掌編|【箕面線のすぐ側で】街灯下の自転車
久しぶりに訪れた
彼の部屋は
すっかり様変わりしていて
誰の部屋か
わからないくらいだった。
私を見ると
彼は慌てて、
訊いてもいないのに
壁に貼られた
大きなポスターの説明をした。
何かを言って欲しかったのに
彼は
何も言わなかった。
私は、自分の
一番のお気に入りのスカートを
じっと見つめていた。
サザンの
「真夏の果実」が聴こえた
あの夏の日から、
随分遠くまで
来てしまったみたい。
夜風にあたろうと、
部屋を出た。
いつも駅まで
送ってくれた彼は、
その日、
家を出なかった。
随分と
背伸びをして、
買ったのだろう。
街灯の光に浮かび上がる
オレンジ色の自転車から
目を逸らして、
改札を後にした。
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あの頃の夜を、もう少し。
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