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【美形の特権①】学校でも職場でも、みんなが美人に夢中になる… 美人でいることは本当に得なのか?

コロナ禍を経てSNSが普及した現在の社会では、外見が魅力的な人々つまり美人やイケメンは得すると考えられている。

なぜなら、多くの人々が美人やイケメンに優しく接し、ちやほやするからである。特にインフルエンサーの場合はSNSでフォロワーやいいねを集めやすいはずだ。

魅力的な外見を持つ人々が得する現象を表す良い言葉がある。

それが、Pretty Privilege(プリティ・プリビレッジ)だ。


Pretty Privilegeとは

Pretty Privilege(プリティ・プリビレッジ)とは、直訳すると「美形の特権」という意味だ。

外見が魅力的な人が社会で受ける特別な扱いや恩恵を指す言葉である。

Beauty Premium(ビューティ・プレミアム)=美のプレミアムとも呼ばれる。

社会心理学や経済学という面では「美のプレミアム」の方が馴染み深いかもしれない。

以下の記事では「美のプレミアム」が使用されている。

外見と経済の関連性を探った本がこちらだ。魅力的な外見が人生に影響する様について残酷なほど書いてある。



「美形の特権」について語る記事やコンテンツは、やはり女性に言及したものが多い。そのため「美人の特権」とも表現される。

長らく女性の価値が外見の美しさを基準に決められてきたからだろう。

けれども、最近は男性に対してのコンテンツも増加している。

「美人は得する?または損する?」の議論は長くなされてきたが、その焦点がイケメンに向けられるようになったのは、SNS社会になったからこそだと考える。

その場合は、

Pretty Privilege For Men=男性の美形の特権
Guy Pretty Privilege=イケメンの特権

と表現される。以下の記事では、イケメンの特権にフォーカスしている。



「美形の特権」の例

ここでどのような特別な扱いや恩恵があるのか見てみよう。

・採用されやすい
・昇進しやすい
・給与が高い
・罰金や切符が警告だけで済むという、軽い処罰を受ける
・行列に並ばずに、優先的にクラブ、レストラン、イベントに入れる
・飲み物や食べ物をほかの人が払ってくれる
・無料でものをもらえる
・赤の他人が優しく接してくれる
・ドアを開けてくれる
・異性が話しかけてくる(ナンパされる)
・内面が知的、おもしろい、親切だと思い込まれる

これらの恩恵の中には、人生に大きく影響を及ぼす金銭的利益や社会的評価が含まれる。

特に以下の4点は深刻な社会問題と捉えられる。

・採用されやすい
・昇進しやすい
・給与が高い
・罰金や切符が警告だけで済むという、軽い処罰を受ける

外見が良い人は本来の能力や性格より過大評価される。

それをハロー効果と呼ぶ。

ハロー効果とは、ある対象を評価するときに、それが持つ特徴に引きずられてほかの特徴についての評価が歪められる現象のことだ。

その歪んだ先入観を認知バイアスという。

一方で、先ほどのリストの下の方は彼らにとっての「あるある」と言えるだろう。

日常で感じる「お得感」「生きやすさ」と表せる。



美人が得する瞬間の目撃者たち

"Beauty is a social currency."

「美しさとは社会通貨である」

このフレーズは美しさにはお金と同等の価値があることを示唆している。

外見の美しさに感心して直接お金を渡す人はいない。

しかし、人々は魅力的な人に対して何もしないではいられない。

Redditで関連の投稿を読んでみたが、どの投稿のコメントにも「美しさは主観的である」や「美しいほど生きづらい」という内容が多かった。

結局、美人は得するより損することが多い、ということだろう。この現象に関しては以下の記事で追及している。


そのため、なんとか2つの投稿から美形の特権についてのエピソードを探し出した。

<私生活のエピソード>

私の友人はよく人から「きれいだね」と言われる。驚くことではないけれど、面白い。

大学時代の知り合いの女の子が3人の男と付き合っていた。①彼女の論文を全部書いてくれるオタクっぽい男、②週末に旅行で留守の時に家と車を使わせてくれる金持ちの男(しかもお金までくれる)、③は②の男の家に連れて行ってセックスしていた男だった。

大学時代、とても可愛い友達がTinderを使って無料の食事などを手に入れていた。時々、ガソリン代や日用品代が必要だと投稿すると、必ず誰かが払ってくれた。

若い頃のルームメイトにはたくさんの男性が興味を示していて、彼女は男性から映画プロジェクターやその他いろいろなものを借りていた。

クラブに行った時、クラブは貸切パーティーを開催していたのだが、男性が私の友達を見て、「彼女の電話番号を教えてくれれば入れてあげるよ」と言った(笑)

20代前半の頃、とても可愛いルームメイトがいた。彼女と一緒にいると、まるでゴールデンチケットをもらったような気分だった。男たちは彼女に近づくためだけに、私にも飲み物をおごってくれた。

ミニバスに2人の女の子が乗り込んできた。2人とも可愛かった。1人は少し目立っていた。すでに満席だったので、当然2人は立っていなければならなかった。2人が乗り込んだ途端、男性が席を譲った。譲ってもらったのは「可愛い」方だけだった。

<学校・職場でのエピソード>

高校生の頃、男性教師に「着ているシャツが露出が多すぎる」と言われた。その間、痩せたお嬢様風の女の子が、お腹の下半分を覆いきれないベビーTシャツを着て、ローライズジーンズを履いて通り過ぎた。なのに私だけ「気が散る」からシャツを着替えるように言われた。

恐ろしい教授がいた。美人なクラスメイトの答えが全く違っていても、教授は彼女を教室から出そうとしなかった。

大学時代からの仲良しの友達がいて、今は病院で一緒に働いている。彼女はみんなのお気に入りで、特に医者たちに人気がある。彼女が紹介する時は、医者たちは彼女にとても優しく接するけど、私はみんなから「美人」だと思われていないから、みんな私にイライラする。

デートだけでなく仕事や私生活でも、あなたをより尊敬してくれるようになる。

出典:
①"What's the most shocking example of pretty privilege you've seen IRL?"(https://www.reddit.com/r/askanything/comments/1qbsdi6/whats_the_most_shocking_example_of_pretty/)
②"Pretty Privilege Is Real" (https://www.reddit.com/r/OffMyChestPH/comments/1k4b1k6/pretty_privilege_is_real/?tl=en)


Redditは主に海外ユーザー(英語)が利用しているため、これらのエピソードは日本人には当てはまらない可能性もあるが、とても分かりやすいので参考にする。


最初の例で示した「採用されやすい」と「昇進しやすい」の項目は、判断が難しいだろう。

採用した側が「美人だから雇った」とはっきり言えば確証が持てるが、これらは意図的ではなく無意識下で起こりやすいため、採用した側でさえ気づきにくいだろう。

Redditのエピソードは「飲み物や食べ物をほかの人が払ってくれる」「無料でものをもらえる」「赤の他人が優しく接してくれる」に近く、友達として一緒に行動していたら嫌でも見えてくるものばかりだ。

「かわいいあの子」と「そうではない自分」を比較した内容が多い。そのため、視点の違いがはっきりしている。

目の前で友達だけ外見を褒められたり、男性に優遇されたりするのを見てしまったら、比較せざるを得ないだろう。


ここで紹介された外見が魅力的な女性たちは「美形の特権」をうまく利用している。

彼氏が同時に3人もいたり、ガソリン代や日用品代を払ってもらったり、着たい服を着られたりなど、彼女たちにとっては「当たり前」なのである。



美形の特権が見えてしまった瞬間

心理学的な意味合いでは昔からあったコンセプトだったが、Pretty Privilegeという言葉で使われるようになったのは2010年代からである。

SNSの存在が急速に大きくなったコロナ禍からよく見かけるようになった。

次ではインフルエンサーの「美形の特権」に着目してみよう。


①かわいいけど、才能はない?(実力と外見の乖離)

TikTokが登場した当初、「歌って踊るアプリ」というイメージが強かったはずだ。特に「ダンスを踊るかわいい女の子」のためのアプリだった。

そういう女性の多くは、動画に火がついたことからアーティスト活動をスタートさせ、ドラマや映画に出演し、レッドカーペットを歩き、広告のアンバサダーを務めて自分のブランドをローンチするなど、活動を広げていくものだ。

チャーリー・ダミリオ(Charli D'Amelio)もその1人である。

有名になったきっかけはTikTokのダンス動画で、お姉さんも有名だ。

以下の動画は「Pretty Privilegeのビジネスコスト」というマーケティング視点の解説動画だ。

TikTokがバズってビジネスを展開してみたものの、ダンスとは全く関係のない広告をしているブランディングの失敗について解説している。

動画内ではインフルエンサーの美形の特権についても触れられている。

YouTubeチャンネル:zoeunlimited
動画タイトル:the business cost of pretty privilege

活動やビジネスを広げていくとオーディエンスが気づく。

「あなたはかわいい。そのほかに何ができるの?」

初期のオーディエンスとは全く異なる年齢、性別、関心を持つ人たちの目に触れたことで、「あなたは過大評価されている」と言われるのである。

このような人たちは優れた外見によって他人から良い評価をもらえる傾向がある(ハロー効果)。

しかし、彼らがPretty Face(美しい顔)を失ったら?
美形の特権がなかったら、何ができる?

オーディエンスは、結局その人たちが「かわいい」からコンテンツを見続けていたとやっと認識し始めたのである。

「外見で注目を集めること(集客)」と「実力でビジネスを維持すること(継続)」の乖離が、美形の特権の限界である。



②かわいいから、謝らないの?(責任逃れ)

最初の特権の例は、社会(他人)が彼らのような外見の良い人々をどのように扱ってしまうのか、と言い換えられる。

美人やイケメンを見て他人が甘くなってしまう現象はほかの問題を招く。

例えば、彼ら自身の行いについて反省・謝罪・責任を取るなどをしなくても、許されてしまう点だ。

というより、「こんなかわいい子たちがそんなことをするわけがない」「悪気はなかったんだろう」と思いたくなるからである。

サーチバーで見つけた質問がある。

"How to use pretty privilege to your advantage"

意訳は「『美形の特権』を自分の好都合に活用する方法」だ。

先ほどのRedditで紹介した人々は優しくされるのが当たり前の環境だと思っているだろうが、この質問のように、美しさを意図的に利用したい人間もいるのである。

YouTubeチャンネル:Kelly Scholas
動画タイトル:When the Internet Wants Your Downfall: The Kalogeras Sisters

この動画で取り上げられているのは、カロゴラス・シスターズ(Kalogeras Sisters)というカナダを拠点に活動をしている3姉妹TikToker。

動画のサムネにはこう書いてある。

"You guys use pretty privilege to avoid accountability"

意訳は「責任逃れのために美人の特権を利用してるよね?」だ。



③かわいくなるのが成功のカギ(アルゴリズムと整形への警鐘)

インフルエンサーの成功や知名度は再生回数やいいね数として視覚化される。

収益に大きく影響するため、成功するためには再生回数といいね数を増やさなければならない。

TikTokのアルゴリズムに乗るのは外見で有名な女性のTikTokerで、彼女たちの動画のいいね数を見ると、ほかのTikTokerよりはるかに多い。

そのため、数が表しているのは「かわいさ指数」とも言える。

YouTubeチャンネル:Vera
動画タイトル:Pretty Privilege Is Real… And TikTok Proves It

タイトルの和訳は「美人の特権はホンモノだった…そしてTikTokがそれを証明している」だ。

<インフルエンサーが成功するまでの流れ>
かわいくなる

アルゴリズムに乗る

多くの人に見られるようになる

再生回数やいいね数が増える

成功(収益化につながる)

つまり、成功するためには外見を変えるのがカギだと暗に推奨している。

この動画では、これに気づいた成功のためにキレイになりたい、整形したいという若い女性たちに警鐘を鳴らしている。



最後に

美人やイケメンが得だという現象を詳しく説明すると、「ただ嫉妬しているだけじゃない?」と言われるのが定番である。

または、本当は誰もその事実に目を向けたくないからかもしれない。

「ルッキズム」ではないか、と言いたいだろうが、ルッキズムとは、場面と関係ない外見評価によって不利益を被ることを指す。

外見の魅力に欠ける人に対して、社会(人々)がマイナスの反応をするから起こるのである。

美形の特権は美人やイケメンに対する社会的なプラスの反応を指す。

「ルッキズム=外見による差別(マイナス)」と「Pretty Privilege=外見による恩恵(プラス)」とは、主観が異なる。

どこかの美人が得しているからといって、普通の外見であるあなたにルッキズムが起きるとは限らない。

だから、これを読んだ後に美人な友達にこんな良いことが起こっているのか、と憤りを感じる必要もない。

社会の仕組みとして理解して、自分を責めないでほしい。

"Don't take it personally."

つまり、「個人的に受け止めない」のが重要である。


関連記事

美しさもまた、1つの属性にすぎない。

Pretty Privilegeの反対には、Pretty Punishment(プリティ・パニッシュメント)がある。「美しさが原因で受ける罰」という意味だ。

外見が美しいからこそ、仕事の実力がない、知性が低いと思われるのである。俗に言う「美人で損すること」だ。友達から仲間外れにされて、結局友達がいない…というケースも。詳しくは以下の記事で説明している。


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無料記事も長文が多いのですが、こちらの記事はより長くなる予定です😅 センシティブなトピックや社会ではタブーとされる内容も取り上げます。

執筆や小説に関心がない方でも楽しんでいただけるよう、早瀬秋(Iris Kuraki)の視点から、幅広いトピックを扱いたいと思います。

ご興味ある方はどうぞ!!よろしくお願いいたします🙇‍♀️


【小説の紹介】

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次回作は「美しさと女性の友情、SNSに映し出される姿」をテーマにしたYAサイコロジカルスリラー。お楽しみに!

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