なぜ会社は「仕組みで回る組織」と「属人化で止まる組織」に分かれるのか——バックオフィスの属人化を解消する3ステップ
はじめに
バックオフィスの属人化は必然的に行ってしまうものです。
優秀な人材が入ったとき
忙しいことが続くとき
経理が1人しかいないとき
例をあげればきりがありません。
属人化は必然的におきます。
放置すれば必ず進行し何かが起きたとき
ある日突然、会社の業務が止まってしまいます。。
実際に
「経理担当が退職したので業務が止まりました」
という相談は珍しくありません。
ではなぜ
「仕組みで回る会社」と
「人に依存する会社」
に分かれるのか。
結論はシンプルです。
業務を設計しているかどうかです。
なぜ属人化はなくならないのか
多くの会社は
属人化を「人の問題」と捉えています。
・スキルが足りない
・教育が足りない
・採用がうまくいっていない
しかし違います。
問題は構造です。
・業務が言語化されていない
・イレギュラーが口頭で流れている
・マニュアルが使われていない
・「簡単」という言葉で説明が終わる
この状態では
どれだけ優秀な人を採用しても
同じ問題が繰り返されます。
属人化は
特定の人の能力の問題ではなく
再現性のない構造から生まれます。
実は優秀な人が作業をしているときほど再現性のない構造になりやすいのです。
さらに根本の問題
属人化が繰り返される理由があります。
優秀な人を前提に設計していることです。
「任せればできるはず」
「渡せば読むはず」
「伝えればわかるはず」
この前提で設計すると
優秀な人がいる間は回ります。
しかし
その人が辞めた瞬間にすべてが止まります。
なぜなら
その業務は
「その人だからできていた業務」
だからです。
これは
マクロを組んで業務を回している状態と似ています。
一見効率的に見える。
しかし
中身がブラックボックス化しているため
誰も再現できません。
優秀な人ほど自分でやった方が早いのでマニュアルを作らないのです。
だからブラックボックスとなりやすい。
経営と現場のズレ
ここにもう一つ重要な問題があります。
経営と現場の認識のズレです。
経営は言います。
「そこまで細かくやらなくていい」
効率やスピードを重視しているからです。
しかし現場は違います。
バックオフィスは減点主義の世界です。
・仕訳を間違えれば修正が発生する
・給与を間違えれば信頼を失う
・税務を間違えればペナルティになる
つまり
責任が現場に集中しています。
だから現場は
・細かく確認する
・自分で抱え込む
・他人に任せない
という行動を取ります。
結果として業務は個人に集中します。
これが属人化です。
このジレンマを解決するのは
個人の努力でも経営者の指示でもありません。
設計です。
前提を変える——性弱説で設計する
仕組みを作るときに最も重要なのは前提です。
人は弱い。
・報告を忘れる
・確認を怠る
・後回しにする
・面倒を避ける
これは能力ではありません。
人間の性質です。
多くの会社は
「ちゃんとやるはず」という性善説で設計しています。
しかしこの前提は必ず崩れます。
だからこそ
「やらなくても回る仕組み」を作る必要があります。
これが
性弱説で設計するという考え方です。
解決の3ステップ
ここからが具体的な解決方法です。
Step1:業務を分解する
まずやるべきことは
属人化している業務を分解することです。
・どの資料に基づくのか
・資料のどこを見るのか
・何を確認するのか
・どこに注意するのか
・どのタイミングで行うのか
・イレギュラーは何か
ここまで分解して初めて
業務は再現可能になります。
引継ぎや業務の説明の現場でよく使われる言葉が、
「この処理は簡単」
簡単であればすぐにできるでしょ?説明を省いてもわかるよね?
という心理状態となり詳細な説明が行われないケースが多くなります。
だから「簡単」という言葉は使いません。
Step2:判断基準を言語化する
次に
判断基準を言語化します。
特に重要なのはイレギュラーです。
現場では
・営業に聞く
・購買に聞く
・税理士に聞く
という形で
口頭で処理されているケースが多いです。
しかし
この判断が記録されない限り
同じ問題が繰り返されます。
・どんなケースがあるのか
・そのときどう判断するのか
・なぜそう判断するのか
ここを残すことで
初めて属人化は止まります。
Step3:見なくても回る状態を作る
最後に
「マニュアルを見なくても回る状態」を作ります。
なぜなら
人はマニュアルを見ないからです。
・探すのが面倒
・読むのが面倒
・理解するのが難しい
これは怠慢ではなく
人間の性質です。
だからこそ
・業務の流れに組み込む
・進捗を可視化する
・チェックを仕組みにする
ことで
見なくても動く状態を作る必要があります。
AI時代はさらに差が広がる
この問題はAI導入でも同じです。
構造がないままAIを導入しても
機能しません。
むしろ混乱を増やします。
一方で
構造がある会社は
AIで一気に効率化が進みます。
つまり
属人化している会社は
AI時代にさらに不利になります。
AIを駆使できる優秀な前任者がいました。
ただ後任の方はAIを駆使できません。
このとき後任に仕事がバトンタッチされたとき、
業務がどのようになるのかを想像してみてください。
「AIがよくわからない」、「どのように仕組みが回っているのかわからない」
という事態が起きます。
これはとても不利な状況です。
まとめ
属人化は
特定の人の問題ではありません。
構造の問題です。
人は弱い。
だから設計する。
強い会社は
人に依存しない。
設計に依存する。
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