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5年前の私は「会議中に別の仕事をしましょう」と書いていました。管理職になって、撤回します

5年前の自分のつぶやきを、そのまま貼ります

2021年の夏、私は毎朝noteに短い「定時退社のコツ」を書いていました。いま5年ぶんを読み返しているのですが、そのうちの1本で手が止まりました。

2021年8月30日の投稿です。

意味のない会議には参加しないようにしましょう。参加する会議を選ぶのは難しいという方も多いのではないでしょうか?そんな時は、会議中に企画を考えたり、予定を整理したり、有効に使いましょう!

自分で書いたものです。誰かの引用ではありません。

前半は、いまも同じことを言います。問題は後半でした。

「会議中に有効に使う」は、時間を増やしていない

当時の私は、これを裏技のつもりで書いています。出ないのが無理なら、せめてその時間を無駄にしない。前向きな工夫だと思っていました。

いまの私は、これをはっきり間違いだと言います。理由が2つあります。

ひとつめ。会議中の内職は、使える時間を1つ増やしているのではなく、中断を1つ増やしています。

企画を考えながら会議を聞くと、会議で名前を呼ばれるたびに企画から引き剥がされます。企画に戻ると、今度は会議の話が分からなくなっている。往復のたびに、両方の集中が削れていきます。会議が終わったとき手元に残るのは、「聞けていない会議」と「進んでいない企画」の2つです。

このあたりは今月、数字を調べて別の記事にまとめました。私たちは業務の中核時間に平均2分に1回中断されていて、速く処理する工夫では定時に帰れない、という回です。

2分に1回、私たちは中断されている。速く働いても定時に帰れない理由

会議中の内職は、その中断を、自分からスケジュールに組み込む行為でした。

ふたつめ。そして、こちらのほうが5年かけて分かったことです。

あの助言は、全部「出る側」からの発想だった

読み返して一番こたえたのは、内容の間違いよりも、自分が立っていた場所のほうでした。

5年前の私は、会議について「出る/出ない」しか選択肢を持っていません。そして出ないのは難しい、と自分で認めている。だから残ったのは、出たうえでどうやり過ごすか、という工夫だけでした。

これは我慢の仕方の工夫であって、会議の工夫ではありません。

会議の長さも、議題の数も、参加者も、その場に呼ばれた出席者には変えられません。変えられるのは、主催した人だけです。 5年前の私は、自分が動かせない場所で、動かせるふりをする方法を探していたことになります。

管理職になって、初めて主催する側に回りました。そこで分かったのは、会議は「減らす」より「作り方を変える」ほうが早い、ということでした。

いま、自分が主催する会議に必ず入れている3つ

特別なことはしていません。3つだけです。

① 終了時刻を、冒頭で口に出す

「30分で終わります」と最初に言います。カレンダーに30分と入れておくだけでは足りません。声に出すと、その場の全員が同じ終わりを共有します。

終わりを宣言していないと、話が一区切りついたところで「ついでにもう一件」が入る余地が残ります。誰も悪くありません。終わりが決まっていないだけです。

② 決めることを、1つに絞る

議題が3つある会議は、たいてい何も決まりません。順番に話しているうちに時間が来て、「次回に持ち越し」で終わります。

決めることが1つに絞れないなら、それは会議ではなく共有です。共有だけなら、チャットで足ります。

③ 出なくていい人を、名指しで外す

3つのうち、いちばん構造的だと思っているのがこれです。

「〇〇さんは議事録だけで大丈夫です」と、招集の時点で言います。呼ばれた側から「私は出なくていいですか」とは、まず言えません。断ると協力的でない人に見えるからです。出なくていい、と言えるのも主催者だけです。

5年前の私が「参加する会議を選ぶのは難しい」と書いたのは、正確でした。出る側には、本当に選べないんです。

正直に書いておきたい留保

この3つは、私の時間を守る技ではありません。

私が呼ばれる会議は、いまも私には選べません。そこは5年前と何も変わっていない。この3つで返せるのは、私が人から奪っていた時間のほうです。

ただ、見え方がひとつ反転しました。

私が主催する会議で、誰かが手元で別の作業をしていたとします。5年前の私なら「時間を有効に使っていて偉い」と思ったはずです。いまは、その人にそうさせているのは私の設計だと考えます。決めることを絞れていないか、そもそもその人を呼ぶ必要がなかったか、どちらかです。

同じ光景の意味が、立場が変わっただけで裏返りました。

まとめ

5年前の私は「心がける」で解こうとしていて、いまの私は「仕組みにする」で解いています。10本のつぶやきに○×をつけた記事でも、結局そこに行き着きました。

5年前の私が毎朝つぶやいていた「定時退社ハック」を、管理職になったいま採点する

その10本を、今度は縦に並べ直してみました。1個ずつ採点していたときには見えていなかったものが、並べた瞬間に出てきました。

5年前の私が書いた定時退社のコツ10個は、10個とも「自分の時間」の話でした

そして今回、もうひとつはっきりしたことがあります。

仕組みを変えられる場所に自分がいるかどうかで、できる工夫の種類がまったく変わる。

出る側にいるあいだ、私が書けたのは我慢の仕方だけでした。悪気はありませんでした。ただ、そこからは何ひとつ減らなかった。

会議中の内職を、悪いことだとは言いません。出る側にできることが本当にそれしかない場面はあります。ただ、それは工夫ではなく消耗です。 そう認識しておくだけで、いつか主催する側に回ったときの動きが変わります。

立場が変わって最初に見えたのは、これでした。


定時退社については、こちらにも書いています。

「定時で帰ったらキャリアは終わる」と思っていた。あれから5年、失ったもの・得たもの

残業を減らしても、時間は増えなかった。30代管理職が「時短投資」に100万円使った話

実際に試したことだけを書いています。スキ・フォローをいただけると、とても励みになります。

さあ、今日も定時ダッシュです。

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