カントの中では、集合論に近い考え方があったのではないでしょうか… 集合の考え方を集合論としてまとめたのがカント―ルということも、何か因縁を感じませんか?… 連載 超訳プロレゴメナ 172 読書会編120
超訳プロレゴメナ読書会 第十三回から
ディスカション(承前)
牧野照邦:
荒川先生が、アカデミック版の構成を、カント自身のものと考える根拠も観えた感がありますね。以下が、第2節の後半のあっても実感が伴わなかったけれど、第4節を読み終わってみれば自然に捉えられそうですね。
この簡単で取るに足らないと観える観察を無視したことが、哲学にはかり知れない不利益を生ませたことを、ぼくは指摘せずにはいられない。
前島幸太郎:
第4節で、純粋な数学的認識を語っているのも重要だと考えます。
すべてのア・プリオリな認識の中では、純粋な数学的認識の本質的で際立った特徴をもっている。
ここでの純粋な数学とは、幾何学や代数を意識したものではありませんからね。
栗林雄太:
カントの中では、集合論に近い考え方があったのではないでしょうか? ここなんか、そう思えてなりません。
たとえば、a=a、全体はそれ自体に等しい、または a+b>a、全体はその部分より大きい。 そして、これらさえも、単なる概念からは有効であると認識されているが、ある具体例を意識した直感で表現できるから、数学でのみ認められているのだ。
須田隆雄:
集合の考え方を集合論としてまとめたのがカント―ルということも、何か因縁を感じませんか?
山際このみ:
どうしてよ?
須田隆雄:
カント―ラと読めば、カントを受け継いだ人のように思えませんか?
池田幸男:
一見、つまんない語呂合わせみたいですが、集合論の影響が数学の範囲を超えている現実を観ると、そうした考えもあっていいと思えます。
曽根康夫:
現代の論理学では、集合論が切り離せなくなっていますからね。
前島幸太郎:
だから、ぼくたちはカントの継承者であると同時に、カント―ルの継承者でなければならないのかもしれませんね?
栗林雄太:
現代哲学では量子力学も対象になるみたいですけど?
桐川夢見:
わたし、『ご冗談でしょう、ファインマンさん』をとても面白く読みました。
牧野照邦:
そうした広い視野を持つことも重要でしょう。ぼくもその本を面白く読みました。量子力学は書かれていませんが、量子力学者の考え方に哲学に通じるものを観ることはできました。
前島幸太郎:
興味を広げていくことが、先生がいう多様性につながるのでしょう。ぼくも哲学だけにこだわるつもりはありません。けれどもこの姿勢が、哲学に新風をもたらすのだと、確信しています。
