#007 仕事が速い人は、なぜ急いでいないのか
仕事が速い人を見ていると、いつも急いでいるわけではないことに気づきます。
今回は、仕事の「速さ」がどこから生まれるのかを考えます。
仕事が速い人を見ていると、不思議なことがある。
慌てているようには見えない。
焦っているようにも見えない。
それなのに、気づけば仕事は前に進んでいる。
なぜなのだろう。
多くの人は、こんな答えを思い浮かべるかもしれない。
「よく考えてから動いているから。」
たしかに、その説明には納得できる。
思いつきでは動かない。
一度立ち止まって考える。
だから迷わない。
だから速い。
そんな姿は、確かによく見かける。
では、新しい仕事はどうだろう。
前例のない仕事。
正解のない仕事。
AIを使ったことのない業務。
そんな仕事でも、
考えてから動けばいいのだろうか。
そうとは思えない。
まず試してみる。
反応を見る。
また考える。
そして、もう一度試す。
そんな進め方になることが多い。
だから最初は、こう考えた。
仕事には、
**「考えてから進める仕事」**と、
**「進みながら考える仕事」**があるのではないか、と。
なるほど。
これなら説明がつく。
……
そう思った。
でも、、、
何かが引っかかった。
設計するときのことを思い浮かべる。
頭の中で考える。
紙に書く。
図にする。
組み替える。
また考える。
考えることは、止まっていない。
そして、
「これならいける。」
そう思えたところで、初めて誰かに見せる。
探索はどうだろう。
少し考える。
試してみる。
相手に聞いてみる。
AIに投げてみる。
反応を見る。
また考える。
こちらも、
考えることは止まっていない。
違うのは、
まだ答えが見えていない段階でも、自分の考えを外へ出していることだった。
……
では、
何が違うのだろう。
考える量だろうか。
違う。
考える深さだろうか。
それも違う。
経験の差だろうか。
もちろん関係はある。
でも、
それだけでは説明できない。
……
もう一度、
二つを並べて眺めてみる。
設計では、
考えが育ってから外へ出す。
探索では、
考えを育てながら外へ出す。
……
あ。
そうか。
違っていたのは、
考えることではなかった。
動くことでもなかった。
どちらも、
考え続けている。
どちらも、
動き続けている。
違っていたのは、
自分の考えを、いつ外へ出すか。
そのタイミングだった。

設計では、
頭の中で十分に育ててから外へ出すことで、
精度が高まる。
探索では、
未完成のまま外へ出すことで、
現実から学ぶスピードが上がる。
仕事が速い人は、
その違いを感覚で使い分けている。
だから、
仕事が速い人は、
急いでいるわけではない。
考えることを止めない。
動くことも止めない。
その仕事に合わせて、
自分の考えを外へ出すタイミングを選んでいる。
だから、
急いでいないように見えて、
仕事は速い。
今日から、
「もっと考えよう。」
「もっと動こう。」
そう考える前に、
一つだけ問いを変えてみてほしい。
今は、もう少し考えを育てる時間なのか。
それとも、
今こそ、一度外へ出してみる時間なのか。
その問いが一つ増えるだけで、
仕事の進め方は、きっと少し変わってくる。
仕事が速い人は、考えるのが速い人ではない。
自分の考えを外へ出すタイミングを、仕事に合わせて選んでいる人である。

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