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共有名義のマンションを貸すことはできるのか。

「夫婦でペアローンを組んでいる」
「離婚後も共有名義のままになっている」
「親から相続したマンションが兄弟との共有名義」

こういった状況で、マンションを貸したいというご相談をいただくことがあります。

共有名義でも、貸すことはできます。
ただし、いくつか押さえておくべきポイントがあります。

貸すには共有者の過半数の同意が必要です

賃貸借契約を締結することは、法律上「管理行為」に該当します。
そのため、共有者全員の同意は必要ありませんが、持分割合の過半数の同意が必要です。

たとえば、夫婦で2分の1ずつの共有名義であれば、どちらか一方だけで勝手に貸すことはできません。2人で話し合い、合意したうえで進める必要があります。

ただし注意があります。
賃貸借契約の期間が3年を超える場合は、共有者全員の同意が必要になります。3年以内の契約であれば持分過半数の同意で進められますが、長期の契約を想定している場合は全員の合意を取っておくほうが安全です。

代表者1人で手続きを進める場合は委任状が必要です

共有者全員が毎回手続きに関わるのは現実的ではありません。
代表者1人が管理会社や仲介会社とやり取りをする場合は、他の共有者からの委任状が必要になります。

委任状がないと、管理委託契約書や賃貸借契約書への署名、それぞれの重要事項説明の受領など、手続きが進められないケースが出てきます。
管理会社に相談の上、事前に準備しておくことをおすすめします。

賃貸借契約書と共有者の情報について

管理の委託方式によって、契約書上の扱いが変わります。

賃貸管理の委託方式は、以前の記事でも説明させて頂いています。
▶参考記事:管理の委託方式。代理方式と転貸借方式、何が違うのか

代理方式は、管理会社がオーナーの代理人として賃貸借契約を締結する方式です。契約の当事者は管理会社(代理人)と借主になるため、貸主であるオーナーが契約書に直接署名・押印しないケースが一般的です。

転貸借方式は、管理会社がオーナーから物件を借り上げ、借主に転貸する方式です。オーナーと管理会社の間で賃貸借契約を結ぶため、借主との契約書にオーナーは登場しません。

媒介方式は、管理会社が仲介役となり、貸主と借主が直接契約を結ぶ方式です。この場合、貸主が契約当事者となるため、共有名義であれば共有者全員の情報の記載が必要になります。

いずれの場合も、共有者全員が賃貸に同意していることは前提です。
委託する管理会社がどの方式を採用しているか、事前に確認しておくと安心です。

ペアローンの場合は金融機関への確認が必須です

近年、共働き夫婦がペアローンでマンションを購入するケースが増えています。ペアローンの場合、物件は夫婦の共有名義になります。

ここで注意が必要なのは、住宅ローンが残っている状態で賃貸に出す場合、原則として金融機関への確認・承諾が必要だという点です。

ペアローンではそれぞれが個別にローンを組んでいるため、片方だけでなく両方とも金融機関に確認が必要になります。
▶参考記事:住宅ローンが残っているマンションを貸す前に確認すべきこと

家賃収入の税金は持分割合に応じて按分されます

ここが特に注意が必要な部分です。

共有名義の場合、家賃収入は共有者全員のものになります。
そして税金は、持分割合に応じてそれぞれが申告・納税する必要があります。

たとえば、持分が2分の1ずつの夫婦で月20万円の家賃収入がある場合、それぞれが月10万円分の不動産所得として申告することになります。1人がまとめて申告すればいい、というわけではありません。

共有者が会社員の場合、給与収入との合算で確定申告が必要になるケースもあります。税金まわりは税理士に相談しながら進めることをおすすめします。

まとめると

共有名義でも貸すことはできます。ただし、以下は必ず押さえておいてください。

持分過半数の同意を取る(3年超の契約は全員の同意が必要)
代表者1人で手続きをする場合は委任状を用意する
管理の委託方式によって契約書の扱いが変わる
ペアローンの場合は金融機関への確認・承諾が必要。
家賃収入の税申告は持分割合に応じて各自が行う。

共有名義のまま貸し出しを検討されている方は、まず管理会社に相談してみてください。手続きの流れや必要書類について、一緒に整理することができます。

管理会社を選ぶときに確認すべきポイントは、こちらにまとめています。


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