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分譲マンションを貸すなら特約が大切。しっかりと入れて、万が一のトラブルに備えましょう。

管理会社から「契約書と重要事項説明書、確認お願いします」と言われたとき、特約の欄をきちんと読んでいますか?

正直に言うと、読まずに「お任せします」で済ませてしまうオーナーは多いです。

誤解のないようにお伝えしますが、特約に書いてなければ何もできない、というわけではありません。法律やガイドラインに基づいて対応できることは多いです。

ただ、特約に書いてあることの力は別のところにあります。

ひとつは抑止力。「契約書に書いてある」というだけで、問題行動を未然に防げるケースは少なくありません。

もうひとつは切り札。トラブルが起きたときに「ここに書いてありますよね?」と言えるかどうかで、対応のスピードと確実さがまったく変わります。

では、どんな特約を入れておくべきか。具体的な場面をイメージしながら整理します。

管理規約の遵守

入居者がバルコニーでバーベキューをして、近隣からクレーム。管理組合からオーナーに是正要請が届く。入居者に注意しても「そんなルールは聞いていない」と言われる。

管理規約を守ることは当たり前ですが、特約に書いてあれば「契約書に書いてあります」の一言で終わります。書いてなくても管理規約は有効ですが、書いてあったほうが話が早い。分譲マンションでは必須の記載です。

ハウスクリーニング費用の金額明記

【トラブル事例】退去時にクリーニング費用を請求したら「いくらかかるか聞いてなかった。高すぎる」と揉める。

「借主負担」と書いてあっても、金額が書いてなければ無効と判断されるリスクがあります。「ハウスクリーニング費用○○円(税込)を借主が負担する」と金額まで書いておく。ここは抑止力ではなく、有効性の問題です。

エアコンクリーニングも同様。定めがあるなら金額を明示してください。

入居直後の室内チェック

【トラブル事例】退去時に壁の大きな傷を見つけた。修繕費用を請求したら「入居したときからありました」と言われる。

入居後1週間以内に室内状況を報告してもらい、報告がなければ不具合や損傷がなかったものとみなす。この特約があれば「最初からあった」という主張への切り札になります。
当然に特約以外にも引渡し前に写真を撮影し保管しておくことも大切です。

ペット飼育・楽器演奏・民泊の禁止

【トラブル事例】無断でペットを飼っていた。退去時に部屋中に臭いが染みつき、クロスも床も張替えが必要。

ペットによる汚損は通常の使用を超えるものなので、特約がなくても原状回復請求はできます。ただ、特約に「ペット飼育禁止」「違反時は違約金」と書いてあれば、発覚した時点で「ここに書いてありますよね」と対応できます。退去を待たずに動ける切り札になるのです。
特に分譲マンションではペット飼育の飼育に管理組合の承認が必要となることが一般的です。
管理組合を巻き込んだトラブルは可能な限り避けたいものです。

また、楽器演奏や民泊も同じです。管理規約で禁止されていても、賃貸借契約の特約にも重ねて書いておく。書いてある場所が多いほど抑止力は強くなります。

喫煙の禁止

【トラブル事例】退去時にクロスがヤニで真っ黄色になっていた。

喫煙による汚損も通常の使用を超えるものです。特約がなくても原状回復費用の請求はできます。ただ、特約に書いてあれば「禁止と知っていてやった」という話になります。対応の強度がまったく違います。

室内だけでなくバルコニーや共用部、電子タバコを含むかどうかまで明記しておくと、より効果的です。
また記載することで、近隣住戸とのトラブルも防ぐことができるかもしれません。
ちなみに弊社は募集時から「禁煙物件」として募集しています。

設備と残置物の区別

【トラブル事例】入居中にエアコンが壊れた。借主から「設備なので修理してください」と連絡。ところがオーナーとしては残置物のつもりだった。

設備なら修繕義務あり。残置物なら借主の自己責任。この区別を特約で明確にしておかないと、退去時にも揉めます。

▶ 参考記事:設備と残置物の違い。これを知らないとトラブルになる

鍵のルール

【トラブル事例】入居者が勝手に鍵を交換していた。退去時に合鍵が何本あるかわからない。

入居中の無断鍵交換の禁止、紛失時の費用負担。これも書いてあれば抑止力になります。鍵のセキュリティはマンション全体の管理にも関わる話です。

付帯設備の利用条件

【トラブル事例】駐車場の使用料が管理組合の決定で値上がりした。借主に増額を求めたら「拒絶された」。

付帯設備の使用料が変動する可能性がある場合は、その旨を記載しておくことをおすすめします。また変動した場合は「貸主は任意で使用料を変動できるもの」と定めておく必要があります。

まとめ

特約は「書いてなければ何もできない」というものではありません。法律やガイドラインで対応できることは多いです。

ただ、書いてあることの価値は別にあります。

抑止力として、問題行動を未然に防ぐ。
切り札として、トラブル時に「ここに書いてありますよね」と言える。

この2つの力が、賃貸経営のリスクを大きく下げてくれます。

管理会社がどんな特約を入れているか、一度確認してみてください。それだけで将来のトラブルリスクがずいぶん変わります。

▶ 参考記事:退去のとき、修繕費用は誰が払うの?オーナーが知っておくべき基本。

管理会社を選ぶときに確認すべきポイントは、こちらにまとめています。


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