【本の紹介/裏話③】「こんな本があったら自分が読みたい」から始まった『アメリカ菓子図鑑』
2023年秋に刊行した『アメリカ菓子図鑑』(誠文堂新光社)。
世界の『菓子図鑑』シリーズのアメリカ版として執筆した一冊です。
菓子の種類やつくり方だけでなく、菓子を通してアメリカという国の地域性や歴史も知っていただける本にしたい。そんな思いで6地域50州115品のお菓子を選びました。
今回は、この本がどのように生まれたのか、その舞台裏を書いてみたいと思います。
『アメリカンクッキー』の次に

最初にお話をいただいたのは2019年、『アメリカンクッキー』の執筆中でした。ちょうどジャカルタへの転居を控えていたため一度保留となり、帰国後に改めてご相談をいただきました。
世界の「菓子図鑑」シリーズのアメリカ版ということで、構成は自由。ただ、ページ数や掲載できる菓子数には限りがありました。
以前から『アメリカ郷土菓子』(PARCO出版)の続編のような本を書きたいと思い、少しずつ原稿やレシピをまとめていました。
本を形にするために

詳しく話を聞いてみると、制作予算には大きな制約がありました。
ですが、『アメリカ菓子図鑑』という本があるなら私が読みたい。
それ以上に自分で書きたい。
とはいえ予算は大切です。
お引き受けする前に、限られた予算の中で本としての完成度をできるだけ保つにはどうしたらよいかを編集部と相談し、カバーや章扉などはプロのカメラマンの公文美和さんとスタイリストの池水陽子さんにお願いし、掲載する菓子115品はすべて自分で撮影することにしました。
また、多くの材料は企業の皆さまにご協力いただき、制作を進めることができました。
この本は、本当にたくさんの方の支えがあって完成した一冊です。改めて感謝しています。
なぜ「地域別」なのか

構成は最後まで悩みました。
菓子の種類別、時代別なども考えましたが、最終的には「地域別、さらに細かく州ごとに紹介する(6地域50州)」という形に落ち着きました。
同じアメリカでも地域によって歴史や文化は大きく異なります。その違いが菓子にも色濃く表れているからです。
掲載候補は150品以上ありましたが、地域の偏りが出ないこと、できるだけアメリカ生まれ、もしくはアメリカ独自の形で定着した菓子であることを大切にしながら、最終的に115品を選びました。
つくって、撮って、調べる日々

あとはひたすら菓子をつくり、撮影し、調べて書く毎日でした。
スタイリングには、長年集めてきたアメリカのヴィンテージ食器を使い、資料は自分で集めたものに加え、大学時代の恩師から譲っていただいた貴重な文献にも助けられました。
現地で見聞きしたことと文献を照らし合わせ、「点」が「線」につながる瞬間は、何度経験してもわくわくします。
その積み重ねが、この本の土台になっています。
『アメリカ菓子図鑑』は、お菓子のレシピだけでなく、その背景にある地域性や歴史まで楽しんでいただける一冊を目指しました。
制作の裏側もあわせて、本を手に取ったときに思い出していただけたらうれしく思います。
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『アメリカ菓子図鑑』(誠文堂新光社)
撮影:公文美和さん(カバー、章扉、基本のレシピ、材料、道具、ポートレイト)
スタイリング:池水陽子さん(カバー、章扉、基本のレシピ、材料、道具)
撮影・スタイリング(上記以外):原亜樹子
装丁・デザイン:望月昭秀さん、境田真奈美さん(NILSON)
構成:高柳涼子さん
編集:宮脇灯子さん
下記、【本の紹介/裏話】の記事一覧です。
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