へ、
今回だけ…、そっと……、
バトンを差し出させてください。



まずは、canaminさん。


canaminさんの物語には、
どんなときにも、相手の歩幅に
寄り添う温かさであふれています。


混雑する駅での白杖の女性との出会い。
彼女に腕を預けられた、あの日の記憶。


呼吸を確かめ、その見えない足音に
自分の歩幅をそっと重ねていくこと…。


日常に散らばる小さな幸せを、
丁寧に拾い上げることのできる
canaminさんだからこその、
真摯で優しい言葉の数々……。


誰もが、誰かの隣を歩いて生きていく
社会の中で、手渡すべき優しさや
相手の小さな声に耳を傾ける、
まなざしのやわらかさが、心に残りました。


この物語が、たくさんの方に届いてもらえたら
嬉しいと思い、ご紹介させていただきます。



そして、整えライフデザイナー|KANASAさん。

肩の力を抜くことって、
案外むずかしいことだと思います。


ちゃんとしなければと焦るほど、
周りが見えなくなって、
息が詰まっていく…。


そんな日々の不安を、
KANASAさんの言葉は、
優しく包み込んでくれます。


カフェの店員さんが、笑顔で
思いやりの言葉をかけてくださったこと。
何気ないやりとりの中で感じる人とのつながり。


KANASAさんの紡ぐ、
心の深呼吸の物語のおかげで、
水面に落ちたひとしずくが、
穏やかな波を描くように、
揺れる自分を許すことが
できるように感じます。


弱さや焦りをそっと抱きしめ、
心に寄り添いながら、少しずつ
今日を「ととのえて」いく……。
KANASAさんの言葉が、
たくさんの方に届いてもらえたら嬉しいです。



最後に、いとさん。


私たちが日常の中で行き詰まりを感じたとき、
どうやって前を向けばいいんでしょうか……。


……大丈夫。今日のあなたは、
今日から始まります…………。と、


その答えが、決して遠くの、
特別な場所にあるわけではないことを、
いとさんは教えてくださいます。


…いつもと違う、改札口の先にある景色…………
…静まり返った、早朝のアーケード…………………
…昨日の後悔を、責めずに昇る太陽の光……………


さまざまな経験から綴られる、
いとさんの言葉には、
昨日までの自分を丸ごと包みこんで、
背中をそっと撫でてくれるような
安心感があります。


間違えてもいい。
何度でも方向転換すればいい。


まっすぐで優しい、いとさんの物語が、
たくさんの方に届いてもらえたらと思い、
ご紹介させていただきます。



みなさんの素晴らしい物語が、
もっとたくさんの方へ届いてほしい。


そんな想いで、
お名前をあげさせていただきました。


でも、どうか、
気負わないでください。
みなさん、それぞれに、
日々お忙しく、ご事情もおありです。


バトンは、渡しても、
渡さなくても、かまわないものです。
みなさんのお考えが、
まさに正解だと思っています。


想いのままに、楽しんでいただくことが
とても大切なことですから。



そして、私にこのバトンを
渡してくださったIRISさん、


温かいご縁を、
つないでくださったことに、
心から感謝しています♪
本当にありがとうございます。


⑸足元に咲く、小さなやさしさ


……お店を出る頃には……、
あんなに冷たかった雨は、
すっかり小降りになっていました。


そして、ここに来る前よりも、
足どりは、ずっと軽くなっていました。


……カフェの本棚にあるガイドブックに、
「よい旅を!」と記した小さな折り鶴が、
忍ばせてあったこと………。


……ゲストハウスの交流ノートに、
次の人が楽しめるようにと、手書きの
散策マップが、そっと残されていたこと……。


……絶景ポイントのベンチで、
次に座る誰かのために、雨上がりの水滴が、
きれいにふき取られていたこと……。



それは、名もなき誰かが残していった、
「小さなやさしさ」です。


……そのやさしさが……、
誰かの心に温かい火を灯し、
巡り巡って…、いつかあなたの今日へ、
彩りを与えてくれるのでしょう……。


……………最後に…………………、


すべてのみなさまへ、


いつも本当にありがとうございます。


この物語を通して、
明日もまた、新しい素敵な出会いが、
あなたの元へ広がっていきますように♪


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