見出し画像

他人の過去          あらすじと目次

あらすじ
もし、死んだあとに別人として生き返ったら――。
妻と娘を顧みないまま、交通事故で命を落とした大沢勝男。
死後、三途の川へ向かった彼は、ある男と間違われてしまう。
その男の名は小沢勝己。
そして小沢勝己は、凶悪犯罪者だった。
そのため、勝男は地獄に落とされそうになったが、寸前のところで人違いが判明し、生き返ることになる。
しかし、生き返った彼の姿は、なぜか凶悪犯罪者小沢勝己そのものだった。
妻と娘に会いたい。
だが、二人にとって今の自分は、亡くなった夫の姿ではない。
それでも、家族のそばにいるうちに、勝男はこれまで気づかなかった大切なものに気づいていく。
そして、彼の前に現れる謎の男・南。
なぜ南は、勝男を助けるのか。
なぜ勝男は、別人として生きることになったのか。
すべての謎が明らかになったとき、勝男が選ぶ「これからの人生」とは――。
他人の人生を生きる男が、家族の本当の愛を知る。
少し不思議で、最後は心が温かくなる家族再生の物語。

プロローグ
妻と娘から冷たくされ、家族の中で孤立する大沢勝男。幸せだった家族に何が起きたのか。そして、すべての始まりとなった「あの事件」とは――。

第1話 運命の出会い
ある事件をきっかけに距離を縮めていく勝男と沙知絵。二人の運命を変えた、その出会いの始まり

第2話 疲れた人生
家族との会話もなく、職場でも評価されない大沢は、日々の生活に疲れ切っていた。
そんな中、離婚したばかりの同僚・清水の姿を見て、自分の夫婦関係について考え始める。
妻や娘から必要とされていないと感じる大沢は、やがて駅のホームで「死んだ方が楽なのかもしれない」と思ってしまう。

第3話 生きていても仕方ない
家族にも職場にも居場所をなくし、生きることに疲れた大沢は、帰宅途中に事故に遭い命を落としてしまう。
自分の死を目の当たりにした大沢は、三途の川へ向かう不思議な世界へと導かれる。
そこで初めて、「本当は生きたい」と気づくのだが――。

第4話 地獄行きの審判
三途の川を渡った大沢は、地獄の入口へとたどり着く。
そこで待っていたのは、天使を名乗る二人の男だった。
大沢はなぜ自分が地獄行きなのかと必死に訴えるが、すでに「地獄行き確定」と決まっていた。
果たして、大沢が地獄へ落とされる理由とは――。

第5話 天使の間違い
「地獄行きの理由が殺人だと告げられたカツオ。
しかし、資料を確認すると名前も死亡場所も間違っていた。
どうやら、とんでもない人違いが起きているようで――。」

第6話 隠蔽をたくらむ天使
資料の取り違えが判明し、地獄行きを免れたと思ったオオサワ。
しかし天使たちは、ミスを隠すため、驚きの提案をしてくる。

第7話 天使の提案
天国へのミスを隠蔽するため、主人公を地獄へ送ることもできず、天国へ行かせることもできない天使たち。
そこでサウスが提案したのは、主人公を現世へ生き返らせることだった。
主人公はその提案を受け入れ、バレーが蘇生手続きをすることになる。しかし、バレーはなかなか戻ってこない。やがて主人公の身体に異変が起こり始める。
果たして主人公は無事に現世へ戻ることができるのか――。

第8話 知らない自分
生き返った主人公は、病室で目を覚ます。
しかし、そこにいた医者や看護師、病室の様子は、死ぬ直前に見たものとはすべて違っていた。
さらに、自分の名前は「オオサワ」ではなく「オザワ」と呼ばれ、住んでいる場所も岡山ではなく和歌山だという。
髪や顔、体つきまでもが以前の自分とは違うことに気づいた主人公は、**「自分はいったい誰なのか?」**という大きな疑問を抱く。そして、天使たちの最後の言葉を思い出し、ある恐ろしい可能性に気づき始める――。

第9話 謎の男
小沢勝己として生き返ってしまった大沢勝男は、凶悪犯として知られる小沢勝己の人生を背負って生きていかなければならないことに不安を感じていた。
そんな中、病室に一人の年配の男が訪ねてくる。
その男は小沢勝己を「小沢くん」と呼び、過去を知る人物だった。
男の名前は南蓮司。大沢は南から小沢勝己の過去を聞くことになるが、その人生は想像を遥かに超えるものだった。
「自分が知らない男の人生を、これから自分が生きる」――その重さを実感する第9話。

第10話 鬼の棲む家
35年前、交番勤務だった南蓮司のもとへ、額から血を流した少年が駆け込んできた。
少年の名は小沢勝己。父親をバットで殴り殺したと泣き叫ぶ。
南の話を聞く大沢勝男は、勝己がなぜ父親を殺したのか、その壮絶な家庭環境を知ることになる。
暴力を振るう父親から母を守ろうとする勝己。
そんな勝己にとって、母親の佐和だけが心の支えだった。
「父親を殺した凶悪犯」小沢勝己の知られざる過去が、少しずつ明らかになっていく――

第11話 父親殺し
母親への暴力を繰り返す父親を「鬼」と憎む勝己。
母親を守るため、ついに金属バットを手に取る。
怒りと憎しみに突き動かされた勝己は、父親に立ち向かう――。

第12話 他人の過去
小沢勝己が父親を殺した理由を知り、私は自分の過去を振り返った。
平凡だったが、家族に愛されていた幸せな人生。
それに対して、勝己はどんな人生を歩んできたのか。
南さんと訪れた勝己の部屋で、私は一枚の母親の写真を見つける。
そして少しずつ、勝己の知られざる過去が明らかになっていく――。

第13話 退院祝い
退院した私は、南さんと酒を酌み交わしながら、小沢勝己の過去を聞く。
そこで明らかになったのは、母・佐和を守るために起こした傷害事件だった。
勝己は凶悪な犯罪者だったのか。
それとも、母親を守ろうとした優しい息子だったのか。
過去を知るほどに、私は小沢勝己という男を理解できなくなっていく。
そして私は、新しい人生の一歩として、勝己がかつて利用していたスーパーで働くことを決める。

第14話 新しい生活
小沢勝己として生きることになった男は、南の紹介でスーパーの面接を受けることになる。
過去の犯罪を隠さず話した彼に対し、店長の小林は意外な言葉を告げる。
「その件に関しては承知しております」
そして、彼の就職を後押ししていたのは、やはり南だった。
新しい仕事、新しい生活。 少しずつ前に進み始める一方で、彼の心には「自分は本当に小沢勝己なのか」という思いが残っていた。

第15話 疑われる男
新しい人生を始めようとスーパーで働き始めた小沢勝己。
仕事にも少しずつ慣れ、職場の人たちとの関係も築き始めていた。
そんな中、女子更衣室で盗難事件が発生する。
前科を持つ小沢に疑いの目を向ける者が現れ、彼は再び居場所を失っていく。

第17話 わが家の記憶
大沢勝男として暮らしたわが家を訪れた勝己は、妻や娘との幸せな記憶を次々と思い出す。
しかし、大沢勝男としての記憶は少しずつ消え始めていた。
両親の墓前で二人の顔を思い出そうとする勝己だったが、浮かんできたのは小沢勝己の父・進と母・佐和の顔だった。
自分が何者なのか、その記憶さえも失ってしまうのか――。
勝己は次に、かつての親友が働く場所へ向かう。

第18話「過去の職場」
かつて働いていたスーパーを訪れた勝己は、親友の高山と清水の姿を目にする。
しかし二人は、目の前にいる男が大沢勝男だとは気づかない。
さらに、大根に触れた瞬間、小沢勝己の忌まわしい記憶が突然よみがえる。
自分の居場所がすでに失われたことを実感した勝己は、次に妻・沙知絵と娘・柚菜に会いに行くことを決意する。

第19話 娘との再会
娘・柚菜が通う高校を訪れた勝男。
なかなか柚菜を見つけられず、諦めかけたその時、柚菜の姿を見つける。
しかし、柚菜は二人の不良生徒に囲まれ、怯えた様子を見せていた。
娘を守りたい――その思いを抑えきれなくなった勝男は、ついに柚菜に声をかける。

第20話 娘の想い
柚菜が学校で苛められていることを知った勝男は、娘の本当の気持ちを聞く。
父親に相談しても取り合ってもらえなかったと語る柚菜。
しかし、勝男が死んだことについて語った娘の言葉に、勝男は胸を締めつけられる。
自分は父親として何もしてこなかった。
それでも娘は、自分の死を悲しんでくれていた。
父親として、今度こそ柚菜を守りたい――勝男は強く心に誓う。

第21話 妻と再会
柚菜に会った翌日、勝己は沙知絵に会うため、彼女が働くスーパーを訪れる。
そこで偶然、沙知絵が客から理不尽な言いがかりをつけられている場面に遭遇する。
妻を守りたい――その思いから、勝己は思わず男に立ち向かう。
しかし、沙知絵に「ありがとう」と伝えることはできなかった。

第22話 不思議なこと
和歌山に戻った勝己は、南さんに岡山での出来事を報告する。
そして南さんから、沙知絵に自分が大沢勝男であることを告白するよう勧められる。
妻に本当のことを話す――。
その決意をした勝己だったが、南さんの言動にいくつもの不審な点があることに気づく。
そして、眠っている南さんの顔を見た瞬間、勝己はある違和感を覚える。
「いや、見たことがある」
南さんはいったい何者なのか――。

第23話 あなた、おかえりなさい
沙知絵に本当の自分を打ち明けるため、再び岡山を訪れた勝男。
最初は信じてもらえなかったものの、家族しか知らない思い出を語ることで、少しずつ沙知絵の心を動かしていく。
そして最後に沙知絵が口にした言葉は――「あなた、おかえりなさい」。
妻との再会を果たした勝男だったが、帰り道で南さんへの新たな疑問が浮かび上がる。
そして駅で見つけた「南口(south gate)」という文字が、勝男の記憶を呼び覚ます。
南さんは一体何者なのか。
勝男はその答えを確かめるため、電車に飛び乗る。

天使の正体
南さんに本当のことを告白した主人公は、これまで抱いていた疑問をぶつける。
そしてついに、南さんの正体と、主人公が小沢勝己として生きることになった驚くべき真相が明らかになる。

エピローグ
五年後、主人公は遠く離れた席から、愛する娘・柚菜の花嫁姿を見つめていた。
父親として娘を見守ることができた喜びと、もう一度家族として生きたいという想い。
そして結婚式の後、沙知絵から思いがけない言葉が届く。

いいなと思ったら応援しよう!

まつまつま お読みいただき有難うございます。